リスペクトコラムです。
先日の湘南さんに続き、川崎さんもちょっと溜まっていました。事例も湘南さんを除いてよそのものとは違う異次元のもの。昔からですが、Jクラブの中で常に先頭を走っている素晴らしい価値観。多くのJクラブのお手本だと思いますが、ちょっとすぐにはまねのできないレベルでもあります。当ブログでの紹介数も驚愕の93例目(この記事最下部参照)です。
【川崎Fがポンチョ寄付 感謝のメッセージ動画も配信】
「川崎フロンターレは9日、選手会が中心となり、新型コロナウイルスの最前線で働く医療従事者への支援として、「川崎フロンターレLOGOSポンチョ」を2000着寄付すると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大・防止のために医療用防護服の代替品として活用してもらえるよう、川崎市危機管理室を通じ、医療施設、クラブとの関係性のある市内病院に、雨天などで使用するために販売しているポンチョを提供。選手自らが、選手会からのメッセージカードを同封した。」
引用:日刊スポーツ
ここでよそのクラブと違うのは、選手自らが医療従事者に感謝するメッセージカードを用意し、自らがセッティングしているという点。単に進呈するだけでも素晴らしい事ですが、更にポンチョ1つ1つにメッセージを添えるという付加価値の高さ。これが川崎さんですね。以前に当ブログで病院宛に直接何ができるか、例えば選手の寄せ書きを書いたフラッグを渡す、それに病院名も入れるというアイディアを出した事がありますが、近いじゃんと個人的にうれしく思いました。病院の数も少なくないし、病院名も簡単には出せないから簡単ではないと思っていましたが、こういう形で選手から感謝の気持ちを届けてくれました。
【いま、わたしたちに出来ること。】
「富士通スタジアム川崎のすぐそばに建つ川崎市立川崎病院は、川崎市唯一の第二種感染症指定病院として新型コロナウイルス感染症患者の治療に対応しています。そして病棟の上層階からは富士通スタジアム川崎のフィールド、スタンドが一望出来ます。
そこで富士通スタジアム川崎では、日々コロナウイルス感染症と向き合い奮闘して下さっている市立川崎病院医療スタッフの皆様、そして同様に懸命なる治療に従事されている全国の医療従事スタッフの皆様に感謝と敬意をお伝えしたいと思い、スタジアムではおなじみのコレオグラフィーを使って「アリガトウ」の文字をバックスタンドに作成しました。作業をするにあたり使用したのは、等々力で使用しているビニール製シート。事前にレイアウトを作業スタッフで共有し、3密を避けるべく「マスク着用」「最小人数」「最大作業効率」で臨みました。
文字と文字の間はソーシャルディスタンスを意識してもらうため、あえて1ブロック空けてあります。今、施設は緊急事態宣言に伴い利用中止期間中ですので、当面の間バックスタンドに掲出します。我々が医療従事者の皆様に向けて出来ることは、こうして感謝の気持ちを表すことしか出来ませんが、少しでも励みになっていただければ幸いです。」
引用:J1川崎「フロンターレ日記」
関連動画(J1川崎公式ツイッター):https://twitter.com/kawasaki_fujimi/status/1256135100925833218
富士通スタジアム川崎は元川崎球場で、川崎さんが指定管理者になっているスポーツ施設。アメフトからブラインドサッカーまで幅広いスポーツが開催されています。そのすぐそばにある川崎市立川崎病院はコロナ治療の最前線。まさに医療従事者が戦っておられる戦場です。その戦場から見えるスタジアムにコレオでメッセージを作るというのはアイディアですね。緊急事態宣言継続で利用されていない時の最も有効な活用でした。そういう川崎さんですが、よくリスペクトされたコラムを見つけました。
【なぜ川崎フロンターレは「物産展」を開いたのか―クラブからの恩返し】
〔スポーツ紙に「気になる見出し」〕
「サッカークラブの“恩返し”――。あるスポーツ紙のサイトに、こんな記事が掲載されていた。「川崎フロンターレ 公式ホームページで“物産展”」クラブとつながりの深い地域を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴い、減少している物産品の売り上げに対して少しでも貢献できればという思いから、クラブのサイトで紹介を始めたというのが大まかな内容である。どんな取り組みなのか詳しく知りたいと思い、公式サイトを覗いた。
対象地域は東日本大震災復興支援活動を続け、スマイルシップ協定を結ぶ岩手・陸前高田市、キャンプ地の北海道・七飯町、宮崎・綾町、熊本地震の被災地で試合イベントにおける物産展の開催でも交流を持ってきた熊本・合志市(谷口彰悟ら所属3選手が熊本県出身)の4地域。4月13日から陸前高田の牡蠣や米、七飯のしいたけ、合志の野菜など物産品を扱う店舗を紹介している。「この難局をみんなで乗り越えよう!」のタイトルのもと「グッズ編」「物産品編」に続いて翌週には「スポンサー編」がアップされた。「政府から発表されている外出自粛要請に則した商品に限定」して掲載している。〔選手たちが積極的に協力〕
