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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の九州旅行4・西へ

2011-12-21 00:14:49 | 旅行記・九州編
私は愕然とした。頭頂部が、少し薄くなっていたからだ。髪を掻き分けると、完全に地肌が見えてしまっている。マジか、これ…。
いやいままでも、オヤッと思うことはあったのだ。「大野教室ブログ」には指導対局の風景が載るが、そこに写っている私の頭が、少し薄いのでは…と不審に思っていたのだ。
私の顔は、目はド近眼、鼻は鼻炎、口は歯槽膿漏、耳は耳鳴りで、いいところが何もない。髪は白髪が混じっているが、幸いハゲにはならず、そこだけは完全に安心していた。しかし私の抜け毛は、確実に進行していたのだ。
この世の終わり――。私は目の前が暗くなった。
17日(土)午前2時すぎまで、スマホで投稿画像を見る。ダメだ、こんなのを見ていたら、また眠れなくなってしまう。いまの時間なら温泉も空いていると思ったが、もう部屋を出る気力はなかった。
軽くシャワーを浴び、3時に就寝した。

「スーパーホテルCity熊本」の朝食は、バイキング形式で、無料だった。ホテル代が3,980円だから、これはかなりおトクである。
焼きサバやソーセージのほかに熊本名物「太平燕(タイピーエン)」もあり、すべてのおかずが上品な味で、うまかった。
大いに満足して、熊本駅に向かう。きょうの予定は、長崎県・大村線の某駅前にある喫茶店で、マスターのサイキックマジックを拝見することである。この店は完全予約制で、飛び入りはできない。私も夕方5時に、予約を取ってある。
以前もチラッと書いたが、私がこの喫茶店に初めて訪れたのは1999年12月18日(土)である。サラリーマン時代、営業先の社長から「こんなおもしろい喫茶店がある」と聞かされたのが、1996年だか97年だった。
その喫茶店のマスターが大した人物で、喫茶店を訪れた客に「余興」という形でさまざまなマジックを披露するのだが、それがマジックの域を越えた、凄まじいものだという。
いわく、客のフルネームを当てる、両親の名前を当てる、生年月日を当てる…などなど。「○○さん、いらっしゃいませ」とかマスターがふつうに言うので、初めての客は仰天するという。
俄かには信じがたいが、そんな喫茶店があるなら一度行ってみたいものだと考え、それが実現したのが、1999年12月18日だったというわけだ。
その日私は某駅に降り、駅前の右手にある喫茶店に入った。店の名前は聞いたのだが忘れてしまい、適当な喫茶店に入ったのだ。しかしここがサイキック喫茶店には見えず、私は軽食を摂ると、店の女主人に「実は…」と聞いた。すると女主人は、「それはバスターミナルの向かいにあるよ」と教えてくれた。
とんだ回り道だったようだ。ただこのロスタイムが、私のその後の人生を微妙に変えることになる。
喫茶店は2階にあったが、その前に、マスターのご両親が経営している1階のお菓子屋で「整理券」をもらう必要がある。
しかしお父さんは、今回のショーは満員になったので、夜7時の回に参加してほしい、という。いま、時刻は午後3時半である。3時間半待ち――。けっこうな時間だが、私はマジックショーを見に来たのだ。承服するしかない。近辺にこれといった観光地もないので、私は沿線を散歩し、ひたすら時間をつぶしたのだった。
満を持して、7時に喫茶店に入った。しかしほかに客はいない。私はコーヒーを頼む。ここで本当にマジックショーが行われるのか? 疑念が生じる。男性客が2人来た。カレーとコーヒーを頼んだようだ。彼らもショーを見に来たのだろうか。
東京の社長の話では、この喫茶店はたいへんな人気で、かつては店の前に、朝6時から長蛇の列が出来ていたという。しかしいま、店内は3人である。あまりにも人が少なくないか?
