日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

舛添さんと平井(鳥取県知事)さん

2016-05-16 21:49:59 | 徒然

週刊誌の文春が、東京都知事の舛添さんの「豪遊」ぶりをスクープ?して以来、連日のように「自治体のトップとしてのお金の使い方」が、話題になっている。
確かに舛添さんの「豪遊ぶり」には、驚いた。
「ファーストクラスでなければ、現地に到着してからすぐに仕事にかかれない」とか、「東京都知事として、(海外出張時に)相手からの表敬訪問を受ける時、恥ずかしく無いような部屋に泊まる必要がある」とか、凄いな~と聞いていた。
もちろん、「(出張の内容から考えれば)自分がその会場まで行くコトはあっても、相手がホテルまで来ることはないだろう。お迎えがあるとしても、それはロビーまでのコトで、宿泊している部屋までは来ないのでは?」ということくらい思いはしたが、舛添さんの堂々たる「言い訳ぶり」には、そんな「ツッコミ」も忘れるほどであった。
それよりも驚いたのは「家族旅行」が、いつの間にやら「会議」に変っていたことだ。
宿泊をしたとされるホテルのHPを見ても「こんなところで、会議?」と思えるほど、リゾート感たっぷりのホテルだった。
もちろん「会議プラン」もあるので、そのような「プラン」を利用されたのか?と思ったら「家族で宿泊していた部屋で会議をした」という。
もし本当なら、ご家族だけではなくその会議に出席した都職員も、気まずい雰囲気だっただろうな~、と想像をした。(この釈明は、その場限りの言い訳だと思っている方が、ほとんどだと思う)
実際の「釈明記者会見」では、そんなチグハグな内容の「言い訳」ばかりが目立ち、「釈明会見」としては失敗だった、とまで言われているようだ。

そんな舛添さんの「豪遊」が話題になったコトで、意外な方が注目されている。
私の実家がある、鳥取県の知事の平井さんだ。
実家に帰ると、夕方のニュースでは平井さんを見ない日はない?!という気がするくらい、地方ニュースに登場する知事さんなのだが、国内外を問わず、出張に出かける時は「一人」で行かれるという。
ご存じのように鳥取県は、全国一県民が少ない。当然財政などは、東京と比べようもないほど少ないはずだ。
そのような財政状況だからこそ「絞った知恵」が、「先発隊」の職員と合流する、という方法だったのではないだろうか?
少ない財政だからこそ、「少ない袖を振る知恵を絞り出したのだろうな~」と、思っている。

平井さんは、「東京という大企業と中小企業の鳥取県は、違うな~」と話されていたが、十二分に予算があり、随行職員が10人以上組めるような状況であれば、使い方の「知恵を絞る」必要はないだろう。
最も「家族旅行」を「会議」と釈明したコトは、逃げられない言い訳だったとは思う。

「消去法で選ばれた舛添さん」と言われていたが、他の人選は本当になかったのだろうか?


人と普通に会話ができるロボット誕生は、近い?

2016-05-13 19:56:28 | ビジネス

中日新聞のWEBサイトを見ていたら、「人の感情に近い音声反応ができる技術開発」という、トピックスがあった。
この技術を開発したのは、ヤマハ。
ヤマハ ニュースリリース:人間同士の会話の特徴をヒントに開発「自然応答技術 HEARTalK™」
「餅は餅屋」という言葉があるが、まさにそんな印象を持つ「技術開発」だ。

いわゆる「音声ガイダンス」の普及は、目覚ましいモノがある。
「PCの調子が悪い」などの問い合わせをしようと、サポートセンターなどに電話をすると、まず一番最初にかかるのは「音声ガイダンス」による案内だ。
そしてこの「音声ガイダンス」、なかなか聞き取り難いことが多い。
高齢者になればなるほど、この「機械的音声ガイダンス」は聞き取り辛いのでは?と、思うことがある。
もちろん、利用する「音声ガイダンス」のソフト質にもよるのだろうが、いかにもコンピューターの合成音声という、ガイダンスの案内ほど、聞き取りにくいコトが多いように感じる。

