一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沖縄旅行9

2012-08-25 00:36:30 | 旅行記・沖縄編
カイジ浜に着いた。ここは遊泳より、星砂で有名だ。だいぶ昔、八洲旅館ユースホステルに泊まった京都大学の学生が、一升瓶いっぱいに詰め込んだ星砂を私たちに見せて、悦に入っていたことがある。バカが…。
話を現在に戻す。エメラルドグリーンの海が綺麗だ…と感動したのも束の間、たちまち雲行きが怪しくなり、ポツポツ降ってきた。沖縄旅行最終日、ついに雨の被害を受けた。
カサなど持ってきていないので、木陰で雨宿り。海の色もたちまち灰色になって、私の心も暗くなった。
雨が止んだところで、コンドイビーチに移動する。竹富島といえばコンドイビーチで、遠浅の海が果てしなく綺麗だ。しかし浅すぎて、魚を愛でるには適していない。
しばらく海を眺めていたが、こちらにも雨が降ってきた。今度の雨もしつこい。
東屋に避難するが、さすがにウンザリしてきた。旅行の最大の敵、それは雨である。旅の高揚感を鎮めるのは簡単だ。ポツポツ雨を降らせばよい。
小やみになったところで、コンドイビーチも後にする。ここまでは、グダグダの竹富島である。
私が竹富に来た理由、それは某店のかき氷を食べるためである。数年前、フラリと入ったかき氷店で食べたそれがフワフワでたいそう美味く、私は一遍にこの店のファンになってしまったのだ。
昨年もそれが目当てで行ったのだが、あいにく休みだった。今年は秩父合宿の帰りに、瀞峡・阿左美冷蔵のフワフワかき氷を堪能している。秩父のそれを味わって、竹富のそれに挨拶しないのはマズイ。今年こそ、竹富のかき氷を味わうのだ。
店名は忘れたが、場所はだいたい覚えている。のんびりと島内を歩き、集落に入った。
「美女 安里屋クヤマ生誕の地」の標が立った、民家があった。八重山地方の名曲「安里屋ユンタ」のモデルになった女性だろうか。しかし安里屋某は、実在の人物だったのか? まあ、石垣島・野底マーペーの伝説も、実在の男女だったようだし、こうして生誕の家が遺っているということは、安里屋クヤマも実在していたのだろう。しかし彼女はどれほどの美貌だったのか、一度拝んでみたかった。
その向こう側には、赤山丘に立つ「なごみの塔」がある。恐ろしく急な階段を登ると、1名ないし2名で身動きができなくなる展望台に立ち、そこから竹富の街並みを一望できる。
私が初めて竹富に訪れたころは、なごみの塔はそれほどメジャーではなかった。しかしここ数年は竹富島屈指のビュースポットとして、観光客の行列が絶えない。
いまも数人が並んでいる。行列に並ぶという行為は私の辞書にはないので、素通りしてかき氷店に向かう。道の先で風車がくるくる回っている。あのあたりか、とアタリをつけたら、ビンゴだった。ここが私の望むかき氷店である。「パーラーぱいぬ島」。ああ、こんな名前だった。
砂利の敷いてある庭にアクリルの屋根をかぶせ、ベンチを置いただけの簡素な造りだが、それが逆にいい趣である。
ただ、肝心のかき氷が、300円から400円に値上げされていた。…400円!? 阿左美冷蔵のかき氷は600円だか700円だったから、400円でも十分安いのだが、それでも300円から400円は、33パーセントの値上げである。
けっこう大きく出たなー、と思いつつ、私は氷ぜんざいを注文した。
出された氷ぜんざいを一口ほおばる。しかしフワフワ感があまりないような気がする。阿左美冷蔵のかき氷はもっとフワフワで、とびっきりの美味だったが、どうなのだろう。
ああ、あのときは隣に中井広恵女流六段がいたのだ。だからかき氷も美味かったのだ。そういえば中井女流六段には、最近会っていない。それならば禁断症状が出そうだが、そうはなっていない。私は本当に中井女流六段のファンなのだろうか。