8時半を過ぎた。まだマジックショーはやらないのか。今夜は9時から、テレビ朝日系で「混浴露天風呂連続殺人」がある。いまからなら、まだ間に合う。店を出て、宿に入っちゃおうか。
と思った時、マスターがカウンター越しに現れた。丹波哲郎の息子、丹波義隆に似ていた。そして待望のマジックショーが始まったのだが、その展開は、私の想像をはるかに越えたものだった。いま目の前で起こっていることが、信じられなかった。何か、別の世界に迷い込んだような、不思議な感覚に捉われた。
客が3人しかいないという「贅沢感」も、その衝撃を増幅させた。もし私が1回前のショーを観戦していたら、30人の中で見ることになり、それほど有難味も感じなかったかもしれない。
私はこの喫茶店が大いに気に入った。それから私は、12月の第3土曜日は毎年、この喫茶店にお邪魔しようと決めたのだった。

熊本からは、熊本港からフェリーに乗り、長崎県の島原半島に出る。「SUN Qパス」は、一部の船も利用可能なのだ。そこからバスを乗り継ぎ、目標の最寄り駅まで行くつもりである。
2日をかけて長崎に行くのだったら、最初から長崎空港に降りればよかったじゃないか、という人もいるだろうが、こうやって時間をかけて、じっくり高揚感を高めていくのがいいのである。
駅のみどりの窓口で、フェリーの時刻を確認する。いまからなら11時00分発があるようだ。
バスターミナルに出るが、熊本港行きのバスは、9時06分が出てしまった。「旅では午前中の時間を有効に使うこと」は、トレック石垣島ユースホステルのオバチャンの訓話だが、どうも朝はのんびりしてしまう。次のバスは10時22分である。もう少し早い便を利用するべきだったと思う。
駅のまん前に、「森都心プラザ」なるものが完成していた。とりあえず中に入り、学生の後をついていくと、3階が図書館になっていた。
また図書館かと思うが、まあいい。ためしに将棋コーナーを探すと、あった。中野英伴氏の「棋神」が立てかけられているが、これは珍しい。これは棋書も充実しているだろうとフンだら案の定で、ここ5年以内に発行されたと思しき棋書が、書棚にビッシリ収められていた。数えてみると、110冊もある。
これは将棋ファンにとって、宝の山である。ここで半日楽しんじゃおうか、とも考えたが、私はそんなに将棋は好きではないのだった。
駅前に戻ると、10時25分の港行きシャトルバスが来たので、こちらに乗る。10時45分、港着。
熊本港では、11時00分発のフェリーは九商フェリーで、「SUN Qパス」の使用は不可だった。だが11時10分発の超高速フェリーは、熊本フェリーの運航で乗車可とのこと。で、こちらに乗った。
船内では、四ツ葉のクローバーの、ネームプレートキーホルダーが売られていた。とりあえず「Minami」を探したら、あった。ほかに「Hiroe」「……」「……」も探したが、ない。「Minami」だけ購入する。
11時40分、高速フェリーは島原外港に着いた。
ここから、島原半島の付け根である諫早に向かう。ルートは、島の左回り、右回り、山越え、の3つがあるが、私は山越えルートを選ぶ。雲仙温泉で一浴、と考えていたからだ。
次の雲仙経由諫早行きは、12時26分。しかしその次のバスは14時56分である。このバスの諫早到着が16時52分。これでは温泉に入る余裕などない。島原半島は、私のイメージより、はるかに大きいのだった。
12時26分、数人の客を乗せて、バスは発車した。バスはくねくねと山道を登る。鉄道でこの急勾配を登ることは不可能で、これはバスに軍配が上がる。私は、運転手のドライブテクニックを堪能した。
雲仙温泉着。ここですべての客が降り、私ひとりだけになった。鉄道ならともかく、バスに乗りながら諫早まで乗り通す客も珍しいと思うが、私の目的はその先の先にあるのだから、しょうがない。
雲仙温泉の湯けむりを瞥見して、14時28分、島鉄バスは諫早バスターミナルに到着した。
ここからは長崎県営バスの運転になるが、某駅までの直通バスがない。というより、路線が通じていないようだ。窓口のお嬢さんに聞くと、鉄道を利用してください、とのこと。まあ、そうであろう。
私はとりあえず14時50分発の大村方面行きに乗る。大村駅前、15時23分着。