その延長線上にあるのが、いわゆる「ロボット」との会話だという気がしている。
そして会話を成り立たせるために、重要となるのが最近話題になっている「AI」だろう。
しかし、残念なことにこの「AIの会話」というのは、面白くないらしい。
Yahoo!トピックス:ロボットの会話に未来はあるか?発売秒読みのシャープ製゛ロボホン”から考える会話AIエンジン開発

「会話が面白くない」理由は、すでに出来上がったシナリオ上の会話しかできない、という点にあるようだ。
確かに私たちの会話は、縦横無尽に話が飛ぶことが多い。
それは「会話をしながら、様々な情報を整理し、考える」からだろう。
もう一つは、シナリオ上のコトであっても「感情」が、そこに表現されていないからではないだろうか?
同じ言葉であっても、その時々の気持ちによって「語調」などは、変化する。
「ハイ」という返事一つにしても、その時々の気分で随分意味合いが変わる。
当然、会話の内容も変化していく。
そのような、感情表現を捉えるということに関しては、まだまだAIは苦手なのかもしれない。

そこに着目したのが、ヤマハの「HEARTalK™」だと思う。
ロボットの開発技術は、ホンダの「アシモ」や村田製作所の「ムラタセイサク君・セイコちゃん」、ソフトバンクの「Pepper」など、開発が進みロボットの存在自体も身近なモノになってきているが、より身近にするためには、「人と自然な会話ができる」ということだと思う。
その意味で、ヤマハの「HEARTalK™」は、どこの企業がジョイントをし、その性能を上げていくのだろう?という、興味がわく。


三菱傘下から外れる三菱自動車・・・ゴーンさんの手腕は?

2016-05-12 19:05:25 | ビジネス

「燃費不正」の問題で、日産自動車が三菱自動車の大口株主となるという「救済策」が、発表された。
これでひとまず「経営的な」問題の一つは、解消されたコトになるだろう。
もう一つ、解消された問題は「三菱グループ」から離れるコトで、「三菱らしさ」を失くすという点かもしれない。

多くの場合「〇〇らしさ」という場合、その企業や人の「個性」や「アイデンティティー」を表すコトが多い。
本来であれば、失ってはいけいない重要な部分なのだが、今回はそれが失われるコトで、プラスに転じるような気がする。
その理由の一つは、「三菱らしさ」の中にあった「旧財閥のプライド」だ。
ネットなどで今回の三菱自動車の問題を取り扱ったトピックスのコメントを読むとわかるのだが、「三菱自動車は、何かトラブルがあっても絶対に謝らない」という内容のコメントが、いくつもあるコトがわかる。
違う言い方をするなら「殿様商売」のような体質というか、企業文化を持っていたということになるのだと思う。
もちろん、販売店などではそのような「殿様商売」をしていたら、市場からソッポを向かれるのでそのようなことはなかったと思うのだが、「モノを作る」メーカーとして「殿様商売」のような企業文化を持っていた、ということだと思う。

実際、今回の会社側の説明を聞いても「技術部門で起きたこと。上層部は知らなかった」という趣旨の説明を繰り返している。
このような説明を聞いて、生活者が納得できると思っていること自体、「殿様商売体質」という印象を与えていると思う。
なぜなら、三菱自動車を購入した人は「三菱自動車を購入した」のであって、「技術部門うんぬんで購入した訳ではない」からだ。
そこの部分を、三菱自動車の幹部は、十分理解できていなかったのだろう。
言葉の端々に「根拠のない上から目線」や「(旧財閥の)三菱が、そのようなことはしない」を感じた方は多かったのではないだろうか?

そのような「三菱(自動車)らしさ」が無くなり、低迷をしていた日産をV字回復させたゴーンさんが、果たしてどのような手腕を振るうのだろう?と、今から期待がかかる。
その期待感は、今日の株式相場にも表れていた。

逆に言えば、これからの「三菱自動車」は「三菱らしさ」を捨てなくては、企業再生ができない、ということになる。
当然、今の企業幹部は時機を見て退任させられるだろう。
その退任のされ方で、これからの三菱の姿が見えてくるかもしれない。
大口株主となった、日産が現在の取締役~幹部クラスの社員をどう扱い、どう退任させるのか?
それが、今の注目点だろう。


