かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

地図で読む松本清張

2021年05月06日 | Books
GW明けの通勤電車。
GW前と全く変わらない。
緊急事態宣言、どうするのだろうか。
このままだと、減少はしないが、より強い策と言っても、妙案が浮かばない。
このままだらだら行くのか。



本書は、本屋で、見つけた。
もう2刷になっているから、結構売れているのかもしれない。
出版は、地図の大手、帝国出版さん。
さすが、プロで、充実の内容だった。

有名な小説11作品を中止に、ストーリーと、小説に出てくる土地の説明、その土地の当時の様子の解説など、ひじょうにうまくまとめてある。
そして、カラー地図と、当時の白黒写真が掲載されており、清張さんが、見ていた世界を思い浮かべることができる。
特に、当時の様子の再現は、面白い。
ちょうど私が、生まれたちょと前の題材が多いのだが、まだまだ敗戦の色が残って、貧しかった日本の様子が描かれる。
当時の都電地図なども載っていて、私が、東京に行きだした頃にはもうなくなっていた。
仙台には、まだ市電が走っていたが、目の前で、消えていった。

それにしても、清張さん、日本全国(時には海外も)くまなく取材し、時代背景を軸に、登場人物とその舞台を設定、見事な小説を多く出したのはすごい。
その多くが映画化され、それも、清張人気を盛り上げる力になった。
これからも、読まれ続けるに違いない。

その後に、昭和32年の帝国書院さんのカラー日本地図が、ついているが、私の住んでいる町は、昭和40年代の開発だから、当然、山の中。
清張さんの伝記と、日本、世界で起こった事件を対比させる年表も付いているが、清張さんが、いかに世の中の動きを見ながら、小説を制作していたかがわかる。
朝日新聞に務めていた影響もあるだろう。
それにしても、遅咲きながら、よくもまぁこれだけの作品群を残されたものだ。
古代史についての著作が多いのも、好きな理由の一つ。

清張ファンには、絶対お勧めできる1冊だ。
コメント
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