もうこんな時間になってしまった。ここからは、JRのお世話になるしかない。
私は450円の切符を買う。15時45分発の快速シーサイドライナーに乗った。16時15分、川棚着。ここが、私が毎年訪れている、サイキック喫茶店の最寄り駅である。
(つづく)
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冬の九州旅行3・ビバ!リンガーハット

2011-12-20 00:20:08 | 旅行記・九州編
水俣行きのバスも乗客が少ない。先に、山野線の代替バスは満員だった、と書いたが、あれから20年以上も経ったいまでは、ふつうのローカルバスに転落している。
新水俣駅に着く。ここは九州新幹線の接続駅だが、熊本方面へは、水俣駅とどちらが近いのだろう。たしか水俣駅のほうが近かったはずだが…というわずかな記憶を頼りに、そのまま乗り過ごす。
16時55分、水俣駅前で下車。駅中にあるバス路線図と時刻を確認すると、なんと新水俣のほうが、熊本に近かった。しかも水俣からでは、乗り継ぎバスの接続がわるい。しまった…と思う。新水俣で下車しておけば、熊本方面行きのバスに接続できたのに、と思う。
次の熊本方面は17時40分発の八代(やつしろ)行きである。ちょっと早いが、この待ち時間を利用して、夕食にする。
駅前の割烹料理屋に入り、600円の天丼を食す。値段が安いのはありがたかったが、丼つゆが妙に薄かった。あれなら「てんや」の方が…。いや、言うまい。
定刻より2分遅れて、八代市役所行きのバスに乗る。乗客は私ひとりだ。いや、もうひとりいただろうか。水俣から八代へ行くには肥薩おれんじ鉄道(旧鹿児島本線)が便利だが、それにしたって、もう少し乗客がいてもいいのではないか?
しかしいつも思うのだが、路線バスで私ひとりになると、とても贅沢な気持ちになる。なにしろ、大型バスが私だけのために走ってくれているのだ。
「下里」という停留所がある。これをテープの案内が「さがり」と読んだのでズッコケた。沖縄県宮古島なら「しもざと」だ。「白鳥」という停留所がある。これは「しらど」と読んだ。日本語はまことにむずかしい。
ヒマつぶしにスマホを見ていたら、酔ってしまった。私はうつらうつらした。
19時25分、八代駅前に着く。乗り放題のパスがあるから熊本までバスで行きたいが、路線バスが通じていない。私は太川陽介ではないので、無理と分かれば躊躇なく鉄道を利用する。17時32分発の熊本行きがあったので、これに乗る。しかし720円の出費は痛かった。
20時10分、熊本着。天文館で一夜を明かしたネットカフェと同じ店が、熊本にもある。私はとりあえず、市役所方面のバスに乗った。
熊本バスセンターで下車し、下通アーケード街へ向かう。ここはさまざまな飲食店があって、いつも多くの人で賑わっている。旅に出ると、こうした賑わいが妙になつかしく思えて、用もないのにブラブラする。観光ばかりが旅行ではない。これも立派な旅行だと信じる。
例のネットカフェがないので、アーケード街を出て、たまたま目についた「自遊空間」に入る。ここのメンバーズカードは作っていないので、作る。また1枚、ネットカフェのカードができた。
ここでブログの続きを書き、アーケード街へ戻る。長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」がある。2、3年前にもこの店に入ったことがあり、そのときはキャンペーンで、ちゃんぽんが390円だった。いまは500円に戻っているが、それでも廉価である。
本日2度目の夕食になるが、構わず入る。8月19日以降の食欲減退から見ると、恐るべき回復ぶりだが、食事を摂れるのはいいことである。
カウンターに座り、皿うどん(520円)を頼む。皿うどんは、東京では炒めたうどんを皿に盛るものを云う。しかし九州の皿うどんは、細麺を揚げてある。東京ではカタイ焼きそば、あるいは揚げやきそばと云う。
近くに座っているオッサンは、ちゃんぽんが目の前にあるのに、スマホの操作に忙しい。食事をするよりもやりたいことって、なんなのだろう。
皿うどんが来た。これがものすごい量である。まさか大盛と間違えたわけではあるまいが、リンガーハット、毎回こんな量で出しているのか?
