CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】君命も受けざる所あり―私の履歴書

2013-06-24 20:42:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
君命も受けざる所あり―私の履歴書  著:渡邉 恒雄

日経の連載を加筆してまとめた本であります
本当かどうかわかりませんが、
ナベツネ最後の一冊になるとの話
出版は少々前ではありますが、
この人がどういう人なのか理解するために
是非是非と読んでみた次第であります
その目論見からすると、少し物足りない内容でありましたが、
半生が淡々とつづられていて、非常に興味深い本でありました

まず、勉強不足甚だしいところでありますが、
ナベツネという人が、存外、巨人と関係ないということであります
ほとんど興味なかったけども、社命と、会社を思ったときに
これに手をかけるという感じだったと思われる
そんな内容で綴られていました、それが意外、
もっと巨人大好きなおじいさんかと思ってましたが、
そういうわけではなく、もっと打算というのは違うな、
営利的に興味があったといったらいいんだろうか、
経営という視点といえばいいのか、そんな感じでありました
ちょっとびっくりであります

さておき、巨人がどうしたという話はほとんど出るわけもなく、
当然のようにして、新聞人としてどうであったか、
読売新聞という会社でどんな目にあってきたかと
そんなことが綴られていまして、
描いてあることが、一方的な視点のため、実際どうであったか、
それはまざまざ解ることはないと思いますが、
なかなか挫折とまではいわないにしても、相当の苦境をわたり、
また、渡るというでいいのか、もっと世の中を切り開くような
そういう強い意志と、力をもって生きてきていたと
思わされる内容でありました

もっと、自慢話みたいなのばっかりの本ではないかとも
危惧しておりましたが、そんなこともなく、
まぁ、よく考えたら、金持ちがやることなので
やっぱり自慢話のようにも見えるような
エピソードもちらちらありながら、人生とは何か、
ナベツネという人が、哲学人としていきたいと思っているのか、
そういうような内容が非常に興味深くてよかった
さらに、この人、もともと共産党員だったそうで、
当時の東大細胞なる、共産主義者同胞機関の首魁もつとめていたそうで、
なんというか、頭いいんだろうなと
思わされた次第であります
最近、昭和史というか、戦後のポピュリズムに興味がわいているので
そっち方面で、もっといろいろ描いてほしいなどと
思ったりした次第

と、まぁ、そんなわけで、
もっと、西山事件とか、三宅先生のこととか、
そんなのが描いてないかなと期待してましたが、
西山さんは名前が一回だけ出てきたものの
三宅先生については、一切でてこないという残念な感じでありましたが、
巨魁であり、天才といった人物の思うところと
その人となりが、少しばかりわかった気になれるので
よい本だと思うのでありました