パソコン周辺機器メーカーと肩こりの関係

2016-05-11 21:21:01 | マーケティング

必要に迫られて、ネットで様々な商品を探すコトがある。
私だけではないと思うのだが、「探し物をする」時ネットというのは、実に便利だ。
ただ「探し物」をしている最中に、「あれ?!」と思うことがある。
特にその企業とサイト上で見つけた商品と、関連性がほぼ無いのでは?と、感じたときはより印象が強く残ることがある。

今回もパソコンの周辺機器を扱っている企業が、「低周波治療器」の広告を出していて「あれ?」どころか「何故?」と、しばしPCの前で考えてしまった。
低周波治療器の広告をサイト上で出していたのは、エレコムだ。
そのエレコムのHPのトップに、「低周波治療器」がいきなり登場する。
そしてよくよく見ると「ヘルスケア」という、商品カテゴリーのコンテンツもある。

おそらくエレコム社製のUSBやもメリーカードを持っていらっしゃる方は、多いと思う。
しかし「ヘルスケア」という事業分野に、パソコン周辺機器メーカーであるエレコムが進出しているとは、思ってもみなかった。
「ヘルスケア」商品のラインナップを見て、「なるほど!」と思ったのだ。
その一つが「活動計」だ。
「活動計」そのものは、国内外の企業の参入が多い分野だと思う。
当然企業規模も様々。
オムロンのように元々「ヘルスケア」事業を行っている企業もあれば、余り名前を聞いたコトが無いような海外の企業もある。
そして母体となる事業分野も様々だ。
オムロンのような「ヘルスケア」事業中心の企業から、エレコムのように「パソコン(やスマホなどのモバイル)と接続する・通信をするツール」のメーカーまである。

「活動計」と言っても、オムロンとエコレムとでは「つくる」アプローチが全く違うのだ。
オムロンはもちろん「健康」という視点。エレコムは「パソコンやモバイルツールの活用の幅を広げる」という視点のように思われる。
「活動計」と言っても、つくる側の発想や視点が違うのだ。

それと同じように「低周波治療器」も、大手家電メーカーをはじめとする既存メーカーは「肩こりや疲労」などからの発想だと思う。
エレコムの場合「PCなどを使う人の問題解決」という視点や発想から、製品を作っているような気がするのだ。
そう思う理由は、本体とパットが別々という点だ。
大手家電メーカーに限らず既存メーカーは「本体とパット一体型」。
「肩こりなどを広くマッサージをする」ということだと思う。
それに対してエレコムの商品は「モバイル型低周波治療器」と銘打っているように、モバイル=携帯性を重視している。おそらく「スマホをしながらマッサージ」という感覚の提案なのだと思う。

どちらが便利なのか?ということではない。
「一つの商品でもつくる側の発想」の違いがあり、事業領域とは関係なさそうに思えても「使う人の問題解決」という視点で考えれば、関係のない事業領域であっても関連性がある、ということなのだ。
バブルの頃のように、「事業拡大」と言って全く関連性のない事業分野に進出をし、失敗した企業はたくさんある。
だからこそ、「事業領域とユーザーの問題解決」のマッチングの視点は、重要なのだと思う。


「パナマ文書」の衝撃

2016-05-10 20:47:04 | ビジネス

今朝、4月から話題になっていた「パナマ文書」が公開された。
この「パナマ文書」については、様々な影響が出てきている。
ロシアのプーチンさんの知り合い?とか、中国の習近平さんの親族とか・・・アイスランドでは、首相が辞任に追い込まれる、という状況にまで発展している。

国際的には、それほど話題になっている「パナマ文書」だが、日本国内ではあまり注目されていないようだ。
もちろん「熊本・大分での大地震」で陰に隠れてしまったという部分もあるようだが、そればかりではないと思う。
一つは、「日本の政治家の名前が無い」という報道が、早い段階で報道されたからだろう。
もう一つは、日本の大企業が「パナマ文書」の中にあったとしても、出てくる回答は「適切に処理をしている」か「現在は、関係が無い」という内容だと、想像できたからかもしれない。
実際、今日発表されたリストに掲載されている大企業は、そのような回答をしている。

