きょうのLPSA金曜サロンは、1部が島井咲緒里女流初段、2部が石橋幸緒天河の担当だった。芝浦移転まで1ヶ月。これから指導を担当する女流棋士は、「最後の駒込」ということになる。
情けないことに私は金曜日が休みになってしまったわけだが、だからといって開席時間の午後2時から乗り込むわけではない。ちょっと余裕を見せて、2時50分ごろ入室する。これが私流である。
石橋天河ファンのKaz氏がいる。Kaz氏は今年から社団戦に参加し、好成績を収めている。Kaz氏の活躍がそのまま「LPSA星組」の快進撃に繋がっており、彼の存在は大きかった。
40分くらいほかの将棋を見ていたが、Kur氏とのリーグ戦がつく。Kur氏は1日で女流棋士会スーパーサロンやLPSA駒込サロン、女流棋士会金曜ナイトサークルをハシゴする猛者である。風貌はアキバ系で、私と同じ系統である。ちょっと近寄りがたいが、気さくな人で、将棋も清冽で筋が良い。
私が上手で角落ち。角ほどの棋力の違いはないが、段位の関係でなぜかそういう手合いになる。前局は終盤で逆転されているので、本局も気を引き締めて臨んだ。
将棋は中盤まで私が十分だと思ったが、私の緩手とKur氏の頑張りで、もつれてきた。
ここで終盤の部分図を示す。
ここから☖5五歩☗同飛☖6六角成☗5三飛成☖8八金☗7九玉☖7八金☗同玉☖8八馬(投了図)まで、一公の勝ち。
☖5五歩☗同飛に☖6六角成が飛車取り詰めろ。☗6五歩なら詰みは消えるが、Kur氏は自玉の詰みに気づいていないと思った。本譜は金の交換後に、☖8八馬と押し売りしたのが好手。こういう手を指せるのも、LPSA詰め将棋カレンダーで楽しく鍛えられた効果だ。
実戦はここでKur氏が投了。もう一手☗6九玉と指したくなるところだが、そこで潔く投げるあたりが、Kur氏が段位以上の棋力を有していると思うゆえんである。
これで駒込最後の金曜リーグは11勝0敗となった。最大19局の長丁場だからまだ先はあるが、優勝が見えてきた感じである。もし優勝したら、島井女流初段の直筆扇子をいただくつもりであった。なんといってもファンランキング3位なのだ。
2局目はその島井女流初段と指導対局。もちろんサイン勝負である。
「先日はありがとうございました」
と島井女流初段。相変わらずプリティだ。
「エッ?」
「沖縄のおみやげ…。バナナケーキ美味しかった。あんなに美味しいとは思いませんでした」
「ああ、モンテドールのバナナケーキ。あれは船戸先生が好きなんですよ。でも中倉宏美先生には内緒にしてくださいよ。彼女にはあげてないので…」
将棋は島井女流初段にいいように捌かれ、必敗形。島井女流初段が美しすぎるのだ。
この日行われていた女流王位戦・竹部さゆり女流三段-中倉彰子女流初段戦で、「中倉勝ち」との報が入る。
「エエッ!?」と驚いたら、島井女流初段に
「ちょっとそれは…」
とイエローカードをもらってしまった。その反応はおかしいです、ということだろう。
金曜サロン最強のO氏が、
「(リーグ戦は)独走ですね」
と言うので、
「(もし優勝したら)島井先生からサインをいただきます」
と返したら、島井女流初段が
「えっ…(サインを簡単に差し上げないよう)ガンバリます」
と言った。今回のサイン勝負と勘違いしたらしい。
3局目もリーグ戦で、Kus氏と。Kus氏は先々週のリーグ戦で、強豪のKun氏相手に角落ちの下手で快勝している。Kun氏と私は段位が同じだから、Kus氏とも角の手合いなのだが、「(大沢さんには)前回飛車香落ちで負けているから」ということで、飛車落ちの手合いになる。段位どおりの手合いにならないのは、金曜サロンならではである。
この将棋、中盤までは私がまずまずの指し回しで、中盤では銀得になったのだが、そこから疑問手を指して、Kus氏の堅実な指し手の前に屈した。
あまり読者にお見せしたくないのだが、このブログは自分のための日記であり、対局の記録がわりでもあるので、自分のバカさ加減を忘れないために、その局面を載せる。