一口食べる。うまい!! 量といい味といい、申し分ない。すき家天文館にも見習ってほしいところだ。
すっかり気分がよくなって、私は魚屋町にある「スーパーホテルCity熊本」に旅装を解く。スーパーホテルは全国にチェーン展開していおり、ここ熊本も、以前利用したことがある。スタッフの応対がきびきびしていて、何度も泊まりたいホテルである。
ここは1階にパソコンが備え付けられてあり、宿泊者は無料で使える。本当にありがたいことで、喜んで使わせていただく。11時40分すぎまでキーボードを叩き、部屋に戻る。そしてこのホテルのもうひとつの名物である、温泉に入りに行った。
しかし温泉は満員だった。洗い場5席がふさがっており、湯船にも順番を待っている?人がいる。さらにこれから温泉に入る人もいる。金曜日とはいえ平日なのに、たいへんな人気だ。私は温泉を諦め、部屋に戻った。
何となく、またスマホを見る。有料ビデオを見る手もあるが、1,000円の出費は痛すぎて、利用する気はしない。
しかしスマホというか、ケータイは魔物だと思う。私がケータイを持っても、電話やメールをする相手はいないから、宝の持ち腐れになると考えていた。それはある意味当たっていて、電話やメールはほとんど利用しないが、インターネットであっちこっちを観るようになってしまった。
いまはホテル内だからいいが、こんなのを外出中にも平気でやるようになったら、私もオワリである。
この部屋には、ライティングデスクの前に、大鏡がある。あまり自分の顔は見たくないが、まじまじと見る。相変わらずシケた面だな。……。あれ…? ああっ!? ああああーーーっっ!! 私はたいへんな物を発見し、心の中で絶叫した。
(つづく)
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冬の九州旅行2・廃線駅2つ

2011-12-19 21:26:48 | 旅行記・北海道編
目の前のパソコンからGooにログインができなくても、スマホがあれば更新はできるじゃないか、と考える人もいるだろう。しかしスマホでの文字入力はすこぶる面倒である。タッチパネルが小さいから打ち間違いが多いし、文章の全体も見えないので、推敲がしづらい。2,000字にもおよぶ文章をチマチマ書いていたら、それだけで夜が明けてしまう。
私はとりあえずシャワーを浴びたあと、再びログインを試みるが、やっぱりダメだ。もう諦めて眠るしかないが、最近ハマっている投稿動画でエロビデオを観始めたら、目がさえて眠れなくなってしまった。
時は16日(金)午前3時である。さすがに寝なくちゃヤバイだろう、と横になるが、床下がブー…と微妙に振動しており、内臓にジンジン響く。
寝るのを諦めて、また動画を観る。5時半になった。ダメもとでログインしてみる。入った! これでブログが書ける…。私はキーボードを叩く。心臓がバクバクいっているが、大丈夫だろうか。しかし、こんなにまでして書くブログに、何の意味があるのだろうと思う。
7時すぎ、ようやくきょうの分をアップする。これで一安心だ。1時間ほど経ち、店を出ることにする。と、フロント前のエレベーターで、ブーッ、と音がした。別の客が背負っている大きなバッグから発せられたものだ。
フロント氏が客を呼びとめる。バッグの中にはマンガが入っているのであろう。あの男、やりやがったな…。

さてきょうの予定は、熊本まで行くことである。鹿児島-熊本のルートは、1.九州新幹線を利用する。2.鹿児島本線と肥薩おれんじ鉄道を利用する。3.鹿児島本線と肥薩線を利用する。4.鹿児島県の内陸部をバスで縦断する。などがある。
