事例紹介コラムです。
まだまだ2ステージ制騒動は終わりません。Jリーグは17日に理事会を行い、来季のリーグ戦日程などを発表したそうです。J1・J2そしてJ3の各リーグ戦、ナビスコ杯、J1昇格プレーオフ、J2・J3入れ替え戦、スーパー杯の日程等が発表されました。また、'15年以降のポストシーズン制については、前後期の優勝チームと年間勝ち点2、3位の計4チームがSS(スーパーステージ)に進出。勝者が年間勝ち点1位とCS(チャンピオンシップ)で年間優勝を争う事も発表されました。
一見、2ステージ制・ポストシーズン制が正式に発表された、決定したように見えますが、実は9月17日にも一度理事会で正式に決議され、その後ひっくり返されて白紙表明しているので、今回の正式決議もどこまでのものなのかと思っています。Jリーグの会議関係がてんやわんやしてきたので、ちょっと以下のように、今までの流れを整理させていただきました。
※写真は11/1使用画像
【12月17日:理事会】
「2ステージ制+ポストシーズン制」について正式決定。ポストシーズンが、全て中2~3日の強行日程として発表。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131216
【12月11日:総会およびJ1・J2合同実行委員会】
「2ステージ+ポストシーズン制」への移行案について、選手会からの意見も踏まえて、CS(チャンピオンシップ)を原案の一発勝負からホーム&アウェー方式に変更した内容で決定。
【11月19日:理事会】
「2ステージ制+ポストシーズン制」の導入を日本プロサッカー選手会と協議することを決定。前後各季優勝チームと、年間勝ち点2、3位が出場するスーパーステージ(SS)を実施。勝者が年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)で年間勝ち点1位と対戦する方式を選手会が承認すれば、12月の理事会で正式決定を確認。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131123
【11月13日:J1・J2合同実行委員会】
「2ステージ制+ポストシーズン制」の変更開催案を公表。各ステージ2位を排し、年間2位と3位を組み込む新案。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131115
【10月30日:意見交換会】
過去のJ1優勝クラブやACL出場経験のある12クラブの実行委員らが集まり、J1大会方式変更に関する意見交換会を開催。欠陥事項が発覚し、いわゆる「白紙撤回」をJリーグ側が表明。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131101
【10月7日:日本プロサッカー選手会と労使協議会】
2ステージ制復活とポストシーズン制導入について選手会側に説明した結果、「年間順位の尊重」と「フェアな大会方式」を答申されたが、承諾を得る。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131010
【9月17日:理事会】
2ステージ・プレーオフ制度が正式決定。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130918
【9月11日:J1、J2合同実行委員会】
ポストシーズン制を実施する方針を決議。
関連記事:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130913
通常は理事会というのは年に数回程度なのですが、Jリーグはこれだけを見る限りですが、理事会を2ケ月ごとに開催しています。しょっちゅうやってます。つまり、導入を決定するのも理事会だが、すぐに撤回するのも理事会という事。当ブログでは2ステージ制導入の最終期限は、来年7月と認識しています。なので、17日の正式決定もかなり怪しい。9月17日に正式決定されたものが10月30日に早くもひっくり返っているため。たぶん、マスコミはこの時「2ステージ制白紙撤回」と大きく報道していますが、17日の正式決定も「また白紙撤回になるだろ、何やってんだか。元のまんまでいいじゃねえか」と多くが思っているはずです。
Jリーグ公式HPに、12月18日付けの大東チェアマンの独占インタビューが掲載されました。読むと、今までの発言内容の繰り返しですが、その中でやはり詰めの甘さを感じる部分がありました。
Q:サポーターの反対意見は届いていないのか?
A:「方向性が定まっていない段階で世の中に問うことをすると、余計に混乱すると私は思っています」
→ 方向性が定まって世の中に問うとありますが、正式決定しているのではないでしょうか。これは大きな矛盾発言。
A:「まだ、最終的に決まっていないところもあるんですけど、あまりネガティブに考えず、大きな流れの中でやっていくべきだと思っています」
→ 最終的に決まっていないところがある。つまり、まだまだ内容的に正式決定されていない。今後も欠陥事項が出てくる可能性が大きいと。
Q:「先日、「2ステージ制白紙」という報道もあったと思いますが?」
A:「連絡会の中でリーグ戦の中の上位でポストシーズンをやるのはどうなんだ、という話が出たものだから、それを完全に否定するのはどうなのかと思ったので、『ゼロではない』と言ったまでです」
→ 欠陥が発覚した欠陥、中西本部長が「勇気をも持って、理事会に差し戻す」、チェアマンが「1ステージ制を採用する可能性もゼロではない」と言ったのをしっかり覚えています。
Q:「どこをクリアしたら成功と言えるのか教えて頂けますでしょうか?」
A:「そこはこれから目標値をつくっていかないといけないですね。例えば、平均入場者数や協賛金、放映権料など」
→ これは前回の記事で言う「成果の定義」であり、達成できなかったらお二人には責任論が噴き出すのは当たり前の事です。
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2013/12/18/post17452/
昨日、FOOT×BRAINで、J1広島でJPFA(選手会)会長も務めている佐藤選手が出ていました。そのいくつかの質問の中で、2013年Jリーグの大きな話題となった「Jリーグ2ステージ制移行」についてで、選手からサポーターに聞きたいことという質問に「サッカー・Jリーグに対する情熱、クラブに対する愛情は、ルールやステージ制が変わっただけで無くなるものですか?」と発言がありました。
これはちょっとズレた認識だと個人的に思います。情熱・愛情があるのは当たり前で、お互いみんなが良かれと思って起こしたアクションに対して、ファン・サポーター側が「問題がある制度と思うからやるべきでない」とはっきり意思表示している事。消費者リサーチとして、なぜファン・サポーターに意見を聞こうとしなかったのか、そこが問題だと主張しているのです。深い感情があるから強く主張しているのです。そこを選手側も汲み取って欲しいですね。
真の勝者を決められない制度、過密日程で選手の体を酷使する制度には、強く抗議する気概を持ってほしいと思いました。ただ、「人気が出ないのは、あなた達選手の責任もあるのでは」という殺し文句を最後に受ける事になるでしょうが。
よく優勝や昇格の可能性が0%になるまでは「絶対にあきらめない」というセリフをよく耳にしますが、「2ステージ制・ポストシーズン制」の白紙撤回の可能性が0%になるまでは「絶対あきらめません」。昔のシジマールコーチで言うと「絶対マケナーイ!」です。来年7月までの第2部盛り上がっています。
Jリーグ組織問題関連(2ステージ関係):⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①
Jリーグ組織問題関連 (その他):⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①