一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

二十七たび大野教室に行く(後編)

2012-04-28 13:53:58 | 大野教室
△6二銀▲7六歩△6四歩▲5六歩△6三銀。前日と同じ出だしだ。前局は変則振り飛車だったが、きょうは▲2六歩と突いて居飛車に構えた。
私は▲6九玉から銀交換を挟んで▲4七金~▲5八飛。しかし上手にもう一枚銀を持たれると、△4九銀▲2八飛△5八銀打▲同飛△同銀不成▲同玉△7八飛成でゲームセット。この「見えない攻め」が、のちの私の大局観を狂わせる。
△7一飛、8一桂、9一香の局面で私は筋悪く▲8二銀。植山悦行七段は△7四飛だが、ここで▲9一銀成が誤った。すかさず△7三桂と跳ばれ、この成銀が遊んで面白くなかった。のちの食事会で植山七段が「アッ!!」と叫んだのだが、ここは▲8一銀成が正着。桂、香を拾えば下手が十分だった。
植山七段は△7六歩と垂らす。どうも7七の地点が心許ないので私は▲7九香だが、これはいくらなんでも受け過ぎた。
△5四に金がおり、私は▲7五歩△同飛▲8六銀△7四飛▲7五歩△6四飛▲5五歩。金が6四に寄れず、詰んだ。対局中はしてやったりと思ったのだが、△4三金▲5四歩△同歩と落ち着かれてみると、下手、それほどでかしていない。▲8六銀と働きのない駒を打っているからで、こんなことなら2度目の▲7五歩では先に▲5五歩と突き、△6四金▲7五歩△同金▲同銀△同飛▲5四歩と、飛車の捌きを優先させるべきだった。
私は▲4五歩と突くが、これも焦った。ここは▲5七銀と活用すべきだった。
▲4六歩の金取りに、植山七段は△5五桂。この局面、金銀と桂の交換で下手が圧倒的駒得なのに、駒の働きが悪過ぎて、下手ハッキリ悪い。
▲4五歩は△4七桂成で下手負け。▲4八金打はまったく考えなかった。さりとてほかに指す手もない。盤上に目を落とすと、▲7九香がココセ級の悪手で、見るもおぞましい形になっている。ここからは上手が楽しいばかりになる。それは堪えられないので、いまはこれまでと、私は投了した。
大笑いする植山七段。
「大沢さん、ふざけてるでしょ」
私に角落ちで勝てるチカラがあるのに、ふざけて指してるでしょ、といっているのだ。しかし私は真剣である。その結果が、こんな前代未聞の投了図になってしまった。恥を忍んで、ここにそれを公開する。

上手(角落ち)・植山七段:1七成香、2一桂、2四歩、3三歩、4三玉、4五金、5四歩、5五桂、6四飛、6五歩、7三桂、7六歩、8四歩 持駒:銀、香、歩6
下手・一公:3六歩、4六歩、4七金、5八飛、6七歩、6八銀、6九玉、7五歩、7八金、7九香、8六銀、8七歩、8八角、8九桂、9三成銀、9七歩、9九香 持駒:金

7七の地点に6枚も利かしたのに、上手に無視されたため、無残な形になってしまった。まったく、春の悪夢だった。
5局目は新顔のShi氏と。Shi氏は年配だが礼儀正しく、二枚落ちで大野八一雄七段に惜敗、植山七段に快勝と、実力のあるところを見せていた。私とは、私の飛車落ち。大駒落ちの上手は私も自信があるので、ここは軽くひとひねり、のつもりで対局に臨んだ。
Shi氏は右四間飛車定跡から▲6五歩! ▲6八飛から山口瞳流で来られた。これはShi氏、よく勉強していると思った。
私は下手の陣形のイヤミ、イヤミを衝くが、Shi氏は冷静に対処する。ここはこう指してはこないだろう、と高をくくっていたが、Shi氏の指し手は的確で厳しい。これは強い下手だと思った。
最後は鮮やかに詰まされて負け。これは痛い敗戦だった。しかし次に対局する機会があれば、こちらも工夫する。ぜひ再戦したいところである。
もう6時は過ぎているが、大野七段の指導対局が続いているので、私はHon氏と一般対局。先番Hon氏の変態三間穴熊になった。私は玉頭位取りに出るが、相手が穴熊では効果が薄かった。
数手進んで△4四角が疑問。将来▲2四桂や香のキズができたからで、ここは△3三角とひとつ上がるにとどめておくべきだった。
以下はHon氏の指し手が冴え、私の玉は中段に吊りだされ、風前の灯。△4八角成▲同金△同竜にHon氏は▲3九角。後手玉は受けなしの二手スキ、先手玉に一手スキがかからず、ここで私は投了した。Hon氏の穴熊は固くはないが、妙に耐久性がある。Hon氏の持ち味がよく出た一局だった。
私は泣きの再戦を申し込むがHon氏に逃げられ、これできょうの対局は終了。6局指して1勝5敗はひどい成績だった。
先日行われた、中倉宏美女流二段-小野ゆかりアマの一戦を鑑賞する。小野アマの四間飛車に、宏美女流二段の▲5七銀左急戦。激戦の末、宏美女流二段が敗れたが、いい将棋だった。
いよいよ食事会である。外へ出ると本格的な雨になっていた。大野七段に傘を借りた。参加は大野七段、植山七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、M君、私の7人。
きょうは近所のトンカツ屋に行った。いつも行く中華料理屋の並びにあり、初めて入る店である。肉はもちろん美味かったが、ご飯の量が多かった。
M君が帰宅して、私たちはガストへ向かう。ここでいつものおしゃべりである。
きょうは「大野教室のマドンナ」こと、Yさんが来る予定だった。私も大いに楽しみにしていたのだが、叶わず。私は女性の言葉は信じないことにしているのでショックはないが、いささか脱力した。
コメント (2)
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