リスペクト(事例紹介)コラムです。
昨日、Jリーグの理事会が開催されたようですが、2つの大きなニュースがありました。1つ目はJ1・J2入れ替え戦復活を伴う「J1参入プレーオフ」の来季からの実施。これについては、以前の記事で触れているとおり。目新しい情報は名称(案)が出てきたくらい。
問題はもう1つの方。当ブログでも2ステージ制騒動の時に何度も名前が出てきたJリーグの中西常務が理事を辞任されるという話。昨日知って、ビックリしました。Jリーグの一つの時代がまた終わるんだと個人的に思いました。細かい部分は省略させていただき、当ブログで思う、今後のJリーグの方向性に関わる部分をピックアップしました。ひととおり、マスコミ報道をチェックし、今回はまとめたものを抜粋して紹介します。その前にJリーグからの公式発表。続いて今朝の山陽新聞朝刊の記事。続けて抜粋して紹介。
【役員退任について:Jリーグ】
公社)日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、6月27日付にて中西常務理事の退任を発表。中西常務理事はJリーグ内において、不適切な言動(パワーハラスメントおよびセクシュアルハラスメント)が認められたことから、Jリーグ理事会に辞任の申し出があり、受理。
Jリーグ公式HP該当ページ:https://www.jleague.jp/release/post-49379/
【セクハラでJリーグ中西常務辞任:山陽新聞】
Jリーグで№3にあたる中西常務の退任を発表。'15~'16年に女性ら複数の職員に対し、セクハラ、パワハラに相当する行為を確認。被害を受けた職員が相談窓口に訴え、弁護士の調査で事実が発覚。中西常務は関連会社やBリーグ理事など全役職を辞任。村井チェアマンは管理責任を取り、3ケ月、報酬の10%を返上。
【その他のマスコミ情報】
村井チェアマンは「自分の管理責任が問われる事案だと認識。Jクラブに対して模範を示すべきJリーグが、社内マネジメントにおいて経営の指導に当たるべき立場にいる人間が大変申し訳ない行為を行ってしまったことに本当にお詫びしたい。ファン、サポーター、クラブの関係者に大変不快な思いをさせてしまったこと、本当に申し訳なく思う」 「(リーグの)関連会社も含めた全社を挙げ、特に管理職を中心に(ハラスメントの)研修をしたい。まずは職場風土の改善から取り組みたい」とコメント。中西常務の後任は未定。
なぜ解任ではなく辞任だったのか。村井チェアマンは「従業員の雇用契約を解除するわけではないので、解雇という概念は理事にはない。今回の事案を総合的に法務委員、もしくは調査された弁護士の助言を受けて、辞任を受理。おごりを捨て、Jリーグの組織風土を改革したい」と説明。
「パワハラ、セクハラ」と理由まで公表した理由について、広報部門の責任者は「村井(チェアマン)は、いつもJリーグはオープンであるべきと公言。理事会でも、メンバーから決して隠したり、隠ぺいしたりは絶対にするべきでないと日頃公言」とコメント。
被害を受けた職員が被害届を出すかどうかは不明。弁護士の見解では刑事罰や解雇に相当するレベルには及ばず、理事会も辞表提出が妥当な処分と判断。
中西常務は、英パフォームグループとの大型契約に携わったが、'16年シーズンまで放映権を取得していたスカパー!との優先交渉期間中に複数の映像配信会社と接触していた疑惑も存在。仲介していた広告代理店を最終局面で交渉から外して手数料の支払いを拒否したことも、水面下では問題化。
中西常務は、'15年シーズンから2年間実施されたJ1の「2ステージ制&チャンピオンシップ」導入では旗振り役を担当。もっとも、移行する経緯に対する説明が不十分だとして、各Jクラブのサポーターから激しい批判の矢面に立たされたこともあり。
日刊スポーツ該当記事:https://www.nikkansports.com/soccer/news/1846757.html
フットボールチャンネル該当記事:https://www.footballchannel.jp/2017/06/27/post219295/
ゲキサカ該当記事:http://web.gekisaka.jp/news/detail/?219864-219864-fl
スポニチ該当記事:http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/06/28/kiji/20170627s00002000370000c.html
THE PAGE該当記事:https://thepage.jp/detail/20170628-00000002-wordleafs
という内容でした。細かい部分には触れず、当ブログではJリーグの今後の価値観の推移に関心があります。元々Jリーグは百年構想でドイツを模範としてスタートした事もあって、ヨーロッパを目標とすべきはずだったのに一時期、MLSなどアメリカのスポーツビジネスに傾倒し、アメリカに視察に行かれた事がありました。ちょうど2ステージ制が闊歩していた時期と重なり、かなり危なっかしい時期だった事を覚えています。その中心におられたのがこの方だったのでは。
