16日(金)のLPSA金曜サロンは、1部が神田真由美女流二段、2部が鹿野圭生女流初段の担当だった。ここで注目されるのは、マイナビ一斉予選対局を翌日に控えていた、関西在住の鹿野女流初段である。
鹿野女流初段のコンディションを考慮するなら、2部担当は、引退された藤森奈津子女流四段か大庭美夏女流1級という選択肢はあった。しかし鹿野女流初段は、前日に実戦をこなすことで、ウォーミングアップする道を選んだ。これは5月下旬に行われたチャレンジマッチのときと同じ構図である。
しかしその根底には、上京の機会に金曜サロン(やマンデー・レッスン)で会員との交流を図りたい、という鹿野女流初段の意向も含まれていたと思う。
今回の場合、チャレンジマッチのゲンを担ぐ、という意味もあっただろうし、一斉予選対局は午後から、ということもあったろうが、いずれにしても女流棋界最高の公式戦対局前夜に、遅くまで脳ミソをしぼり、会員に指導する姿勢には頭が下がった。
「カノタマ」はLPSA会員の中でもファンが多い。こんなところに彼女の人気の秘密がある。
蛇足ながら昨年の同担当は、1部が大庭美樹女流初段、2部が船戸陽子女流二段であった。おふたりとも現役女流棋士である。さらにその前の年は植山悦行七段のピンチヒッターだったから、実は昨年の人選もスゴかったのだ。
さて、16日当日も午後3時45分ごろに仕事を終わらせてもらい、駒込に赴く。毎度毎度仕事を途中で放りだすのは気がひける。いまにバチが当たるだろう。
インターフォンを押すと、聞きなれない声である。3階に入ると、その声の主は大庭美夏女流1級だった。
6月から登板した、手合い係の櫛田陽一六段はというと、渡部愛ツアー女子プロと実戦の最中だった。
居飛車勉強中の渡部ツアー女子プロに、「世紀末四間飛車」の櫛田六段が稽古をつける。それはほほえましい光景なんだろうけれども、私には櫛田六段の立ち位置がいまひとつ分からない。
もちろん櫛田六段とは何度か話をさせていただいて、見かけによらず気さくな方だとは思った。話もたしかにおもしろい。
しかし「手合い係」としてはどうなのだろう。櫛田六段がいらっしゃるなら、(今回の場合)大庭女流1級が手合い係をしているのは、おかしいのだ。
櫛田六段は「指導棋士」としていらしてくれている、と割り切るならいいが、そもそもLPSAは女流棋士の団体である。金曜サロンは「女流棋士との指導対局」が大前提であって、私などは、女流棋士とお近づきになりたいというスケベ心だけで、毎週訪れているわけだ。
あまり櫛田六段の指導対局が常態化されてくると、前段の大前提があやふやになり、ひいては金曜サロンの存在自体がおかしなものになってくる。
何度も植山悦行七段を引き合いに出すのは心苦しいが、植山七段は、会員がいつも何時に来るか、どこに住んでいるか、棋風はどうか、得意戦法は何か、棋力は向上しているか…などなどを、つねに考えていた。地方から来た人、初顔の人などは、とくに丁重にもてなした。それがリピーターに繋がったのである。
もしLPSAが、植山七段の後釜に、とりあえず同じ男性棋士を入れておけばいい、と考えたのなら、それは甘い。この状態が続けば、やがて金曜サロンを訪れる会員は減っていく。
櫛田六段に不満はない。しかし金曜サロンの存在意義を、LPSAはいま一度考える必要がある。
というわけで、3連休の前日である16日は、翌日のマイナビ女子オープン一斉予選対局を観戦するためか、あまり見かけない方が、3名ほどいらしていた。この方々が、また金曜サロンに訪れてくださることを祈る。
鹿野女流初段のコンディションを考慮するなら、2部担当は、引退された藤森奈津子女流四段か大庭美夏女流1級という選択肢はあった。しかし鹿野女流初段は、前日に実戦をこなすことで、ウォーミングアップする道を選んだ。これは5月下旬に行われたチャレンジマッチのときと同じ構図である。
しかしその根底には、上京の機会に金曜サロン(やマンデー・レッスン)で会員との交流を図りたい、という鹿野女流初段の意向も含まれていたと思う。
今回の場合、チャレンジマッチのゲンを担ぐ、という意味もあっただろうし、一斉予選対局は午後から、ということもあったろうが、いずれにしても女流棋界最高の公式戦対局前夜に、遅くまで脳ミソをしぼり、会員に指導する姿勢には頭が下がった。
「カノタマ」はLPSA会員の中でもファンが多い。こんなところに彼女の人気の秘密がある。
蛇足ながら昨年の同担当は、1部が大庭美樹女流初段、2部が船戸陽子女流二段であった。おふたりとも現役女流棋士である。さらにその前の年は植山悦行七段のピンチヒッターだったから、実は昨年の人選もスゴかったのだ。
さて、16日当日も午後3時45分ごろに仕事を終わらせてもらい、駒込に赴く。毎度毎度仕事を途中で放りだすのは気がひける。いまにバチが当たるだろう。
インターフォンを押すと、聞きなれない声である。3階に入ると、その声の主は大庭美夏女流1級だった。
6月から登板した、手合い係の櫛田陽一六段はというと、渡部愛ツアー女子プロと実戦の最中だった。
居飛車勉強中の渡部ツアー女子プロに、「世紀末四間飛車」の櫛田六段が稽古をつける。それはほほえましい光景なんだろうけれども、私には櫛田六段の立ち位置がいまひとつ分からない。
もちろん櫛田六段とは何度か話をさせていただいて、見かけによらず気さくな方だとは思った。話もたしかにおもしろい。
しかし「手合い係」としてはどうなのだろう。櫛田六段がいらっしゃるなら、(今回の場合)大庭女流1級が手合い係をしているのは、おかしいのだ。
櫛田六段は「指導棋士」としていらしてくれている、と割り切るならいいが、そもそもLPSAは女流棋士の団体である。金曜サロンは「女流棋士との指導対局」が大前提であって、私などは、女流棋士とお近づきになりたいというスケベ心だけで、毎週訪れているわけだ。
あまり櫛田六段の指導対局が常態化されてくると、前段の大前提があやふやになり、ひいては金曜サロンの存在自体がおかしなものになってくる。
何度も植山悦行七段を引き合いに出すのは心苦しいが、植山七段は、会員がいつも何時に来るか、どこに住んでいるか、棋風はどうか、得意戦法は何か、棋力は向上しているか…などなどを、つねに考えていた。地方から来た人、初顔の人などは、とくに丁重にもてなした。それがリピーターに繋がったのである。
もしLPSAが、植山七段の後釜に、とりあえず同じ男性棋士を入れておけばいい、と考えたのなら、それは甘い。この状態が続けば、やがて金曜サロンを訪れる会員は減っていく。
櫛田六段に不満はない。しかし金曜サロンの存在意義を、LPSAはいま一度考える必要がある。
というわけで、3連休の前日である16日は、翌日のマイナビ女子オープン一斉予選対局を観戦するためか、あまり見かけない方が、3名ほどいらしていた。この方々が、また金曜サロンに訪れてくださることを祈る。