一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

長い1日①・女流棋士スーパーサロン金曜日・藤田綾女流初段③

2010-09-18 14:22:29 | 女流棋士スーパーサロン
17日(金)は朝からスケジュールが詰まっていた。といっても仕事関連は一切なく、すべて将棋がらみである。以下にその予定を書いてみる。
まず午前10時から東京・将棋会館で、女流棋士スーパーサロンの藤田綾女流初段に指導対局を受ける。そのあとは会館道場で午後1時すぎまで対局。
JR千駄ヶ谷駅構内の立ち食いそば屋でかけそばを食し、駒込・金曜サロンへ向かう。いつもはやや遅れて入るのだが、今回は2時に入って、この日担当の藤森奈津子女流四段と船戸陽子女流二段に、早々に指導対局を受けたい。
6時ごろに退席し、取って返して四ツ谷へ向かい、7時開演の将棋ペンクラブ贈呈式に参加する。9時からの二次会も参加予定だ。なかなかハードである。

17日(金)は、午前2時すぎまでブログを書き、3時すぎに就寝。朝は8時30分ごろに起床し、スーツに着替えて将棋会館に向かった。
10時ちょっと前に将棋会館に入る。1階の売店カウンターに、16日発売の「NHK将棋講座」が置かれている。最新号の表紙は、10月からアシスタントになる山口恵梨子女流初段ではなく、棋譜読み上げの藤田女流初段である。
私はこれからその藤田女流初段に指導対局を受けるのだ。まさにタイムリーである。
とりあえず購入して2階へ向かう。前週は大山康晴賞授賞式があり、指導対局場が変更された。2階の道場で指導対局を受けるのは久しぶりになる。
受付を済ますと、奥の対局スペースに藤田女流初段がニコニコしながらちょこんと座っていた。ふんんわりした白い服を着ている。かわいい。この、思わず「かわいい」と思わせる女流棋士がLPSAにはいないのだ。
まだほかに対局者がいなかったので、私はカバンから「NHK将棋講座」を取り出し、図々しくもサインを所望した。念のためマジックは用意していた。藤田女流初段も快諾してくれ、「……も書きますか?」と聞かれたが、よく聞き取れなかった。藤田女流初段は
「悠然 女流初段 藤田 綾」
と書いてくれた。ありがたい。ちなみに表紙の撮影には、小1時間かかったそうである。雑誌づくりもたいへんである。
5月の将棋ペンクラブ関東交流会で安食総子女流初段にも「将棋講座」の表紙にサインをいただいたが、またお宝が増えた。
ここから、本来の目的の指導対局である。駒袋から駒を出すが、まだ誰も来ていないので、お互い大橋流で、一手一手時間をかけて並べる。藤田女流初段が王を置いたら私は玉、藤田女流初段が左金を置いたら私も左金、藤田女流初段右金、私右金…と、藤田女流初段が私の着手と呼吸を合わせてくれているかのようだ。モノスゴイ緊張だが、知己ではないので、さすがにもう軽口を言う余裕はない。
対局開始。なにしろテレビのレギュラーを持っている女流棋士だ。有名人と指していると思うと、さらにさらに緊張してしまう。
戦型は藤田女流初段の立石流四間飛車。藤田女流初段は振り飛車党だが、立石流は7月のマイナビ女子オープン一斉予選の渡部愛アマ戦でも起用しており、最近の「マイブーム」なのかもしれない。
やがて2人目の対局者が訪れる。藤田女流がキャスター付きの椅子をスーッと移動させると、スカートが見えた。ピンク系だ。ああピンク、素晴らしい。さすがに自然な着こなしである。コーディネートに無理がない。
藤田スマイルを拝見し、将棋誌の表紙にサインをいただき、ピンクのスカートも拝めた。指導対局の将棋はまだまだこれからだが、私は十分満足した。
とはいえ、将棋も頑張らなければならない。局面――。私は相手の誘いに乗らず、飛車先の歩は☗2六で止め、☗6六歩と角交換も拒否した。
藤田女流初段の棋風は軽快だと思う。藤田女流初段の飛車が横に動いたので、私はそれを目標に動く。私が☗4四歩と飛車の横利きを止め、藤田女流初段が☖8二王と寄った局面の符号を以下に記す。

上手・藤田女流初段:1一香、1四歩、2二角、2三歩、3二金、3三桂、4二銀、4五歩、5三歩、6一金、6三歩、7一銀、7三歩、8一桂、8二王、8三歩、8四飛、9一香、9四歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2六歩、2八飛、2九桂、3六歩、4四歩、4七金、5五銀、5六歩、6五歩、6七銀、6九金、7六歩、7八玉、7九角、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:なし

ここから☗3五歩☖1三角☗3四歩☖7九角成☗同金☖7二銀☗3七桂☖4六歩☗同金☖5七角と進んだ。
☗3五歩は、指す前から感触がわるいと感じていた。☗3四歩~☗3三歩成と桂得を確定しても、☖3三同銀で次に☖4四銀の活用を見せられるとおもしろくないからだ。しかしほかに指し手が思い浮かばなかった。
本譜は遊び気味の☖2二角と☗7九角が交換になり、下手は大損をした。局後の検討では、藤田女流初段は☗3五歩で☗6四歩がイヤだったそうだ。かりに☖同歩なら☗6六銀上と出て、次の☗7五銀を狙いにする。
☖5七角にも☗6六角と合わされると思ったそうだが、私は☗6八金と軟弱な手を指し、☖3九角成とされては下手敗勢となった。
最後は☗3六飛(打)に☖3三歩と冷静にフタをされ、戦意喪失で投了した。
ついでだから投了図も記しておこう。

上手・藤田女流初段:1一香、1四歩、1九飛、2三歩、3二金、3三歩、4二銀、5三歩、5九角、6一金、6三歩、7二銀、7三歩、8一桂、8二王、8四歩、9一香、9四歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1八香、2五桂、2六歩、3六飛、4四歩、4五角、4六金、5五銀、5六歩、6五歩、6七銀、6八金、7六歩、7八玉、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:桂、歩

☖3三歩に☗5八金は☖1八飛成があり、☗5九金と角を取れないのは不愉快なので、投了したというわけ。藤田女流初段も、この辺が投げ時ですね、というふうだったが、LPSAの女流棋士なら私の諦めのよさに、「エーッ!」と驚いたことだろう。
もっともいま冷静な目で見ると、変化の☖1八飛成には☗3八歩と凌ぎ、☖3四香☗同角☖同歩☗5九金なら、もう少し粘れたかもしれない。しかしまあ、私の敗勢は変わらないだろう。
とりあえず指導対局はオワリ。まだ10時50分である。しかし長い1日はここからだった。
(つづく)
コメント
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