林真理子 著「奇跡」読了。
梨園の若奥様と 世界的芸術家との恋愛物語。
女性の方には家庭があり、ましてや歌舞伎の名家なので
夫との間の一人息子は 家の芸を継承するべき御曹司なのだ。
驚くことに、実話を元にしているそうだ。
読みやすくてスラスラ読めた。
さて。
昨年、銀行を退職して舞鶴に戻ってきていた長女が
中国へ旅立って行った。
旅行ではなく、就職。
中国に住み、中国で働く。
こんな時期に 何故中国へ!!??と皆さん大変驚かれる。
大丈夫!!??と 心配してくださる。
何故中国なのか 私にもわからないが
銀行に勤め始めたころから ずっと中国で働くことを夢見て
勉強を続けていた彼女。
遠回りして、やっと念願の中国での生活を始めるチャンスをつかんだ。
20代半ばになれば 自然に誰かと結婚するだろう・・・と
漠然と思っていた私に反して 結婚の縁は全くなし。
優良企業の銀行を辞めると言い出したときには
福利厚生の素晴らしさと給与の良さを懇々と説得し、
「辞めるのは勿体ない、どうかよく考えて」と
どれほど止めたかわからない。
最後に止めたとき、彼女は
「今の若さと時間を銀行につぎ込むほうが 勿体ない」と
ぽつんと言った。
これには 言葉が出なかった。
私も諦めた。
18歳で信州大学へ入学してから
卒業後は 銀行の寮に入り、この10年間、実家で暮らしたことのない長女。
大人になった娘と 再び一緒に生活を始めると
いろいろと葛藤もあった。
でも、たくさんのことを話し、いろんなところへ行き
濃密な一年間を過ごしたと思う。
親元って 子が羽を休めるところなんだなと思った。
じゅうぶん休んで 舞鶴を出発する彼女は
こちらの心配はよそに ニコニコ笑顔で
颯爽と行ってしまった。
結婚・出産だけが幸せではない、、と思いながら
何が幸せかわからないと思いながら
どうか 良い御縁がありますように。。と願ってやまない。
中国での生活で関わる人々が 良い人ばかりでありますように。
自分の能力が 充分に発揮できて人の役に立てますように。
母は祈るのみだ。