白い死神 作:ペトリ・サルヤネン
小説としましたが、実際は伝記というかなんというか、
伝説のスナイパーであり、猟師である、
シモ・ヘイヘ氏のことと、露助とフィンランドが戦争をした、
それは冬戦争と呼ばれたという、それこれ
そんなことをつづった内容でありました
作者が、シモヘイヘ氏を訪ねて、様々に聞いたこと、
そして調査したことを元に、語り口調というのか、
シモヘイヘという人それを描きながら、
その人が伝説となった冬戦争についてつまびらかにした
そういう物語であり、伝記でありました
すげぇ、面白かった
さて、シモヘイヘという人については、
すでにこういう人種であるわたくしとして、
基本知識を間違って摂取しているわけでして、
つまるところ、白い死神であり、全ソ連人民の敵に数えられる一人であり、
凄まじい戦歴をもつ、伝説の男という認識
それが実際どの程度そうなのか、
当然そういった裏とりをするわけもなく、
シモヘイヘ凄いんだよ、知らないうちに現れたと思ったら
露助が死んでんだよと、まぁ、そういうことばっかり思ってましたが
今回、この本を読んで、
やっぱり実際そのとおりだったんじゃねぇかと
なかなか、楽しめたという具合なのであります
不謹慎と、私のように独身をこじらせている男にとっては
たまらない内容なのでありまして、英雄といって相違ない
でも、一人であるという、ちょっとした
プロパガンダにも利用された節があるけども、
実際、それ以上に凄い化け物だったという人が
たまらんわけでありますが
そういう、戦争そのものを茶化すかのような素人目を
覚まさせてくれるような
どうして、そもそもこの猟師が伝説のスナイパーになったのか
その戦争、その戦いについては
凄く考えさせられるところがあったのであります
時は、二次大戦前後、その頃に露助がフィンランドに侵入
いや、侵攻を始める、実際はもっと前からそうだった
地勢的に苦しいフィンランド、ドイツにも囲まれ、
外交で、フランスやイギリスを引き入れたいものの
所詮は弱い立場の国、蹂躙されるのが必定となってくる
自分たちの国は自分たちで守らなくてはならない
そういう、国民そのものの祈りのようなものが
見えてくるような、そんな戦争がここに描かれているのであります
別段、凄い侵攻や、戦争風景が描かれているわけでもない
だのに、露助に追い詰められて、戦争に踏み出していく
隊長いわく「軍事訓練」はずっと続いていく
いつからそれが、本格の戦争と称されたのかはわからないという
そんな状況と、次々とやってくる露助どもを
コッラーという川で食い止め続けるという絶望的な戦闘
この戦闘地域で、また、その周辺で
シモヘイヘが、500人を超える露助(リュッシャー)を
その銃で葬っていくわけなんですが、
祖国を守るというそれ、シモヘイヘにどんな怒りや憤りがとか
そういうのはほとんど語られることなく
職業とも違う、好きとか嫌いとかではなく、
それをすることが日常であって、戦争という状態であって、
そのなかでそれだけの仕事をした
そういう淡々とした感じが、逆に物々しさというか
恐ろしさみたいなのを感じられて抜群によかったのでありました
あまり政治的な趣のことはあれこれと
無責任に語るものではないと思うのでありますが、
くしくもというのか、この時勢において、
戦うということ、とりわけ、領土の取り合いという
どこか前時代的で、想像が結ばない、遠いそれのように思えていましたが、
そういうのではなく、事実こうなるかもしれない
そういう恐怖をもって読むと
より深く、そして悲しいものだと痛切に感じたのであります
久しぶりにまじめに考え込むほど
しっかりと読めて、それはおいといて、シモヘイヘすげぇという
それも満足できてというわけで
大変よい一冊でありました
小説としましたが、実際は伝記というかなんというか、
伝説のスナイパーであり、猟師である、
シモ・ヘイヘ氏のことと、露助とフィンランドが戦争をした、
それは冬戦争と呼ばれたという、それこれ
そんなことをつづった内容でありました
作者が、シモヘイヘ氏を訪ねて、様々に聞いたこと、
そして調査したことを元に、語り口調というのか、
シモヘイヘという人それを描きながら、
その人が伝説となった冬戦争についてつまびらかにした
そういう物語であり、伝記でありました
すげぇ、面白かった
さて、シモヘイヘという人については、
すでにこういう人種であるわたくしとして、
基本知識を間違って摂取しているわけでして、
つまるところ、白い死神であり、全ソ連人民の敵に数えられる一人であり、
凄まじい戦歴をもつ、伝説の男という認識
それが実際どの程度そうなのか、
当然そういった裏とりをするわけもなく、
シモヘイヘ凄いんだよ、知らないうちに現れたと思ったら
露助が死んでんだよと、まぁ、そういうことばっかり思ってましたが
今回、この本を読んで、
やっぱり実際そのとおりだったんじゃねぇかと
なかなか、楽しめたという具合なのであります
不謹慎と、私のように独身をこじらせている男にとっては
たまらない内容なのでありまして、英雄といって相違ない
でも、一人であるという、ちょっとした
プロパガンダにも利用された節があるけども、
実際、それ以上に凄い化け物だったという人が
たまらんわけでありますが
そういう、戦争そのものを茶化すかのような素人目を
覚まさせてくれるような
どうして、そもそもこの猟師が伝説のスナイパーになったのか
その戦争、その戦いについては
凄く考えさせられるところがあったのであります
時は、二次大戦前後、その頃に露助がフィンランドに侵入
いや、侵攻を始める、実際はもっと前からそうだった
地勢的に苦しいフィンランド、ドイツにも囲まれ、
外交で、フランスやイギリスを引き入れたいものの
所詮は弱い立場の国、蹂躙されるのが必定となってくる
自分たちの国は自分たちで守らなくてはならない
そういう、国民そのものの祈りのようなものが
見えてくるような、そんな戦争がここに描かれているのであります
別段、凄い侵攻や、戦争風景が描かれているわけでもない
だのに、露助に追い詰められて、戦争に踏み出していく
隊長いわく「軍事訓練」はずっと続いていく
いつからそれが、本格の戦争と称されたのかはわからないという
そんな状況と、次々とやってくる露助どもを
コッラーという川で食い止め続けるという絶望的な戦闘
この戦闘地域で、また、その周辺で
シモヘイヘが、500人を超える露助(リュッシャー)を
その銃で葬っていくわけなんですが、
祖国を守るというそれ、シモヘイヘにどんな怒りや憤りがとか
そういうのはほとんど語られることなく
職業とも違う、好きとか嫌いとかではなく、
それをすることが日常であって、戦争という状態であって、
そのなかでそれだけの仕事をした
そういう淡々とした感じが、逆に物々しさというか
恐ろしさみたいなのを感じられて抜群によかったのでありました
あまり政治的な趣のことはあれこれと
無責任に語るものではないと思うのでありますが、
くしくもというのか、この時勢において、
戦うということ、とりわけ、領土の取り合いという
どこか前時代的で、想像が結ばない、遠いそれのように思えていましたが、
そういうのではなく、事実こうなるかもしれない
そういう恐怖をもって読むと
より深く、そして悲しいものだと痛切に感じたのであります
久しぶりにまじめに考え込むほど
しっかりと読めて、それはおいといて、シモヘイヘすげぇという
それも満足できてというわけで
大変よい一冊でありました