その一方で、日本の暴力団幹部が関わった企業の名前がある、という話もあったようだが、新聞などのメディアでは報道されていない。
この場合、「租税回避」というよりも「マネーロンダリング」を目的としていた、という点が問題になる。
そう考えると「タックスヘイブン」を使った手法は、税金逃れだけではなく、「表に出せないあらゆるお金」にまつわる手法だということがわかる。

以前、拙ブログでも指摘をさせていただいたのだが、この「タックスヘイブン」によって、一番犠牲になるのは「中間層」だと言われている。
本来支払わなければならない税金を富裕層が逃れるコトで、そのツケは中間層が負担をしなくてはならなくなるからだ。
そして税金逃れをしている富裕層や大企業が、正当な税を納めた場合、ほとんどの国の「財政危機」は無くなる、という指摘もある。

そのような指摘をしている中心的人物が、「21世紀の資本」の著者であるトマ・ピケティ氏だ。
そのトマ・ピケティ氏や世界の経済学者たちが集まり、「租税回避地を失くす」という動きが出ている。
もちろん「租税回避地」となっている国や地域にとっては、経済的ダメージを受ける。
問題となるのは、「落としどころ」ということになるのだろう。

一つ気になることは、海外と日本との「パナマ文書」に対する受け止め方の温度差だ。
国税は、情報収集に興味を示しているようだが、「租税回避地」で起業すること自体は、問題ではない。
「税金逃れ」と、単純に言い切れる訳ではないからだ。
だからこそ、今日発表された企業の多くが「適切に処理をしている」と、回答できるのだ。
最も日本の場合、大企業に対する税優遇の指摘はされており、それが実際の経済に影響を与えていない、という指摘もある。
その優遇措置が、経済にプラスとなっているのか?という、検証から始める必要があるかもしれない。

いずれにしても、「パナマ文書」で名前の挙がった企業に対するイメージダウンは、ある程度免れないだろう。
ただしそれは、生活者が以前からその企業に対して、どのように感じていたかによるところが大きいように思う。
生活者にとって、遠い存在の企業であればダメージは比較的小さく、身近な存在であればダメージは大きいだろう。
果たして、海外での「パナマ文書」のような衝撃は、日本でも起きるのだろうか?
その鍵は、生活者一人ひとりの「税の不公平感」にかかっているような気がする。


富田勲さんが切り開いた「電子音楽」という分野

2016-05-09 20:26:19 | アラカルト

昨日、音楽家の富田勲さんの訃報が伝えられた。
年齢が、80歳を超えられていたことには驚いたが、考えてみれば子供の頃家族で見ていたNHKの「新日本紀行」のテーマ音楽を担当されていたことを考えれば、当然だと気が付いた。
最もそれよりも驚いたのは、NHKの「きょうの料理」のテーマ曲も富田さんの作品であったコトだったが・・・。
余りにも曲調が違いすぎて、同じ作曲者だと気づかなかった。

富田さんと言えば、シンセサイザーという「電子楽器」を一般的にした音楽家としても、知られている。
むしろ富田さんという音楽家がいなければ「シンセサイザー」という楽器は、今のように普及していなかったのではないだろうか。

富田さんとともに紹介される「シンセサイザー」の写真というのは、楽器というよりも何かの機材のような印象を受ける。
しかも今のようなコンパクトな大きさではなく、一部屋まるますシンセサイザーが占める、というような桁外れの大きさだ。
イメージ的には、大昔のコンピューターという感じだろうか?
そのシンセサイザーという楽器は、富田さんと日本の楽器メーカーによって進化してきた、と言っても過言ではないと思う。

音楽的な部分で革新者となったのが富田さんであり、楽器として創り上げていったのが「ローランド」や「ヤマハ」だった。
事実ヤマハは2007年に、ローランドの創業者・梯さんは2015年に、アメリカ音楽業界最高の賞と言われる「グラミー賞」を、受賞している。
残念なのは、シンセサイザーを使った音楽家として富田さんが、グラミー賞を受賞されていないことだ。