私が☖9五香と銀を取ったところ。以下、☗8四歩☖同銀☗9五香☖同銀☗6四香☖7三金☗8五桂☖8四金☗7四歩☖同金☗7三歩☖同桂☗同桂成☖同金☗9三角成☖6三歩☗7四歩☖8四銀打☗7三歩成☖同王☗6三香成☖同王☗7一馬☖5三香☗5四歩☖同王☗6一馬☖5五銀☗6六桂☖同銀☗6四金☖4四王☗6六金☖5七歩☗5四歩☖8五香☗6八飛☖7六桂☗5一馬☖6八桂成☗同金☖8九飛☗4八玉☖8八飛成☗5六桂☖3五王☗3六銀☖2六王☗1五馬(投了図)まで、Kus氏の勝ち。
勝ったKus氏に好手が多かったが、上手も下手も疑問手連発。とくに上手の指し手がひどかった。☗8四歩と突き捨て、☖同銀に☗9五香は不可解。香が手に入るのでありがたかった。しかし☗6四香に☖6二歩と打つつもりが、☖7三金とよろけたのが、局後櫛田陽一手合い係に指摘された「悪手」。同じよろけるなら、☖5三金とこちら側がよかったらしい。王の守りから離れるので心細いが、「こちらのほうが当たりがない」(櫛田手合い係)からだという。
本譜は☗8五桂から☗7三歩が激痛。以下☖6三歩に☗7四歩(☖同金は☗8三飛成)で、☖8四銀打に☗7三歩成と金をボロッと取られては、大勢決した。
さらに進んで☖5七歩では☖5八香成と金を取りたいが、☗同飛でお手伝い。要の金を取れず、☖5七歩と打つときは泣きたくなった。それでも☖5八歩成は☗同飛と働かれる。そこで飛車の横利きを逸らすべく☖7六桂と打ったが、その桂で☗5六桂と打たれては万事休す。最後は詰みまで指して投了した。早投げの私がここまで指したのは、投げ切れない気持ちの表れ。Kus氏には失礼だが、ここでリーグ戦に土がつくとは思わなかった。しかし居玉で攻めてくる下手に負けるとアツい。Kus氏との次の対局を楽しみにしたい。
この将棋の中・終盤のとき、石橋天河と島井女流初段による大盤解説(竹部女流三段-中倉女流初段戦)があったが、将棋を中断して拝見する雰囲気ではなかった。リーグ戦の最中では、こういうことがままある。
4局目はW氏とのリーグ戦が組まれた。しかしこれに、W氏と私が異を唱えた。
(つづく)
情けないことに私は金曜日が休みになってしまったわけだが、だからといって開席時間の午後2時から乗り込むわけではない。ちょっと余裕を見せて、2時50分ごろ入室する。これが私流である。
石橋天河ファンのKaz氏がいる。Kaz氏は今年から社団戦に参加し、好成績を収めている。Kaz氏の活躍がそのまま「LPSA星組」の快進撃に繋がっており、彼の存在は大きかった。
40分くらいほかの将棋を見ていたが、Kur氏とのリーグ戦がつく。Kur氏は1日で女流棋士会スーパーサロンやLPSA駒込サロン、女流棋士会金曜ナイトサークルをハシゴする猛者である。風貌はアキバ系で、私と同じ系統である。ちょっと近寄りがたいが、気さくな人で、将棋も清冽で筋が良い。
私が上手で角落ち。角ほどの棋力の違いはないが、段位の関係でなぜかそういう手合いになる。前局は終盤で逆転されているので、本局も気を引き締めて臨んだ。
将棋は中盤まで私が十分だと思ったが、私の緩手とKur氏の頑張りで、もつれてきた。
ここで終盤の部分図を示す。
ここから☖5五歩☗同飛☖6六角成☗5三飛成☖8八金☗7九玉☖7八金☗同玉☖8八馬(投了図)まで、一公の勝ち。
☖5五歩☗同飛に☖6六角成が飛車取り詰めろ。☗6五歩なら詰みは消えるが、Kur氏は自玉の詰みに気づいていないと思った。本譜は金の交換後に、☖8八馬と押し売りしたのが好手。こういう手を指せるのも、LPSA詰め将棋カレンダーで楽しく鍛えられた効果だ。
実戦はここでKur氏が投了。もう一手☗6九玉と指したくなるところだが、そこで潔く投げるあたりが、Kur氏が段位以上の棋力を有していると思うゆえんである。
これで駒込最後の金曜リーグは11勝0敗となった。最大19局の長丁場だからまだ先はあるが、優勝が見えてきた感じである。もし優勝したら、島井女流初段の直筆扇子をいただくつもりであった。なんといってもファンランキング3位なのだ。
