久しぶりに お芝居を観に行った。
京都芸術劇場 春秋座にて
井上ひさしの名作戯曲 「藪原検校」。
江戸時代の中頃、東北・塩釜に生まれた盲目の杉の市が
悪と殺しと欲にまみれて
栄華への道を昇り詰めていく話だ。
演出は 京都造形芸術大学(旧名)出身の30代、
杉原邦生氏で、主演の杉の市役を市川猿之助。
松雪泰子・三宅健・川平慈英・・キャストも素晴らしくて
3時間弱の公演だったけど
舞台に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎた。
なぜか、ものすごく心をつかまれて
今まで観た、現代演劇のなかでは 私のなかで最高のものだった。
猿之助さんをはじめ、役者の方々の演技技術や
杉原さんの演出や 音楽・美術・照明など
すべての調和の賜物だと思う。
でも、すごいのは 井上ひさし氏の才能と
しっかりした演劇観、戯曲の秀逸さ。
根本がすごいのだと思った。
演出家の杉原氏が、井上戯曲を読んだ際に、
歌舞伎を含む、東西の優れた古典戯曲に向き合ったような
強いエネルギーを感じた、とおっしゃっていた。
私も、今回初めて井上ひさし作品を観て
口で言い表せないような ものすごーく「深いもの」を
感じた。
演出家の杉原邦生さんも これから楽しみな方!
「藪原検校」の戯曲を本で読んでみようと思うし、
井上戯曲の演劇を また機会あれば観てみたい。