「(井川サッカー事業部営業部長談)フロンターレは日頃からサポーターと密に連絡を取り合い、様々な意見を反映しているのですが、札幌商工会議所が経済対策として道内食品関連企業の在庫商品をサイトで紹介しているという話を聞きました。『これを参考にしてみてはどうか? 』とアドバイスをいただき、確かにそうだなと思いました」」
「陸前高田の担当の方に連絡を入れたら、やっぱり全国各地でやってきた物産展をやれないので非常に困っている、と。キャンプでお世話になっている北海道・七飯町の役場も同様で、物産品のことで悩んでいました。フロンターレのサイトで紹介させていただくことくらいしかできないですけど、微力ながらも少しでも手助けになればという思いでやってみようと動き始めたんです」
――ただ単に紹介するだけじゃなく、選手が商品を持っている写真を掲載しています。
「掲載を予定しているお店に直接連絡して、先に商品を一つ送ってもらったんです。選手にも協力してもらって、写真と一緒に載せることでちょっとでもPRになれば、という思いでした。選手も積極的に協力してくれたので助かりました」
〔サポーターとのつながり〕
「――販売するのではなく、メッセージだけ掲載するお店もありましたよね。サポーターへの感謝と、陸前高田ランド開催の折には「よろしくお願いいたします」と。「サポーターが毎年のイベントを楽しみにしているし、陸前高田のほうもフロンターレのサポーターに会えないことが何より残念だと言ってくれます。
お互いのつながりが強くなってきて、SNSで購入の報告をしてこの活動を広めようとしてくれるサポーターもいます。七飯町では地元メディアが今回の取り組みのことを取り上げてくれました。少しでも知ってくれる人が増えて、広がりを見せてくれたら有難いなって思います」
「――次に準備しているのが川崎の商店街の紹介だとうかがいました。フロンターレは地元商店街との結びつきが強いことでも知られています。「今ちょうど掲載準備のためにいろいろとリサーチしているという状況です。特に飲食店からは『大変厳しい』という声を多く聞いています」
〔サッカーができなくとも〕
「――年会費をもらってクラブ応援店舗となる「サポートショップ」は現在、約700店舗もあると聞いています。「フロンターレは大口のスポンサーのみならず、こういった多くのサポートショップのみなさんにも支えられています。飲食関係の店舗はザッと200くらい。今、お店に人を集めることはできないと思うので、宅配やテイクアウトはやっているのかどうかとか、そういった紹介ができればいいと思っています。行政の方針にも照らし合わせなければならないので、確認作業を済ませてから早急にアップしたいと考えています。」
引用:現代ビジネス
恩返しという表現がいいですね。対象地域が陸前高田市、北海道・七飯町、宮崎・綾町、熊本・合志市と北から南まで広い視野である事に感動を覚えます。最近、個人的に出てくるキーワードが「思いやり」。よく「ホスピタリティ」を呪文のように唱える事例を目にしましたが、実際は観客やスポンサーばかりに目が行き、地域やファン・サポーターに向けて、本当にホスピタリティできているのかと疑問に思う事がよくありました。好感度調査の数字に満足しても、観戦者だけの相手なので、本当に地域で一般市民にどこまでリスペクトされているのか大きな疑問がありました。
そんな中、川崎さんは強い「思いやり」を持っている事がよくわかります。事業が終わってもずっと目を配って気にしている。東日本大震災の「Mind-1ニッポンプロジェクト」は9年間ずっと被災地を思いやっています。当ブログは「単発事業」で終わる事例にはネガティブで、川崎さんのこれらのような「継続事業」にはポジティブですね。
「フロンターレは日頃からサポーターと密に連絡を取り合い、様々な意見を反映している」というのも素晴らしい。次に準備しているのが商店街。やはり(地元だけでなく)広く地域の商店街と連携できるのが、J1にふさわしい市民クラブのスタンダードだと実感します。サポショも素晴らしい。やはり、サポートショップの運営ができないところはJ1に行くべきでないと個人的に思います。
J1川崎関連:92|91|90|89|88|87|86|85|84|83|82|81|80|79|78|77|76|75|74|73|72|71|70|69|68|67|66|65|64|63|62|61|60|59|58|57|56|55|54|53|52|51|50|49|48|47|46|45|44|43|42|41|40|39|38|37|36|35|34|33|32|31|30|29|28|27|26|25|24|23|22|21|⑳|⑲|⑱|⑰|⑯|⑮|⑭|⑬|⑫|⑪|⑩|⑨|⑧|⑦|⑥|⑤|④|③|②|①
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