まず、1の新幹線は味気ないので却下。2と3も、もう何回も利用しているので却下。考えていたのは3のプランに「くま川鉄道・おとがめ幸福駅に挨拶する」を加えたものだが、それだと5時38分に鹿児島中央を出なければならず、これも見送りとせざるを得ない。
必然的に、4のバスを選択する。これで旧宮之城駅へ行こうと思う。宮之城は、昭和62年に廃止になった旧宮之城線の主要駅で、いつか訪れたいと思っていた。今年のゴールデン・ウイークも目論んだが、バスの時間が合わず断念していた。
鹿児島中央駅に着き、バス停で時間を確認すると、9時34分発があった。九州内で使用するきっぷをどれにするか迷っていたが、バス利用となれば、「SUN Qパス」がよい。九州内のほとんどのバスに乗車できるスグレモノで、3日間タイプで10,000円、4日間タイプで14,000円である。
駅前のバスターミナルに寄り、3日用のパスを買う。今回の旅行で、どのくらいこのパスを使いこなせるかがカギとなる。
駅前で朝食用の弁当を買い、宮之城行きの7番のりばへ向かう。と、数十人ものファッショナブルな女性が、ズラーッとバス待ちをしていた。これは何だ!? 数えてみると34人もいる。同じ7番のりばには女子高行きのバスもあったが、その生徒だろうか。きょうは平日である。
しかし、彼女らが女子高生とは思われない。あまりにも大人びている。と、彼女らは次に来たバスに乗って、行ってしまった。彼女たちは何者だったのだろう。
宮之城行きのJRバスが来る。乗客は数人である。バスにしろローカル線にしろ、未乗の区間に乗るのはワクワクする。車内で朝食を摂り、眠たいが、せいぜい目をこらして、両の景色を満喫する。
11時06分、定刻より1分早く、バスは宮之城駅に着いた。ずいぶん立派な駅舎が遺っているが、あれは現役当時のものだろうか。
駅の裏手にある、郵便局に入る。
「ここの郵便局のハンコを押してください」
「あああ、なるほど」
の会話。宮之城郵便局、1,216円。年末の旅行貯金は、金額が高い。ちなみに年始の1月4日がいちばん安く、104円で済む。
宮之城駅に戻って、廃線跡の痕跡を探すが、駅名標とレールが申し訳程度に遺されているのみだ。しかし…宮之城は終着駅だったと思うが、ちょっと位置関係がヘンだ。怪訝に思い、観光案内所のオバチャンに話を聞くと、前を走っている国道が線路だったという。おおそうなのか! これが廃線跡かと思うと、ただの国道も味わい深くなってきた。
オバチャンの話からさらに、宮之城は、鹿児島本線川内(せんだい)-旧山野線薩摩大口の中間駅だったことが分かった。私は九州の廃線データには疎く、所詮この程度の知識である。しかし私は、当然それは知っています、という顔で聞く。現宮之城駅舎も、廃止後に建て替えられたものだという。
オバチャンも宮之城線の利用者で、現役時代の話を興味深く拝聴した。
12時36分発の南国バスで、大口に向かう。鹿児島中央駅での調べでは、大口からは熊本県・水俣行きのバスがうまく接続しており、温泉に一浴する余裕もあった。しかし12時36分? そうだったかな、と思う。
バスはマイクロバスで、20人乗りだった。乗客もふたりか3人で、これでは宮之城線廃止もやむを得ないと思う。
13時40分、大口バスターミナルに着く。私が大口を訪れるのは2度目。薩摩大口駅は山野線の代表駅で、昭和63年廃線時の代替バスでは、1台のバスでは乗り切れないほどの乗客があったという。
すぐ次の乗り継ぎを確認する。と、10数分前に水俣行きのバスが出ており、次は15時57分である。そうなのか!? そんなに待ち時間があったか?
