一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沖縄旅行0(ゼロ)

2012-08-11 02:30:18 | 旅行記・沖縄編
今年の夏休みも、沖縄に行くことにした。社会人になってからは、1995年から18年連続の沖縄旅行である。
昨年は帰りの飛行機のチケットを取らず旅立ったのだが、帰京予定の日になってもキャンセルが出ず、翌1日を丸々那覇空港で過ごすという地獄を味わった。今年はその轍は踏みたくない。とりあえず那覇空港までの往復便は押さえておいた。
問題は現地での観光である。ここ10年以上は沖縄本島を素通りし、宮古島と八重山諸島のみを楽しむというスタンスになっている。沖縄本島近くにも渡嘉敷島の阿波連ビーチなど海のきれいな海水浴場はあり、そちらにも食指が動くのだが、宮古島や石垣島には馴染みの宿もあり、訪れないわけにはいかない。
結局私は例年通り、宮古島と石垣島をメインとし、沖縄本島は中継地のみとすることにした。すなわち、10日夜・東京→沖縄本島、11日午前・沖縄本島→宮古島、12日・宮古島→石垣島、15日・石垣島→沖縄本島→東京、という行程である。
ネットで飛行機の予約を取り、さらにユースホステル(YH)のサイトで、石垣島のYHの状況を確認してみる。私が定宿にしていたトレック石垣島YHがここ何年か休館で、その最新情報を知りたかったからだ。
すると、驚くべき事実が掲載されていた。「閉館ユースホステル」の中に、「トレック石垣島YH」とあったからだ。閉館日は今年の3月31日。さらに石垣島でのもうひとつの定宿だった八洲旅館YHも、4月30日付で閉館になっていた。
この衝撃をなんといったらいいのだろう。北海道の名寄本線と天北線が同時に廃止になったごとく、というべきか。
この2つのYHは、私が17年前からひいきにしていた宿だ。トレック石垣島YHでは宿のオバちゃんと年に1度の再会を楽しみ、その1年にあったことを語りあった。
八洲旅館YHは港に近い宿だから人気があり、いろいろな宿泊客と会えて楽しかった。ヘルパーさんもいい人ばかりで、2年前はヘルパーのサトコさんと意気投合、遅くまで恋愛談義をしたのが忘れられない。
トレック石垣島YHはオバちゃんの体調も悪く、数年前から客も閑散としていたので、ある程度の覚悟はできていた。しかし八洲旅館YHは70歳すぎのおばあが主人ではあるものの、経営のほとんどをヘルパーに任せており、営業に支障はなかったはずだった。
それでも八洲旅館YHは昨年のいまごろも休館だったから、あるいは…という気がしないでもなかったが、やはり青天の霹靂ではあった。まさかおばあに、何かあったのだろうか。いずれにしても、これで石垣島から、YHの灯が消えたことになった。
そしてこうなってみて、私がこれらの宿に泊まることにいかに重きをおいていたか、その事実に改めて気付かされた。
これで石垣島に行く意味があるのだろうか。今回は石垣島の日程を削ろうか。しかし石垣島へ行くのにもそれなりの交通費はかかっている。行ったからには、そこそこ滞在したい。
ではいっそのこと石垣島行きをやめて、沖縄本島での観光を増やそうか。いやそれも、宮古島を訪れて石垣島に行かないのでは義理を欠く。両者はセットでなければならない。それに石垣島の先には鳩間島もある。ここの旅館「まるだい」だって私の定宿ではないか。しかしまるだいの主人も昨年亡くなったしなあ…。
などといろいろ考えたのだが、そのうち面倒くさくなり、結局私は宮古島2泊、石垣島(離島含む)2泊ということで、旅行のイメージを決めたのだった。

10日(金)。午後6時15分、荷物をまとめて家を出る。ここ2、3年は、これからの家業をどうするか、自問自答の毎日になっている。そして数年先をイメージすれば「破滅」の2文字しかなく、それが私を憂鬱にさせるが、旅行のときはそれを忘れなければならない。
山手線、モノレールと乗り継いで羽田空港第2ビルに着く。ANAの自動チェックイン機に株主優待券を差し込むと、チケットが出てきた。
株主優待券といえば、私は2年前の1月、株主優待券の取得を目的としてJALの株を3,000買ったのだが、その翌日JALが上場廃止を決定。私は株を受け取る前に、20万円を紙クズにしたのだった。
かようなわけで、JALには怨みがある。来月JALが再上場するが、複雑な気持ちである。
待合室で待っていると、
「ANA139便沖縄行きは定員を超える予定です。そこで飛行機の振り替えにご協力いただけるお客様を5名、募集いたします。振り替えの飛行機は、翌日の6時05分羽田発、8時35分沖縄着です。ご協力いただいたお客様には、2万円の謝礼か、1万5千マイルを差し上げます…」
のアナウンスがあった。繁忙期にはよくある放送である。さっぽろ雪まつり期間の新千歳空港や、お盆の那覇空港で聞いたことはあるが、羽田空港のそれは初めてである。
しかしANA139便といえば、私が乗る便ではないか。2万円は、ちょっとそそられる金額である。どうせ今夜の宿はカプセルホテルである。一応予約はしているが、キャンセル料もそんなにかからないだろう。翌日の宮古行きの便は9時50分発のANAだから、これも支障はない。ちょ、ちょっと応募してみようか…。
私は搭乗ゲートへ向かう。
「あの…さっきの放送、まだ申し込みはやってるんでしょうか」
協力金狙いがミエミエなのがいやらしいが、私は乗務員に聞く。
「はい、ありがとうございます。申し受けております」
おお…。チケットを、というのでそれを渡す。「オオサワ様ですね。ありがとうございます。弊社指定の宿の問題もありますので、もしご協力をお願いすることになった場合、お名前をアナウンスさせていただきますが、よろしいでしょうか」
もちろんよろしい。
いくら株主優待券を使っているといっても、沖縄までは片道21,620円かかっている。ちょっと早起きして2万円がもらえるなら、いくらでも応募する。しかも宿までついてくるのだ。こんなにうまい話があろうか。
思わぬ展開に、私は浮き足立った。
(16日につづく)
コメント (25)
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