一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士スーパーサロン金曜日・上田初美女流二段⑤

2010-09-12 00:34:41 | 女流棋士スーパーサロン
昨年春から仕事が少なくなり、金曜日が休みになってから、女流棋士スーパーサロンにしばらく通った。オヤジが仕事をしているのに、若い自分が家でゴロゴロしているのは気がひけたのと、LPSA以外の美人女流棋士にも一局教えていただきたかったからである。その金曜日は上田初美女流二段と藤田綾女流初段が交代で務めており、マンネリ感もなく、好都合だった。
しかし…。冒頭で述べたとおり、最初は6週間連続で通ったが、そこでプッツリと止めてしまった。このころから私は毎日ブログを書き始め、金曜日の午前中が、執筆にうってつけの時間だったからである。前日(木曜日)の深夜に一心不乱に書くときもあり、それから金曜の朝に早起きして将棋会館に向かうのが辛くなった、ということもある。
日本将棋連盟の支部会員になると指導料(あとの将棋道場も含む)が500円割引になるので、昨年7月の上旬に支部個人会員になったが、スーパーサロンの割引は1回行使しただけだったと思う。結果的に、支部個人会員(将棋世界会員)会費のモトは取れなかった。
それから秋口にかけて仕事量も回復し、お陰さまでスーパーサロンに行く時間はなくなったのだが、いざそうなってみると、平日の朝から女流棋士に将棋を教わっていた環境が、とても贅沢だったことに気がついた。ワークシェアリングは二度とあってはいけないのだが、また仕事がヒマになり、金曜日が休みになったら、女流棋士会スーパーサロンに通ってみようと思った。
そんな折、また仕事が少なくなって、金曜日が休みになってしまった。私はやむを得ず、スーパーサロンに出向くことにした。それが今月の10日、上田初美女流二段の回である。
ラフな格好で将棋会館に着くと、掲示板に「大山康晴賞授賞式」と案内がある。スーパーサロンは地下1階、となっていた。前は会館道場がある2階で行われていたが、1年間通わないうちに、システムが変わったのだろうか。
受付をするときに聞いたら、「大山賞授賞式」が行われる関係で、道場は午後3時まで休み。それに伴い、スーパーサロンも、地下に追いやられてしまったというわけだった。
チッ、久々の将棋会館での対局だったのに、なんて間がわるいんだ。しかし泉下の大山先生に文句は言えない。
スーパーサロンは10時の回と10時半の回と最大7名だが、10時の客は私も含めふたりだけだった(そのあと、もうひとり来た)。もし上田女流二段と1対1の対局だったら、イヤな汗が出るところだった。中倉宏美女流二段や島井咲緒里女流初段とのサシでの指導対局は胸がときめくが、女流棋士会の女流棋士とのそれは、ちょっと様相が変わるのである。
上田女流二段との成績は1勝3敗だが、懲りずに平手で教えていただく。上田女流二段のゴキゲン中飛車。私は☗3七銀~☗4六銀の超急戦で臨んだが、☗4六銀をうっかり後回しにしたために、すかさず☖5六歩と突かれ、早くも構想が破綻した。
それでも私が不利になったわけではなく、なんとかがんばる。
では、こちらも十分だったのではないか、という局面を記してみよう。女流棋士会および上田女流二段には許可を取っていないが、かまうもんか。

上手・上田女流二段:1一香、1四歩、2一桂、2四歩、3三銀、3六歩、4二角、4五歩、5一飛、6一金、6三歩、7二銀、7三歩、8一桂、8二王、8四歩、9一香、9四歩 持駒:銀、歩4
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、2九桂、4七金、4九金、5五歩、6五歩、6六銀、7八玉、7九角、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:金、歩

4五の地点で金銀交換になった局面で、下手の手番。ここで私は☗4三金と打ったが、重かった。対局中は、次に☗3四歩があり、☖同銀は角がタダだから下手必勝、と考えていた。しかし☖3一角と引かれ、☗4三金がスカタン気味になり、アオくなった。そのあと☗3六金と歩を払ったが、これでは変調である。以下は上田女流二段に手早くまとめられ、94手までで負かされた。
私が感想戦で
「☗4三金では(すべてを含みに残して)☗5六金と上がる一手でした」
と言うと、
「それは☖3七歩成がありますけど」
と上田女流二段。しかし私も
「でもそれ(☖3七歩成☗同桂☖3六歩)は桂が手順に4五へ跳んで、こちらも指せませんか」
と譲らない。
「ううん…」
「じゃあ☗4三金を決めずに、単に☗3六金はどうだったでしょう」
「そうですね、本譜の進行なら、打たないほうがトクでしたね」
私が☗5六金説を譲らないので、けっきょく上田女流二段が折れた形となった。
このあと上田女流二段には、☗4六銀が遅かったので、☖5六歩が突けて上手が指しやすくなった、☖4三金に☗8八角は好手だった、との講評をいただけた。
女流棋士会の女流棋士に指導を受けていていつも思うのは、実に皆さん、最新定跡を勉強しているということだ。やはりアマチュアに指導をする以上、定跡最前線はアタマに入れていて然るべきだろう。
米長邦雄日本将棋連盟会長指揮の下、女流棋士は着実に棋力を向上させているようである。
コメント (3)
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