よく分からないが、まあいい。まずは遅い昼食である。薩摩大口駅の跡地に立派なコミュニティーセンターが建ち、その中に軽食喫茶がある。そこで昼食を摂った。
腹もくちたが、まだ待ち時間はある。2階では、地元の人による美術展が催されていた。もちろん無料で、旅先ではこうしたパターンがままある。
絵画を鑑賞し終えると、オバチャンに記名を促される。住所に「東京」と書くと大抵驚かれるが、今回もそうだ。旅行の目的を聞かれ、「毎年長崎を訪れることにしてまして…」と言うと、不審そうだった。「長崎県の喫茶店でマジックショーを観るため」とか加えたら、よけい話がややこしくなるので、以下を略しておく。
このオバチャンも山野線の愛用者だったという。目の前の道路が線路跡で、その近くに、通っていた高校があると言った。宮之城線と同じパターンで、こちらも道路に転用されていた。廃線跡の活用法はいろいろあるが、捨て置かれて草ボウボウになるよりいいのだろう。
どこか温泉にでも入りたいが、付近にその類の施設はないらしい。私は表に出るが、なんと雨が降ってきた。私は雨男だから、これは織り込み済みである。どこか喫茶店に入りたいが、めぼしいところがない。
? 雨が雪に変わってきた。冬とはいえ、ここは鹿児島だぞ、まったく。
私はまたもコミュニティーセンターに戻る。2階に図書館があったので、そこで時間をつぶす。板谷進八段著の「駒落ち戦法」(筑摩書房)があったので、読む。なんで旅に出てまで将棋なのだ。
しかし中を見るとおもしろく、角落ちの指し方が参考になった。次に大野八一雄七段に教えてもらうときは、この指し方を拝借しよう。
大口バスターミナルに戻る、待合室で時刻表を見ると、「平成23年11月1日改正」とあった。チッ、これでは最新の時刻表にも記載されてないわけだ。まったく、間がわるかった。
15時57分、私は水俣行きのバスに乗った。
(つづく)
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冬の九州旅行1・美人スッチーがいた

2011-12-18 00:14:35 | 旅行記・九州編
15日(木)夕方から、冬恒例の九州旅行に出かけた。今回の主目的も、長崎県の某喫茶店で元気をもらうこと。そのついでに、いろいろ観光もしようというハラである。
行きはANA629便・羽田18時40分発の鹿児島行き。45日前まで予約の「スーパー旅割」を使い、9,970円。私は鉄道旅行が好きだが、遠距離の上にこれだけ低価格になると、飛行機に軍配を上げざるを得ない。
定刻に搭乗する。席は「26K」。右端の席だ。乗客は四分の入り。これでは完全に赤字だろう。夏の沖縄旅行最終日が「超満席」で、キャンセル待ちチケットを得るのに丸一日かかったが、あの混雑がウソのようだ。まったくあの日は、人生で2番目にひどい一日だった。
さて飛行機に乗る楽しみのひとつが、スッチー(キャビンアテンダント)を鑑賞することだ。きょうの搭乗は6人…はいた。私のいるスペースの担当は、中村真梨花女流二段似のスッチーだった。
飲み物を提供する時間になる。一時期、大手航空会社は飲み物の提供を全種類有料にした。が、現在は水、お茶、ジュースを無料にしている。有料だと飲まない乗客が多くなり、水分不足に陥る危険があるからだろう。経費をケチって体調不良者を出しては、元も子もない。
ひとりのスッチーが、うしろからカートを引いてきた。中倉彰子女流初段似の美人だ。でも彰子女流初段のほうが、はるかに綺麗である。
私はリンゴジュースを頼む。カップを持つスッチーの指と、私の指が触れた。こんなことでもない限り、私は女性と触れ合う機会がない。
反対側のスッチーを見る。あああっ!! すごい美人だ!! 女優の黒坂真美と将棋の中村桃子女流1級を足して2で割ったような顔だ。ほかにも誰か入っていそうな気がするが、よく分からない。スッチーには珍しい、ショートボブの髪型がよく似合っていた。
しかし桃子女流1級、なんで結婚しちゃったんだろう。もう少し私たちに、淡い希望を抱かせてほしかった。