氷ぜんざいをほおばるが、フワフワ感が出てきて、やはり美味い。黒砂糖の甘みが絶妙だ。底には白玉がふたつ。これは400円でも安いくらいだった。ごちそうさま。
なごみの塔に戻ってみる。待っている観光客がひと組だけだったので、私も待つことにした。と、その間にも、私の後方にみるみる行列ができる。どうしてみんな、ここに登りたがるのだろう。とウンザリしている自分もそのひとりである。
東京に来た旅行者が、「どうして東京はこんなに人が多いのだろう」と呆れる。アンタもそのうちのひとりだろう、というのと同じだ。
私の番になったので、サッサッサッと上に登る。展望台に立つが、私は高所があまり好きではないので、ヒザがガクガクした。床がゆらゆら揺れている気がするが、気のせいだろうか。囲いは腰のあたりまでしかなく、ここで気を失ったら、確実に墜落する。
しかし後ろがつかえている。私は意を決して、写真を撮った。
これは誰のために撮っているのか。ブログの読者のためか。

塔から降りて、改めて見上げてみる。カップルが登っている。ここはカップル…というか、意中の女性を落としたい男性が、女性といっしょに登るのがよい。吊り橋効果で、女性のハートを射止める可能性が高くなる。
先のカップルは、男性が背中から、囲いに寄りかかっている。バカじゃなかろうかと思う。鹿児島県吹上浜「砂の祭典」の展望台に登ったときもそうだったが、男性は危険に対して、無頓着すぎる。
なごみの塔を下りる。水牛車がのんびりと客車を牽いている。こうしてみると、竹富島は見所いっぱいである。石垣からも近いし、人気があるのもうなずける。
水牛車はもういいので、私は港方面に戻る。竹富ビジターセンター「ゆがふ館」にお邪魔して、高速船の到着を待った。
16時15分のそれは安栄観光の運航だが、もちろんこの船にも乗れる。相互利用OKは、やはり便利である。
「ぱいじま」も、中型高速船だった。定刻を10分も遅れ、16時35分、石垣港着。
帰りの飛行機は18時40分だから時間はあるが、私には新たにやることが生じていた。A&Wに寄りたいが、その時間もない。私は旧あやぱにモールに向かった。
7歳のめいと4歳のおいに、アクビちゃんTシャツを買いたいと思う。昨年それを買ってあげたら、好評だったからだ。
しかしデザインが去年と同じだったので、今年は見送った。
土産物屋で、120円のペットボトル(500ml)を買う。100円のお茶もあったが、120円のジュースのほうがよい。
その足で、私は石垣港に戻った。16時15分に鳩間島を出た高速船を迎えるためである。
カイジ浜の手前でバスタオルを忘れたことに気づいた私は、その直後、まるだいに電話をかけた。夕方の高速船で石垣に戻る「稲葉六段」に、バスタオルを持ってきてもらうよう頼むためである。
Naomiさんとは繋がり、こちらの用件もしっかり伝えたのだが、本当にこちらの意が伝わったかは分からない。
高速船は遅れている。八重山観光フェリーの案内嬢に聞くと、あと7分で着くとのこと。結局12分の遅れで、「サザンクイーン」は、石垣港に着いた。
桟橋で待っていると、「稲葉六段」が降りてきた。まさか、こんなに早く「稲葉六段」と再会するとは…。
私は「稲葉六段」に駆けより、精一杯の笑顔を作る。久しぶりの営業スマイルだ。「稲葉六段」も私に気づくが、「まああちらで」ともったいつける。なんだか、借金の申し込みに来た債務者を、金融業者が別室へ案内する図のようだ。
石垣港ターミナルに入ると、彼が大型のリュックサックから、折り畳まれたバスタオルを出した。
これだ! 私はありがたく受け取る。鳩間島の陽光を浴びて、そのバスタオルはふんわりしていた。
私はカバンから先ほどのペットボトルを取り出すと、ありがとうございましたと、彼に渡した。
(27日につづく)
コメント (2)
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