
本CD3枚セットは、あまりにも安いのでゲットした。
PHIL SPECTORと言えば、オーバーダブを多用する、Wall of Sound(音の壁)で有名だが、その元祖の音源がこのCD3枚組に濃縮されている。
こんな昔からやってたんだ!
PHIL SPECTORについては、変人中の変人で、結局、まだたぶん殺人犯として、刑務所の中だと思うが、本CDを聞くと、まだビートルズが世に出る前から、単に、演奏を録音したものを、世に出すという方法から、大きく踏み出したアレンジをしていたことがわかる。
ビートルズからお呼びがかかるずっと前から、アメリカで、No1ヒットを飛ばしていた。
そして、あの Let It Be プロジェクトで、ビートルズのプロデューサーになり、その後
も、JLや、GHのアルバムをアレンジした。スコセッシュの、GHの映画にも、出てきた。
PHILの付け加えた音を剥がした Let It Be Nakedも世の中に出ているが、どちらもそれなりにいい。
先日取り上げた、WINGSの1976年のツアーでも、Long and Winding Road は、オーケストラこそつけなかったものの、ブラスセッションを加え、どちらかというと、PHILの音に近いアレンジになっていた。
やっぱり、PHILは、音の魔術師で、編集機器が高度化した中でも、アレンジ手法は、PHILの生み出した手法の延長線上にあるといっていいのだろう。
そこから、脱しようとしたのが、Let It Be プロジェクトだったのかもしれないが、皮肉なことに、最後PHILの手を借りなけらば、プロジェクトは、完結できなかった。
それにしても、このジャケット。
不敵な面構え!