私のイヤホンからは、Perfumeの歌が流れてきている。聴き終わった後、チャンネルを替えてみる。ポール・モーリア・グランドオーケストラ演奏の「恋は水色(Love is Blue)」が流れていた。そのメロディーに、ちょっと気が滅入る。少なくとも、旅の始めに聴く曲ではない。
今度は雅夢の「愛はかげろう」が流れてくる。これも切ない歌詞だ。ちょっと、勘弁してほしい。もうこうなったら、中井広恵女流六段のカラオケパーティーで、これを歌っちゃおうか。
またチャンネルを替えると、広瀬香美が流れてきた。冬はやっぱり広瀬香美である。
定刻より数分遅れて、ボーイング767は、鹿児島空港に静かに滑り込んだ。ANAの操縦士は、いつも静かに着陸する。地味ながら、大いに感心するところである。
鹿児島空港からは、市内までバス利用。鹿児島でバスといえば、地元の人なら「いわさきバスカード」を使う。もちろん私も持っている。鹿児島県内のほとんどのバスに乗車でき、1,000円のチャージで1,100円分を使える。しかも鹿児島空港-鹿児島市内間でこのカードを使うとさらに100円割引で、1,100円になるのだ。つまり実質1,000円で済むということだ。これは覚えておきたい手筋である。
今回は空港前の自動券売機でチケットを買ったのだが、バス内で現金のチャージができるというので、買った切符を現金に戻すため、バスを1本遅らせた。それで200円安くなるのなら、このくらいのロスタイムはなんでもない。
22時30分すぎ、天文館バス停に着く。まずは遅い夕食だ。旅先での定番である、牛丼屋に入る。
天文館は「すき家」である。現在キャンペーン中で、並盛が250円。これを頼んだのだが、出てきた牛丼の肉が少なくて、悲しくなった。載っている肉もクズ肉のようで、玉ネギばかりが目立っている。なんだか、ナベの底から最後の肉をすくったような感じだ。
これは「すき家天文館」、ヘタをやった。
腹が立ったまま、近くのネットカフェに入る。例によって今回も、私は宿の手配をしていない。ここで翌日以降の宿を決めておかないとまずい。それとブログの更新もある。16日と17日アップ分は過去の将棋絡みの記事だから、書き溜めしておけばよかったのだが、その気力がなかった。
フラットスペースに入って、パソコンを立ち上げる。「goo」を開いて、ログインする。しかし再び「ログイン」の指示が出る。なんだこれは。何度かそれをやったが埒が明かず、私はブースを変えてもらった。
しかしそれでもログインできない。サーバの調子がおかしいんじゃないのか。私はスタッフを呼び、苦情を言う。そこでスタッフがログインすると、今度は入った。どうも不愉快だ。
ところがしばらくした後、別のウィンドウを消したら、gooの画面まで消えてしまった。
また私はログインを試みるが、もうダメである。
これじゃ15日深夜、つまり16日分のアップができない。私は呆然とした。
(つづく)

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3人のジョナ研・高島弘光になれなかった男

2011-12-17 00:08:43 | ジョナ研
9日(金)は、今年最後の「ジョナ研」があった。事前のリサーチでは、今回の参加は3人。Kun氏、Is氏と私である。やはり師走なので、みんな忙しいようだ。Is氏もギリギリの参加表明で、彼がいなかったら、またKun氏との「2人ジョナ研」になるところだった。まあそれでもいいのだが、このふたりだと、出る話題にいささか偏りがあるので、できれば避けたい。Is氏の参加はまことにタイムリーだった。
9日は午後7時15分ごろに入ると、すでにIs氏がいたが、もう食事は終えていた。
私はキャンペーンメニューを頼み、Is氏と雑談。Is氏とのサシは2月14日(月)、LPSA芝浦サロンの帰りにサイゼリヤで話して以来だ。余談だが、あの日私は喜怒哀楽が入り混じった、複雑な一日を送った。いやいまとなっては、苦い一日だったと結論するしかなく、思い出したくない。
現在に戻る。Is氏とは社団戦の話を中心に、カタイ話となった。できれば避けて通りたいが、いずれは俎上に乗るテーマである。私は本音を言い、Is氏も独自の見解を述べた。
