4月1日(日)、第2期女流王座戦アマチュア東日本予選大会が行われた。
私は名人戦七番勝負より、女流棋戦の予選のほうに関心が向くくらいだから、女流王座戦アマ予選も注目していた。
東日本予選は、まず予選を戦い、そこで2勝すると決勝トーナメントに進出。その優勝者3名が一次予選に参加できる、というシステムである。
今期の東日本予選参加者は45人。私の注目選手は、LPSAツアー女子プロの渡部愛ちゃん、大野教室の生徒である和田あきちゃん、はなちゃん姉妹、数々の女子アマ大会で入賞の棋歴を持つ、田村真理子さん、というところだ。
午前10時に、北島忠雄理事の開会の辞で第2期が開幕。先の4人はそろって予選を通過、決勝トーナメントに駒を進めた。しかしここからまた2~3勝しなければならないから大変だ。
その準決勝で、渡部愛ちゃんは鎌村ちひろさんに、あきちゃんは迎琉歌さんに、はなちゃんは中澤沙耶さんに敗れ、姿を消した。
しかし厳しい言い方になるが、この予選大会を抜けるくらいでないと、女流プロにはなれない。3人はもっともっと、将棋の勉強をしなければならない。
というわけで決勝戦は、
1枠…小野ゆかりアマ-大庭美夏女流1級
2枠…中澤沙耶アマ-迎琉歌アマ
3枠…鎌村ちひろアマ-田村真理子アマ
の組み合わせになった。
1枠の小野さんは、女子アマ大会で活躍する有名アマ。女流棋士の道へは進まず、アマチュアの立場からプロ最高位を目指す強豪だ。
大庭美夏女流1級は引退女流棋士。女流王座戦は、すべての女性に棋戦参加を認めているので、こんな事態が発生する。
しかし私見では、引退女流棋士の参加はどうかと思う。例えばだが、すべての棋戦でこれを認めたら、引退の意味がなくなってしまう。
将棋は後手番大庭女流1級の四間飛車。大庭女流1級の仕掛けが無理気味で、一足先に飛車が成った小野さんが十分の形勢になったと思う。
数手後、△2五桂と据えた手が緩着。▲3六馬と歩を取られて、形勢を損ねた。
以下も虚々実々の応酬が繰り広げられたが、最後は小野さんが後手玉を鮮やかに詰ました。まずは貫禄の枠抜けというところ。
2枠は10代同士の一戦。中澤さんは右玉の使い手という記憶がある。
迎さんはよく知らぬが、昨年のマイナビ女子オープンの一斉予選対局に参戦した。小さい体で、女流棋士相手に奮戦していたのが思い出される。
将棋は相居飛車から中澤さんの右玉。途中千日手模様になったが、先手が打開。
しかしそこから中澤さんがぞんぶんに捌いて、快勝した。
私は相手の得意を指させない性格なので、中澤さん相手だったら、何とか右玉にさせない手を講じる。迎さんにそれを求めるのは酷だが、そんな指し方もあったと思う。
3枠のふたりはLPSA主催の女流棋戦で優勝経験があり、その辺の女流棋士(失礼)より、よほど有名だ。
将棋は相居飛車。先番田村さんが自然な指し回しで優勢になった。
終盤、△4八とと詰めろで迫られ先手の危機に見えたが、そこで▲3二銀が好手。△同玉は詰みなので△5一玉だが、▲1五角と「王手と金取り」を打って、先手が勝ちになった。…はずだが、そこから田村さんが乱れる。▲8四香から左右挟撃形を作ったのに、△6五竜と銀をタダでくれてやったのは、あまりにも気前が良すぎた。
ここは落ち着いて▲6六歩と打ち、△6四歩なら▲5四銀上とすりこんで先手十分だった。
以降も田村さんが失着を重ね、最後は鎌村さんの大逆転勝ちとなった。
しかし残念である。私は昨年の5月に開かれた「LPSA将棋パーク」で田村さんの将棋を見たが、終盤の局面で、指し手が皆目分からない、というふうだった。
これは周知の事実だからバラしても構わないと思うが、田村さんはLPSAツアー女子プロの試験を受けたことがある。結果は「採用せず」だったが、ツアー女子プロになれば、アマ相手に多面指しを行うときもでてくる。
そうなったとき、指し手が分からず固まってしまっては、ツアー女子プロ失格である。
本局、中盤までは完璧だったのに、そこから別人のようにヘタな手を連発したのが惜しまれる。田村さんの課題は、終盤の強化であろう。
以上、小野ゆかり、中澤沙耶、鎌村ちひろの各アマが一次予選進出を決めた。
3人は女流棋士の平均棋力を上回っていると思う。すなわち、一次予選でも勝ち抜けできる逸材である。3人の活躍を期待している。
そしてきょう15日(日)は、西日本大会の予選日である。東日本大会に参加したアマも、再度の挑戦が可能である。田村さん、愛ちゃん、和田あきちゃん、はなちゃんも西日本大会に出場するらしい。
大阪までの交通費は高い。そこまで出費したのだから、悔いのない将棋を指してもらいたい。