しかし富田さんが音楽業界に与えた影響は、とても大きかったのでは、と今更ながら感じている。
特に1970年代、シンセサイザーという楽器そのものが珍しかった頃、積極的に使っていたのはスティービー・ワンダーだった。他にも英国の「プログレッシブ・ロック」と呼ばれた、ロックアーティストたちは新しい音楽を創るためにシンセサイザーを積極的に使っていた。
ピンクフロイドやエマーソン・レイク・アンド・パーマー(メンバーのキース・エマーソンは、今年3月に死去)など、音楽のカテゴリーを打ち破ろうとするアーティストたちがこぞってシンセサイザーを多用し、今ではなくてはならない楽器の一つになった。
その先駆者であったのが、富田さんであったと考えればその功績は、日本にいる私たちよりも海外での評価のほうが高いのかもしれない。

亡くなられる直前まで、新作に意欲的であったという話もあり、とても残念な気がする。


ダイソンが参入する「美容家電」

2016-05-07 22:27:50 | ビジネス

Yahoo!のバナー広告に、ダイソンの「ヘアードライヤー」の広告が出るようになった。
これまで「掃除機、扇風機」とユニークな発想での家電を作ってきたダイソンが「美容家電」の分野に進出、ということで話題を呼んでいる。

家電量販店の「美容コーナー」へ行くと、本当に様々な「美容家電」と呼ばれる電化製品が、並んでいる。
その中で頭一つ先行しているのかな?と、思わせるのがパナソニックだ。
20年近く前?から「きれいなお姉さんは、好きですか?」という、キャッチコピーで「美容家電」という分野を切り開いて来た。
元々は「レディースシェイバー」と呼ばれる、「ムダ毛そり」が中心だったのだが、その後「小型の室内スチーム」や「イオンヘアドライヤー」などで、市場の中心となった感がある。
もちろん、他社も負けてはいないのだが、もともとこの「美容家電」の市場を創ってきたメーカーさんが、パナソニックのような大手ではなかったこともあり、パナソニックの進出によって市場そのものが一気に広がった、という気がしている。

何より、「きれいなお姉さんは、好きですか?」というキャッチコピーが、良かったような気がしている。
というのも、実際のユーザー対象よりも少しだけ年齢の高い女優さんを起用したコトで、「あのような女優さん肌(や髪)になりたい」という、女性心をキャッチしたように思うからだ。
確かに言葉そのものは、男性向けのような印象なので「女性向けのプレゼントとしても最適ですよ」というアピールにもなっただろう。
それだけではなく、国内の家電メーカーの多くが「美容家電」そのものにあまり興味を示さなかった?ことも一因だろう。

だからと言って、海外の家電メーカーが手をこまねいていたわけではない。
オランダのフィリップス社や髭剃りで有名なブラウンなども、「美容家電」には参入をしている。
ただ日本の市場では、まだまだという感じだろう。
そんな状況の中で、ダイソンが「ヘアードライヤー」という「美容家電」の中では、スタンダード?な分野に参入をしてきた。
もちろん「羽のない扇風機」を開発したダイソンだ、これまでの「ヘア―ドライヤー」とは構造などが違うようだ。
女性にとって、「ヘアスタイル」を整えるというのは、案外時間がかかる割には自分でうまくセットすることが難しい(というよりも手間がかかる)。
特に、洗髪後に髪の毛を乾かすのは時間がかかる。
その時間を短縮し、これまでのヘア―ドライヤーよりも髪の毛を傷めない、というのは魅力だろう。
何より「美容家電」と言いながら、ヘアードライヤーのユーザーは女性とは限らない。
ヘアースタイルを気にする男性も多い。
おそらくダイソンが「美容家電」の参入で、一番最初に「ヘアードライヤー」を選んだ大きな理由は、そのようなことを考えてのコトだろう。

ただ、気になるのはその価格だ。
バナー広告からHPへアクセスしてみると、5万円弱の価格。
元々ダイソンの家電は、国内の家電メーカーに比べると高額な価格設定となっているが、さすがに5万円弱のヘアードライヤーとなると、簡単に手が出せないのでは?
日本のメーカーのヘアードライヤーが、5千円~2万円くらいまでの価格ということを考えると、その倍以上の価格だ。
いくら「家族で使う」可能性が高いにしても、簡単に手が出る価格ではない。
ましてヘアードライヤーそのものは、度々買い替える商品でもないだろう。
買い替えが少ない商品だからこそ、高額でも良いモノを使いたい、という生活者の気持ちもあるとは思うのだが、果たしてそうなるのだろうか?


