一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・島井咲緒里女流初段②

2010-04-27 00:33:32 | LPSA金曜サロン
2月26日のLPSA金曜サロン、夜は島井咲緒里女流初段の担当だった。
島井女流初段のイメージカラーはブルー。この日もブルー系の服を召し、よく似合っていた。
島井女流初段は昨年の金曜サロンの担当はなかったが、一昨年は2ヶ月に1度の登場だった。今年はここまで月に1度の登場で、体力的にはすっかり快復したと見てよい。あとは公式戦での勝利だ。
指導対局に入る。本局の前まで、扇子サイン勝負には9名のサインが入っており、これはコンプリートを懸けた一局だった。
島井女流初段の四間飛車に、私の採った作戦は棒銀。持久戦も目指してみたいが、夜は会員も多いので、急戦で早く決着をつけたいという意味もあった。ただ、棒銀だって破壊力抜群である。私が必勝態勢で臨んだのは言うまでもない。
「将棋世界」の棒銀戦法の付録だったか、☗3五銀と突く前に☗4六歩が必要、と書いてあった気がする。本譜は先に☗4六歩と突いてから☗3七銀~☗2六銀と出たので、これは問題ない。しかし☗3五歩に堂々と☖4五歩と突かれ、焦った。
島井女流初段は☖3二銀型なので、☗3三角成には形よく☖同銀と取れ、4筋から動く手もあり、これは上手十分。ということは、付録では☖4三銀型だったのだろう。このあたりは急所の局面なのに、それをうろ覚えだったのはマズかった。勉強不足を猛省した。
このあと、☖6五桂~☖5七桂成で銀桂交換の駒損になったが、こちらも☖5三歩型の不備を衝いて、☗5五桂と金取りに利かし、☗2四飛と走る。以下数手進んだ局面の符号を以下に記してみよう。

上手・島井女流初段:1二香、1三歩、2一桂、2二歩、2八角、3六歩、5三歩、5四銀、6一金、6二飛、6四歩、7二銀、7三金、7四歩、8二王、8三歩、9一香、9四歩 持駒:銀、歩
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3三歩、4二と、4四飛、5五桂、5六歩、5七銀、5八金、6七歩、6八金、7六歩、7八玉、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:角、歩

☖2八角まで。下手は駒損ながら急所にと金ができており、十分になっていると思う。ここから☗4三桂成☖同銀☗同飛成☖1九角成☗5二銀☖7一金☗5一銀成☖6五歩…と進んだ。
局後の感想戦で島井女流初段は、「☗4三桂成では☗4三とと引いて、次の☗5三とを見せられる方がイヤだった」
と述べた。しかし☗4三とでは☖5五銀とこの地点で桂を取られ、☗同歩☖同角成の局面は、下手が難しいと思う。それより私が悔やんだのは☗5二銀で、こんなドン臭い手はなかった。☗5二銀では☗4一角と打ち、次の☗5二とが第一感だった。そこで☖5一銀の強防が気になったのだが、上手がこんなところへ駒を打つはずがなく、☗4一角なら下手が優位を持続できたと思う。
本譜は☖6五歩~☖6四飛から、☖2四飛→☖2九飛成→☖8九竜と、僻地の飛車に暴れられて、無念の投了となった。最後は「二人がかり」で終わってしまった感じだった。
島井女流初段は、感想戦を丁寧にやってくれる。
「☗2六銀・☗4六歩で☗3五歩の仕掛けはどうなんですかね。この前も愛ちゃん(渡部愛ツアー女子プロ)との将棋でそうなったんですけど、☖4五歩と飛車を捌く手があるから…」
「はあ…そうでしたねえ」
渡部ツアー女子プロとの将棋とは、LPSA内で独自に行われた、女流王将戦出場者戦のことである。島井女流初段の言葉はさらに続く。
「でも☗5五桂が☖5三歩型を咎めた手で、こちらも☖7三桂がないから、意外と厳しかったですね。ここではいい勝負になっているかもしれませんね。ううん…」
たしかにこのあたりが、本局の勝負所だったのだろう。しかし私はサインコンプリートの将棋を負けたので、島井女流初段のかわいらしい声もほとんど耳に入らず、ただただ呆然としていた。
「はあ…はあ…そうですね…。いや、ありがとうございました」
と、私は感想戦を切り上げる。ここが私の悪い所で、もし全国の島井ファンがこのやりとりを読んだら、何て不遜なやつ…とマユを顰めることだろう。
島井女流初段には、前局に続いての敗戦。アマがプロに連敗するのは当たり前のことだが、島井女流初段は完全復調、を感じた一局だった。
コメント (13)
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