私は名人戦七番勝負より、女流棋戦の予選のほうに関心が向くくらいだから、女流王座戦アマ予選も注目していた。
東日本予選は、まず予選を戦い、そこで2勝すると決勝トーナメントに進出。その優勝者3名が一次予選に参加できる、というシステムである。
今期の東日本予選参加者は45人。私の注目選手は、LPSAツアー女子プロの渡部愛ちゃん、大野教室の生徒である和田あきちゃん、はなちゃん姉妹、数々の女子アマ大会で入賞の棋歴を持つ、田村真理子さん、というところだ。
午前10時に、北島忠雄理事の開会の辞で第2期が開幕。先の4人はそろって予選を通過、決勝トーナメントに駒を進めた。しかしここからまた2~3勝しなければならないから大変だ。
その準決勝で、渡部愛ちゃんは鎌村ちひろさんに、あきちゃんは迎琉歌さんに、はなちゃんは中澤沙耶さんに敗れ、姿を消した。
しかし厳しい言い方になるが、この予選大会を抜けるくらいでないと、女流プロにはなれない。3人はもっともっと、将棋の勉強をしなければならない。
というわけで決勝戦は、
1枠…小野ゆかりアマ-大庭美夏女流1級
2枠…中澤沙耶アマ-迎琉歌アマ
3枠…鎌村ちひろアマ-田村真理子アマ
の組み合わせになった。
1枠の小野さんは、女子アマ大会で活躍する有名アマ。女流棋士の道へは進まず、アマチュアの立場からプロ最高位を目指す強豪だ。
大庭美夏女流1級は引退女流棋士。女流王座戦は、すべての女性に棋戦参加を認めているので、こんな事態が発生する。
しかし私見では、引退女流棋士の参加はどうかと思う。例えばだが、すべての棋戦でこれを認めたら、引退の意味がなくなってしまう。
将棋は後手番大庭女流1級の四間飛車。大庭女流1級の仕掛けが無理気味で、一足先に飛車が成った小野さんが十分の形勢になったと思う。
数手後、△2五桂と据えた手が緩着。▲3六馬と歩を取られて、形勢を損ねた。
以下も虚々実々の応酬が繰り広げられたが、最後は小野さんが後手玉を鮮やかに詰ました。まずは貫禄の枠抜けというところ。
2枠は10代同士の一戦。中澤さんは右玉の使い手という記憶がある。
迎さんはよく知らぬが、昨年のマイナビ女子オープンの一斉予選対局に参戦した。小さい体で、女流棋士相手に奮戦していたのが思い出される。
将棋は相居飛車から中澤さんの右玉。途中千日手模様になったが、先手が打開。
しかしそこから中澤さんがぞんぶんに捌いて、快勝した。
私は相手の得意を指させない性格なので、中澤さん相手だったら、何とか右玉にさせない手を講じる。迎さんにそれを求めるのは酷だが、そんな指し方もあったと思う。
3枠のふたりはLPSA主催の女流棋戦で優勝経験があり、その辺の女流棋士(失礼)より、よほど有名だ。
将棋は相居飛車。先番田村さんが自然な指し回しで優勢になった。
終盤、△4八とと詰めろで迫られ先手の危機に見えたが、そこで▲3二銀が好手。△同玉は詰みなので△5一玉だが、▲1五角と「王手と金取り」を打って、先手が勝ちになった。…はずだが、そこから田村さんが乱れる。▲8四香から左右挟撃形を作ったのに、△6五竜と銀をタダでくれてやったのは、あまりにも気前が良すぎた。
ここは落ち着いて▲6六歩と打ち、△6四歩なら▲5四銀上とすりこんで先手十分だった。
以降も田村さんが失着を重ね、最後は鎌村さんの大逆転勝ちとなった。
しかし残念である。私は昨年の5月に開かれた「LPSA将棋パーク」で田村さんの将棋を見たが、終盤の局面で、指し手が皆目分からない、というふうだった。
これは周知の事実だからバラしても構わないと思うが、田村さんはLPSAツアー女子プロの試験を受けたことがある。結果は「採用せず」だったが、ツアー女子プロになれば、アマ相手に多面指しを行うときもでてくる。
そうなったとき、指し手が分からず固まってしまっては、ツアー女子プロ失格である。
本局、中盤までは完璧だったのに、そこから別人のようにヘタな手を連発したのが惜しまれる。田村さんの課題は、終盤の強化であろう。
以上、小野ゆかり、中澤沙耶、鎌村ちひろの各アマが一次予選進出を決めた。
3人は女流棋士の平均棋力を上回っていると思う。すなわち、一次予選でも勝ち抜けできる逸材である。3人の活躍を期待している。
そしてきょう15日(日)は、西日本大会の予選日である。東日本大会に参加したアマも、再度の挑戦が可能である。田村さん、愛ちゃん、和田あきちゃん、はなちゃんも西日本大会に出場するらしい。
大阪までの交通費は高い。そこまで出費したのだから、悔いのない将棋を指してもらいたい。