トランプ氏とキャンペーンソング

2016-05-06 19:04:21 | アラカルト

米国大統領選の共和党候補は、ほぼトランプ氏に確定しそうだ。
トランプ氏は、数々の暴言で話題をさらい、富裕層出身者でありながら支持者は白人ブルーカラーという対極にある層から支持される、というこれまでの候補者とはずいぶん違う選挙戦を繰り広げてきた。
むしろ「これまでとは違う」コトが、共和党支持者の中でもなかなか「声が挙げられなかった層」からの支持が得られた、ということかもしれない。
というのも共和党の主流派というのは、大企業や金融関係のロビー活動の一つとして、多額の寄付金をもらって選挙戦を繰り広げるのが「これまでの選挙」だったからだ。
そのため、共和党の政策は「大企業、金融優遇寄り」と、言われてきた。

その選挙戦と言えば、使われる「キャンペーンソング」もまた、次から次へとアーティスト側からの「使用禁止」を出されている。
昨日のYahoo!のトピックスでも、ローリング・ストーンズが「選挙で使わないように」と、トランプ氏側に通告していることを取り上げていた。

ただ、トランプ氏が選挙で盛り上げるために使用する楽曲を見ると、なかなか良い楽曲を選択しているのだ。
共和党候補にほぼ確定となった時に使った楽曲は、ローリング・ストーンズの「Start Me Up」は「もう、止まらずに突っ走るぜ!」という内容。
共和党候補としてほぼ確定をしたのだから、「ここから大統領選に向けて行くぞ!」という、意気込みを表したと言えるだろう。
その前に使用禁止通告をしたのはアデルで、使われた楽曲名は「Rollinng In The Deep」だった。
「深く、燃え盛る炎」という内容のラブソングですが、ラブソングというよりも、トランプ氏はタイトルのイメージで起用されたのかもしれない。
他にも、予備選の前哨戦となる昨年10月に使用した楽曲は、エアロスミスの「Dream On」。
「夢を叶えるぜ!」という状況であったコトを考えれば、最適の選曲だっただろう。

トランプ氏ほどではないが、大統領選挙で使った楽曲の「使用禁止」を言われた大統領もいる。
故レーガン大統領だ。
選挙で使った楽曲は、ブルース・スプリングスティーンの「Bron In The USA」だ。
タイトルだけを見ると「愛国賛歌」のように思えるタイトルだが、実はベトナム戦争とその後を批判した内容。
確かに、スプリングスティーンの力強い声で「Bron In The USA」と歌いだされるので、どうやらレーガン大統領の選挙参謀たちが、勘違いをしてしまったようだが、スプリングスティーン自身は、楽曲が使われた直後「楽曲の使用禁止と反レーガン。民主党支持」を表明している。
ただ、皮肉なことにレーガンが選挙に勝ち、大統領になってしまった・・・という経緯がある。

トランプ氏が、次から次へとロックやアメリカンポップスを使うのは、トランプ氏本人が好きな楽曲、ということもあるだろうが、おそらく支持層に人気があるアーティストだからだろう。
そのような視点で見ると、アメリカの大統領選もアメリカという文化の一つ、という気がしてくる。


本当のデザイン力

2016-05-04 21:59:46 | アラカルト

Facebookの知人が、ある記事をシェアしていた。
BUNGALOW:まるで本物の錦鯉のような日本酒が海外のデザイン賞を総なめにしている!

元々、日本国内で販売をするということを考えていなかったのだろう。
ボトルそのものが、いわゆる「日本酒の瓶」ではない。
ボトルデザインに使われている色が、白と赤。
「日本らしさ」という点でいえば、1964年の東京オリンピックの亀倉さんのポスターと同じような、シンプルさを感じさせる。
余分な装飾的なものを排除した、デザインというべきかもしれない。

それだけでも印象的なのに、そのボトルをパッケージに入れると「錦鯉」が見えてくる。
ボトルをパッケージに入れたとき、ボトルが「錦鯉の背」のように見えるようにデザインされているのだが、アイディアとしては、決して突飛なアイディアではないと思う。
ボトルを入れていない時は、ただ「魚の絵のようなものが切り取られているデザイン」という感じにしか見えないだろう。

ボトルにしても上述した通り、「白と赤」のデザインというだけで、「錦鯉」を連想させるようなデザインではない。
ところが、ボトルがパッケージに入るコトで「錦鯉」が現れる、というのは相当計算されたデザインだということがわかる。
シンプルな中に現れる、「豪華さ」というべきなのだろうか?