その合間に、Ayakoさんが料理を持ってきてくれる。Ayakoさん、ほおのあたりがすっきりして、ずいぶん綺麗になった。しかし機嫌がわるそうだ。それをIs氏は、「ボクたちが深刻な表情で話していたからじゃないか?」と言ったが、まさかAyakoさん、オトコができたんじゃあるまいな!? Ayakoさんに彼氏はいないとのW氏情報があったが、そんなものアテになるか。一公さんの絡みつく視線がキモい…などと、いまごろ嫌悪感を抱いているかもしれない。
8時を過ぎたが、まだKun氏は現れない。このままIs氏とのツーショットが続くのか?と危惧したら、そこへKun氏が現れた。
Kun氏がビールとつまみを頼み、しばらくして布盤と駒が出された。先月のLPSAジャンジャンマンデーで中井広恵女流六段に勝って大いに気をよくしているKun氏、きょうも静かに熱い。
きのうIs氏はLPSA芝浦サロンに行ったそうで、中倉宏美女流二段に教わってきたという。その将棋を並べてもらったが、ぶっちゃけて言えば、「宏美先生、う~ん」という感じだった。
宏美女流二段、将棋に「余裕」がない気がする。目先の勝利ばかりに気を取られて、将棋の本質を見失っているような気がする。もっとご自分の性格のように、おおらかな将棋を指すよう心掛けたらいいと思う。
続けて、中井広恵女流六段との将棋が並べられる。Is氏の三間飛車に、中井女流六段の一目散穴熊。Is氏もよく戦い、中盤で互角以上の戦いになった。その忙しい最中、▲3八金と締め、ハナレ駒をなくしたのがいい手に見えた。私は思わず
「味がいいねえ」
とうなる。
しかしどこかで見た将棋だと思ったらそれも道理で、本局は先月の将棋合宿で指したもので、私が隣で見ていたという。しかもIs氏が▲3八金と指したとき、やはり私は「いい手だねえ」と褒めたという。ハハ、ときが経っても、将棋の見方は変わらないのだなと思ったものだった。
本譜も、Is氏がそのまま押し切った。実力者のIs氏、これは本領を発揮した。
ヒトの将棋ばかり見てもおもしろくないので、実戦に入る。誰と誰が指してもいいのだが、席の配置の関係で、まず私とIs氏が指すことになった。Is氏はもちろんだが、私のジョナ研での実戦は久しぶり。妙に緊張した。
振り駒の結果、私の後手。相矢倉となった。私が端攻めを狙ったが、Is氏の攻めのほうが一手早く、私が守勢に回った。これは矢倉の宿命で、やむを得ない。
Is氏、銀損を覚悟で端を攻めたが、これが好判断だった。ただIs氏は必ずしも成功したとは思っておらず、局面を悲観したようだ。これが本局の帰趨を微妙に左右することになる。
▲7五歩△8五銀というお手伝いが入って、私が若干有利になった。以下強気の攻めを続け、双方の気持ちの差で、形勢が開いた。
終盤、私は敵銀を取り△7七歩成。是非ない▲同玉に△7六歩と叩いた。しかしこれが疑問手。▲8八玉と下がられて寄りがない。
ここで私はどう指したか。

私は屈辱の思いで、△7七歩成とした。途端に、「オオーッ!!」と、Kun氏が奇声を上げる。続けて、
「高島弘光は、いったん打った歩を成り捨てることはできないと言いましたが、大沢さんは高島さんにはなれませんでしたか」
と言った。
▲同玉以外は詰みだからIs氏は再び▲同玉だが、私は△7六香と打ち換える。今度▲8八玉なら、△7九銀▲9八玉△6八竜で詰む。このとき△7九銀と打てるのが、△7六香の効果だ。けっきょく最初の△7七歩成のときに、先手玉は詰んでいたのである。△7六香にIs氏は▲同金としたが、△同銀以下綺麗に詰んだ。
しかしKun氏が言うように、いったん打った歩を成り捨てるなんて、ジョナ研会員として恥ずべき行為だ。これは勝ってもうれしくなかった。
続いてKun氏とIs氏の一戦。Kun氏の石田流三間飛車にIs氏が落ち着いて対抗し、コクのある戦いになった。とても軽口を挟める雰囲気ではなく、私は黙って見ていた。
終盤、Kun氏が決め損なって、ややヨリが戻ったか、というところで時間は午後11時5分。Kun氏の帰宅時間となり、それならと、これでお開きになった。
今回は異色の顔合わせだったが、どんな組み合わせでも、楽しい会話になるものである。そこに将棋があるからだ。
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