一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

二十六たび大野教室に行く(後編)

2012-04-26 00:06:18 | 大野教室
話が前後するが、先ほどはHi氏とHon氏、Fuj氏に私が手空きだった。この4人で一般対局をすることになったのだが、4人はもう何回も顔を合わせているので新鮮味もなく、組み合わせはどうでもいい。そこでW氏の提案で、「グーパー」で対局相手を決めることになった。
その結果、Fuj-一公、Hi-Hon戦となった。そしてこの2局がほぼ同時に終了し、4人そろって植山悦行七段に教えを乞うことになったというわけであった。
私とFuj氏は角落ち、一服して遅れてきたHi氏は角落ち、Hon氏は飛車落ちの手合いである。
私との将棋は、△6二銀▲7六歩△6四歩▲5六歩△6三銀と進んだ。角落ちの上手に確たる定跡はないが、ふつうは5筋の歩を突くところ。
しかし植山七段は△6四歩~△6三銀を愛用する。いかにも手練れの指し方で、植山七段は飛車落ちでも二枚落ちでも、金銀の配置を微妙に変えて、下手を幻惑する。ここが駒落ち名人とされる所以だ。
私は5筋に位を張り、▲4八飛。次に▲4五歩があるので植山七段は△4二飛だが、その後私は▲8六歩と突き、こちらからの逆襲を目指した。これは機敏な動きだったようである。
△8二飛と戻れなくなった上手は、△7三金、△4一飛~△8一飛とギリギリで受ける。私は慎重に手を進め、まずまずの将棋になった。その後、△8七桂を警戒して▲9八香と先逃げしたが、これはいかにも渋すぎた。
上手は5五で銀交換に出て、△8七銀。この局面が下である。

上手(角落ち)・植山七段:1一香、1四歩、2四歩、3三桂、3四歩、4三金、6三銀、6四歩、7二玉、7三桂、7四歩、8一飛、8六歩、8七銀、9一香、9四歩 持駒:桂
下手・一公:1六歩、1九香、2七歩、2八玉、2九桂、3六歩、3八金、4六歩、4七銀、5五角、6七歩、7六歩、7七桂、7八金、8九飛、9六歩、9八香 持駒:銀、歩4

以下の指し手。
▲5九飛△7八銀成▲3三角成△同金▲5三飛成△4四角▲8二歩△同玉▲8三歩△同玉▲8四歩△7二玉▲8三銀△6一玉▲4二竜△5二金▲3一竜△5一歩▲8五桂△8三金▲同歩成△同飛▲5三歩△6二金…。

こんな露骨な攻めはしてこないだろうとタカをくくっていたが、△8七銀はいざ打たれてみると厳しかった。
私は▲5九飛と転戦する。と、植山七段が
「うわー、(将棋に)明るいですねー」
と叫んだ。「この銀は相手にしない、ということですか」。
この言葉だけを聞けば、私がうまく立ち回ったようだが、数手進んで見ると、実際は暴発である。金を丸損した上に角まで切り、その代償が飛車成りだけとは哀しすぎる。
△4四角に、私は苦し紛れの▲8二歩。しかし数手進んで▲8五桂と跳んだところでは、不思議なことに、いい勝負になっていた。上手は△8三金と、銀を取る。
ここで私の読みは、▲7三桂打△6二玉▲8一桂成で下手よし。以下△8四金には▲8二飛だ。
しかし▲7三桂打には一回、△同金と取る手がある。これには▲同桂不成がまた王手飛車取りだからこれで一向に構わないのだが、一瞬銀を食い逃げされるのが気に入らず、私はつい、▲8三同歩成と取ってしまった。
△同飛に▲8四歩△同飛▲7三桂成が読み筋で、これも何となく筋っぽくはある。しかし、玉に5三から逃げられそうに思い、私は▲8四歩の前に一本▲5三歩と叩いた。△同金なら利かしだし、△同角なら▲3三竜と金を取れる。
ところが植山七段に△6二金と寄られ、愕然とした。何と、手順に7三の地点を補強させてしまったのだ。
やり直しとばかり▲5二歩成は△同銀で無効。窮した私は▲1一竜から▲5二香と迫ったが、これはいかにもダサイ攻めだ。先ほどのツナギ桂の簡明さには遠く及ばない。
最後は上手の入玉が確定し、指導対局としては、ここまで。潔く投了した。
序盤はうまく指し、中盤も指し切り模様からうまく手を繋げたのに、誰でも指す桂馬のふんどし(王手飛車取り)を指さず、そのあとも好手風の疑問手を指したのが悔やまれた。
なお、Fuj氏とHon氏は見事勝利を収めた。Hi氏の勝敗は不明。
きょうは大人10人、子供4人の参加だった。あれほどいた生徒が、いまはほとんど帰っている。Ii君が植山七段に、早指しで教えを乞うことになった。
これがすぐ終わると思いきや、なかなか終わらない。時は7時20分。しびれを切らした私は、Fuj氏に再戦を申し込んだ。もちろんFuj氏も応じる。お互い将棋バカである。
後手の私が、今度は四間に振った。Fuj氏は▲5七銀左から急戦に来る。彼の狙いは▲4五歩~▲2四歩だが、その間に▲3五歩を入れるのがFuj流。昨年秋の将棋合宿もその順で来られ、私が完敗している。今度もそう来ると思った。
それなのに私はのんびり構え過ぎていた。これといった対策を講じないまま、▲4五歩~▲3五歩~▲2四歩から▲2二角~▲3一角成とされ、後手敗勢。
私は△4四飛と浮くが、▲5三桂成とされ飛び上がった。こんな手をウッカリしているとは…。しかし気付いていても、対処のしようがなかった。私は自分に嫌気がさし、ここで投了した。
感想戦には大野八一雄七段が付き合ってくださったが、△1二香が緩手とされた。
「それよりも、なんで△5四銀と上がらないの?」
と疑問を呈された。なるほど▲4六歩に△5四銀か。▲4五歩なら構わず△6五銀と出るのだろう。
▲4六歩に△5四銀は定跡書にも出ている。この手を指せないとは、勉強不足というしかない。本当に私は、有段者なのだろうか。
ともあれこれできょうの将棋は終わり。きょうは大野七段に教えてもらわなかったが、これは初めてのケースである。しかし植山七段に教えてもらったので、構わない。
食事会は駅前のガストで。参加者は大野七段、植山七段、W氏、Fuj氏、私の5人。最近私は太り気味で、カロリーの高い食事は摂りたくないのだが、きょうもハンバーグにライスは大盛り、それに鶏の唐揚げまで付けている。もうどうしようもない。
食後はまたバカ話で盛り上がる。しかし今夜はちょっと趣を変え、大野教室の生徒が肴になった。もっとも、いちばん肴にされていたのは私だろう。今夜も大いに笑い、とても楽しい時間だった。
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