今回の事で、「アメリカ志向派」から「ヨーロッパ志向派」へ大きく回帰される事を希望します。実際にラ・リーガと提携したりと、いい方向にはあると思います。その一番の旗振り役が村井チェアマンのようですね。
今でも、2ステージ制騒動の時代を思い出します。各スタジアムで掲げられた多くの反対ダンマク、Jリーグハウスまで駆けつけて反対されたサポーターの方々。あの頃はJリーグにとって、最もファン・サポーターと距離が離れた暗黒時代でした。その象徴とされた人物がJリーグを去ります。これからJリーグ全体が、昔のように地域の公共財として地域と輝く存在になる事を祈念します。
そして、今回のJリーグ理事会で、正式にJ1・J2入れ替え戦が、J1参入プレーオフという形で決着しました。前の記事で触れておきましたが、更にいろいろと情報が流れました。ちょっと触れておきます。まずは今朝の山陽新聞朝刊から。
【実力差の問題を解消し、利害一致:山陽新聞】
3枠目で入れ替わったチームの実力差の問題を解消し、J1とJ2クラブの利害も一致。従来の入れ替え戦が廃止された'09年以降、J2の3~6位で昇格したクラブはすべて翌年にJ2へ逆戻り。一方、J1の16位降格したクラブは昨季の松本を除いて1年でJ1に復帰しており、村井チェアマンは「過去の統計を参考にしながら最終判断」とコメント。J1クラブは降格枠が2.5になる入れ替え戦を推す声が大半に対して、J2クラブは従来のプレーオフの維持を推す声が多かった状況。双方の意向をくみ、J1参入プレーオフの決勝を実質的な入れ替え戦とする案に決定。
【なぜ今J1参入プレーオフ導入? リーグはJ3、JFL入れ替えも議論:ゲキサカ】
なぜ今回、入れ替え戦が復活したのか。まず入れ替え戦をなくしてからJ2の3枠目でJ1に昇格したクラブの成績に注目。'10年以降にJ2の3位で昇格したクラブは、翌年すべて降格。'10年の湘南は残留ラインと勝ち点差22点、'11年の福岡は14点、'12年の札幌は26点、'13年の大分は23点、'14年の徳島は22点、'15年の山形は10点、'16年の福岡は11点。'12年の福岡以外はシーズン最下位で終了。
一方でJ1で16位となって降格したクラブは翌年J2で首位になることが多く、さらに圧倒的な強さで昇格を決めることが多いデータが存在。'10年の柏は2位と勝ち点差10点、'11年のFC東京は8点、'12年の甲府は11点、'14年の湘南は18点、'15年の大宮は4点。'13年の神戸は2位に終わったが、3位とは勝ち点差13点。'16年の松本の昇格は叶わなかったが、2位と同勝ち点の3位と強さを発揮。
また村井チェアマンが説明する「いくつかの観点」には、Jリーグのチーム数における構造改革を含む。「この議論に関してはプロセスの段階」と強調した上で、「(J3を)全国リーグで維持するか、東西分割といった分割開催で当面セーフティーネットの役割でチーム数を拡大していくかといった大きな議論を実施」とコメント。
ただしJ3の総意として全国リーグのJFLの上位リーグに値することからも、全国リーグの継続に賛同があるとか。その場合、村井チェアマンは「一つの目安として20チームでJFLへの降格を検討するということも視野に」とコメント。
ゲキサカ該当記事:http://web.gekisaka.jp/news/detail/?219861-219861-fl
Jリーグ公式HP該当記事:https://www.jleague.jp/release/post-49333/
前の記事で言いましたが、現在J1で2位にいるセレッソさんはある意味、この論議では困った存在なのかもしれません。例外は例外という考え方で論議は進んでいます。昨季、岡山がJ1昇格に近くなった時に、果たしてこのままJ1に上がっていいのかという声もあったのも事実。このまま上がっても連敗記録を作って、J2に舞い戻ってくる、下手をしたら大分さんのようにJ3まで落ちてしまうかもしれないとまで口にされました。実際、あの時は舞い戻ってきたプレーオフ昇格組はどこもJ2の下の方に低迷していましたから。J1で戦える力をつけてこそ、J1に昇格すべきだと思います。そういう見方では、入れ替え戦(J1参入プレーオフ決勝戦)がある事は望ましいと思います。
J2岡山もプレーオフで勝ち抜いて、決勝でJ1クラブを粉砕してJ1昇格を勝ち取るのがいいかもしれませんが、当ブログではJ2で優勝してこそJ1昇格の資格があると思います。Jリーグ常務の後任は誰なんでしょうね。Jリーグ百年構想をしっかり理解できている方がいいです。
Jリーグ組織問題関連(2ステージ制騒動):51 / ㊿ / ㊾ / ㊽ / ㊼ / ㊻ / ㊺ / ㊹ / ㊸ / ㊷ / ㊶ / ㊵ / ㊴ / ㊳ / ㊲ / ㊱ / ㉟ / ㉞ / ㉝ ㉜ / ㉛ / ㉚ / ㉙ / ㉘ / ㉗ / ㉖ /㉕ ㉔ / ㉓ / ㉒ / ㉑ / ⑳ / ⑲ / ⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①
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