7月20日(金)は「ジョナ研」があった。6月22日(金)以来、約1か月ぶりの開催である。きょうの参加予定はKun氏、Hon氏、Kaz氏、私の4人。ちょっとさびしい。
午後7時に駒込ジョナサンに入ると、Hon氏が先着していた。私はセットメニューを頼んで、しばし歓談。といっても私は、頭髪や仕事など、肉体的衰えと精神的疲労という慢性的な悩みを内包しており、以前ほど快活に会話ができなくなった。
ジョナ研もけっこう長いが、最近は参加者にギラギラしたものが感じられない。それはなぜかと考えて、Ayakoさんの退職が挙げられた。
Ayakoさんは駒込ジョナサンでのマドンナ的存在で、LPSA駒込金曜サロンのころから、私たちとは顔なじみだった。
その彼女が突然沖縄に帰ってしまってから、私たちの中で何かが終わったようなのだ。それはちょうど、金曜サロンで植山悦行七段が手合い係を卒業したときの虚しさによく似ていた。Ayakoさんは、私たちの想像以上に、大きな存在だったのだ。
私が食事を終えると、「じゃあ将棋指しましょうか」とHon氏がいう。先日の「大野教室」では私の誘いを断ったが、きょうはいつものHon氏に戻って、指す気マンマンである。
将棋はHon氏の三間飛車穴熊。左金は△4三に持っていき、囲いは△7一銀・△7二金の二枚で済ませる。堅さよりも広さを重視したものだが、穴熊囲いとの相性がいいとも思えず、とてもいい戦法とは思えない。
しかしそこを、Hon氏は巧妙に指しこなす。さすが変態穴熊の元締めである。
本局も私が玉頭位取りに出たが、陣容が整わないまま仕掛けられて、作戦負け…否、敗勢に陥った。
しかしそこから私が妖しい勝負手を連発して、形勢はもつれる。気がついたらこちらが有利になっていた。
最後はHon氏が△8六香と放ったが、私は馬を切って▲7四桂の王手。△7二玉▲8二金△7三玉▲6二角…と打ってHon氏が投了したところで、Kaz氏が来た。
Kaz氏、おお、やってますね、という顔だ。Kaz氏、仕事に将棋に、公私ともども充実しているようで、うらやましい。
Kaz氏が食事を終えると、現在居飛車を勉強しているというHon氏が、Kaz氏に居飛車の指し方を請うた。
Hon氏は本当に勉強熱心である。Hon氏も仕事が忙しく将棋を指している時間はないはずだ。大野教室でも、滞在時間は短い。それでいていまも棋力が着実に向上しているのは、寸暇を惜しんでの勉強の賜物だろう。
Kaz氏の相掛かりの講習を私も横から見ていたが、参加者が3人なので、あぶれた私は退屈である。そこで、現在進行中の王座戦挑戦者決定戦・羽生善治王位・棋聖対中村太地六段の一戦を並べることにした。
私はスマホを繰って、指し手を伝える。私がこんな作業をするなんて、1年前のいまごろは考えられなかった。
ふたりはこの将棋は初見だ。41手目、▲2六歩の飛車取りに、次の一手を問うてみる。飛車取りだから指し手は限られているが、「△9五飛」は、ふたりとも分からなかった。まあ、そうであろう。
9時。Kun氏が現われた。しかし一緒に珍客がいるので、私たちは素っ頓狂な声を挙げた。
(つづく)
午後7時に駒込ジョナサンに入ると、Hon氏が先着していた。私はセットメニューを頼んで、しばし歓談。といっても私は、頭髪や仕事など、肉体的衰えと精神的疲労という慢性的な悩みを内包しており、以前ほど快活に会話ができなくなった。
ジョナ研もけっこう長いが、最近は参加者にギラギラしたものが感じられない。それはなぜかと考えて、Ayakoさんの退職が挙げられた。
Ayakoさんは駒込ジョナサンでのマドンナ的存在で、LPSA駒込金曜サロンのころから、私たちとは顔なじみだった。
その彼女が突然沖縄に帰ってしまってから、私たちの中で何かが終わったようなのだ。それはちょうど、金曜サロンで植山悦行七段が手合い係を卒業したときの虚しさによく似ていた。Ayakoさんは、私たちの想像以上に、大きな存在だったのだ。
私が食事を終えると、「じゃあ将棋指しましょうか」とHon氏がいう。先日の「大野教室」では私の誘いを断ったが、きょうはいつものHon氏に戻って、指す気マンマンである。
将棋はHon氏の三間飛車穴熊。左金は△4三に持っていき、囲いは△7一銀・△7二金の二枚で済ませる。堅さよりも広さを重視したものだが、穴熊囲いとの相性がいいとも思えず、とてもいい戦法とは思えない。
しかしそこを、Hon氏は巧妙に指しこなす。さすが変態穴熊の元締めである。
本局も私が玉頭位取りに出たが、陣容が整わないまま仕掛けられて、作戦負け…否、敗勢に陥った。
しかしそこから私が妖しい勝負手を連発して、形勢はもつれる。気がついたらこちらが有利になっていた。
最後はHon氏が△8六香と放ったが、私は馬を切って▲7四桂の王手。△7二玉▲8二金△7三玉▲6二角…と打ってHon氏が投了したところで、Kaz氏が来た。
Kaz氏、おお、やってますね、という顔だ。Kaz氏、仕事に将棋に、公私ともども充実しているようで、うらやましい。
Kaz氏が食事を終えると、現在居飛車を勉強しているというHon氏が、Kaz氏に居飛車の指し方を請うた。
Hon氏は本当に勉強熱心である。Hon氏も仕事が忙しく将棋を指している時間はないはずだ。大野教室でも、滞在時間は短い。それでいていまも棋力が着実に向上しているのは、寸暇を惜しんでの勉強の賜物だろう。
Kaz氏の相掛かりの講習を私も横から見ていたが、参加者が3人なので、あぶれた私は退屈である。そこで、現在進行中の王座戦挑戦者決定戦・羽生善治王位・棋聖対中村太地六段の一戦を並べることにした。
私はスマホを繰って、指し手を伝える。私がこんな作業をするなんて、1年前のいまごろは考えられなかった。
ふたりはこの将棋は初見だ。41手目、▲2六歩の飛車取りに、次の一手を問うてみる。飛車取りだから指し手は限られているが、「△9五飛」は、ふたりとも分からなかった。まあ、そうであろう。
9時。Kun氏が現われた。しかし一緒に珍客がいるので、私たちは素っ頓狂な声を挙げた。
(つづく)