昨年は「デザインとは」ということを、考えさせられるコトが多かった。
2020年の東京オリンピックエンブレム問題では、「プロから見るとオリジナルだが、素人から見るとパクリ」という、指摘もあった。
「オリジナリティー」と「クリエイティブ」の難しさを、考えさせられた年でもあったような気がする。
この酒瓶とパッケージは、そんな「デザインの難しさ」を、軽々と飛び越えてしまっているような印象すら受けるのだ。
そしてこのような「デザイン」が、本当の「デザイン力」なのでは?と、感じさせるのだ。


いろいろな意味で「もったいない!」滋賀県庁のココイチ鹿肉カレー撤退

2016-05-03 12:37:58 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、滋賀県庁の敷地内で販売をしていた「ココイチの鹿肉カレー」が、県庁側の申し入れで販売ができなくなった、という記事が取り上げられていた。
産経新聞(WEST):シカ肉ココイチ、県庁敷地はダメ 店側は「営利目的ではないのに・・・」

カレーチェーンの「ココイチ」だが、すべてのメニューがフランチャイザー側の「Coco壱番屋」に管理されている分けではないらしく、名古屋の大須近くにある「ココイチ」では「八丁味噌カレー」なるモノがある。
お店の張り紙には「大須店オリジナル」と書いてあったコトから、「オリジナル商品」の開発・販売を認めているだと思う。
そのようなカタチで、この「シカ肉カレー」は、メニュー化されたものだったのだろう。
もちろん、「Coco壱番」には事前に了解を得て、メニュー化はしているだろうが、このようなローカルメニューがある、ことは地元ファンだけではなく、全国の「ココイチファン」にとっても、「訪れてみたい」という気持ちにさせるだろう。
その視点で考えれば、「シカ肉」を活用した地域活性化の切っ掛けを、「ココイチ」が作りかけていたのではないだろうか。
何より「滋賀県庁に用事はないが、ココイチのシカ肉カレーを食べてみたい」と言う人たちが、滋賀県を訪れるようになったかもしれない。
そのような「経済的効果」ということを考えなかったのだろうか?

それだけではなく、今回の「シカ肉カレー」は、農作物を荒らすニホンシカの駆除後の使い道としても、地域からの情報発信力があったのではないだろうか?
というのも、全国各地で「農作物を荒らす」という理由で、駆除される鳥獣を「ビジエ料理」として活用しよう、とする動きが出てきているからだ。
特定非営利活動法人 日本ビジエ振興協議会

これまで農作物を荒らす、という理由で駆除された動物などは「廃棄物」として処理されるか、イノシシなどは「ボタン鍋」などで食べるくらいだった。
しかし、ヨーロッパなどでは「ビジエ料理」として、人気が高くメニューそのものも豊富だ。
一番の問題とされてきた「駆除された動物の処理」という点でも、処理ができる技術を持った施設を認定し、認定された施設で処理された野生鳥獣のみが流通できるような仕組みも整いつつある。

そう考えると、ココイチのシカ肉カレーは「ジビエ料理」というほどではないが、「ジビエ料理」を知る切っ掛けとなったかもしれない。
それだけではなく、滋賀県の新しい農畜産業の一つとして「ジビエ料理の加工」という産業が生まれたかもしれないのだ。
このような産業振興こそ、県の仕事ではないだろうか?

確かに行政側の規則や規定は、大切だと思う。
しかし、視点を変えれば農作物を荒らすニホンカモシカを、官民一体で「地域振興として活用する」のチャンスを逃してしまったような気がする。
そして「逃した魚(=地域振興策によってもたらされる経済効果)」は、大きかったのでは?