2局目はその島井女流初段と指導対局。もちろんサイン勝負である。
「先日はありがとうございました」
と島井女流初段。相変わらずプリティだ。
「エッ?」
「沖縄のおみやげ…。バナナケーキ美味しかった。あんなに美味しいとは思いませんでした」
「ああ、モンテドールのバナナケーキ。あれは船戸先生が好きなんですよ。でも中倉宏美先生には内緒にしてくださいよ。彼女にはあげてないので…」
将棋は島井女流初段にいいように捌かれ、必敗形。島井女流初段が美しすぎるのだ。
この日行われていた女流王位戦・竹部さゆり女流三段-中倉彰子女流初段戦で、「中倉勝ち」との報が入る。
「エエッ!?」と驚いたら、島井女流初段に
「ちょっとそれは…」
とイエローカードをもらってしまった。その反応はおかしいです、ということだろう。
金曜サロン最強のO氏が、
「(リーグ戦は)独走ですね」
と言うので、
「(もし優勝したら)島井先生からサインをいただきます」
と返したら、島井女流初段が
「えっ…(サインを簡単に差し上げないよう)ガンバリます」
と言った。今回のサイン勝負と勘違いしたらしい。
3局目もリーグ戦で、Kus氏と。Kus氏は先々週のリーグ戦で、強豪のKun氏相手に角落ちの下手で快勝している。Kun氏と私は段位が同じだから、Kus氏とも角の手合いなのだが、「(大沢さんには)前回飛車香落ちで負けているから」ということで、飛車落ちの手合いになる。段位どおりの手合いにならないのは、金曜サロンならではである。
この将棋、中盤までは私がまずまずの指し回しで、中盤では銀得になったのだが、そこから疑問手を指して、Kus氏の堅実な指し手の前に屈した。
あまり読者にお見せしたくないのだが、このブログは自分のための日記であり、対局の記録がわりでもあるので、自分のバカさ加減を忘れないために、その局面を載せる。
私が☖9五香と銀を取ったところ。以下、☗8四歩☖同銀☗9五香☖同銀☗6四香☖7三金☗8五桂☖8四金☗7四歩☖同金☗7三歩☖同桂☗同桂成☖同金☗9三角成☖6三歩☗7四歩☖8四銀打☗7三歩成☖同王☗6三香成☖同王☗7一馬☖5三香☗5四歩☖同王☗6一馬☖5五銀☗6六桂☖同銀☗6四金☖4四王☗6六金☖5七歩☗5四歩☖8五香☗6八飛☖7六桂☗5一馬☖6八桂成☗同金☖8九飛☗4八玉☖8八飛成☗5六桂☖3五王☗3六銀☖2六王☗1五馬(投了図)まで、Kus氏の勝ち。
勝ったKus氏に好手が多かったが、上手も下手も疑問手連発。とくに上手の指し手がひどかった。☗8四歩と突き捨て、☖同銀に☗9五香は不可解。香が手に入るのでありがたかった。しかし☗6四香に☖6二歩と打つつもりが、☖7三金とよろけたのが、局後櫛田陽一手合い係に指摘された「悪手」。同じよろけるなら、☖5三金とこちら側がよかったらしい。王の守りから離れるので心細いが、「こちらのほうが当たりがない」(櫛田手合い係)からだという。
本譜は☗8五桂から☗7三歩が激痛。以下☖6三歩に☗7四歩(☖同金は☗8三飛成)で、☖8四銀打に☗7三歩成と金をボロッと取られては、大勢決した。
さらに進んで☖5七歩では☖5八香成と金を取りたいが、☗同飛でお手伝い。要の金を取れず、☖5七歩と打つときは泣きたくなった。それでも☖5八歩成は☗同飛と働かれる。そこで飛車の横利きを逸らすべく☖7六桂と打ったが、その桂で☗5六桂と打たれては万事休す。最後は詰みまで指して投了した。早投げの私がここまで指したのは、投げ切れない気持ちの表れ。Kus氏には失礼だが、ここでリーグ戦に土がつくとは思わなかった。しかし居玉で攻めてくる下手に負けるとアツい。Kus氏との次の対局を楽しみにしたい。
この将棋の中・終盤のとき、石橋天河と島井女流初段による大盤解説(竹部女流三段-中倉女流初段戦)があったが、将棋を中断して拝見する雰囲気ではなかった。リーグ戦の最中では、こういうことがままある。
4局目はW氏とのリーグ戦が組まれた。しかしこれに、W氏と私が異を唱えた。
(つづく)