CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】流星の絆

2013-11-18 21:11:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
流星の絆  作:東野圭吾

流行作家のものをちゃんと読もう
そう思いまして、今まで敬遠していたものにも
手を出し始めたのでありますが
前回の「夜明けの街で」が、あんまりぴんと来なかった
そういうわけで、ファンの人に聞いて
これだったらというのを推薦していただいた次第
その中の一つがこの作品でありました

これは面白い、なんという面白さだ

流行作家、ミリオンセラーというものの価値というか
実力というか、その凄まじさを文章というか
小説から感じ取りました、無茶苦茶面白かった
いや、無茶苦茶は言いすぎかもしれない
が、非常に面白くて止まらなかった
あんなに分厚いのに、あっという間に読んでしまった

ミステリは、相変わらず読む機会が少ないのも功を奏して
完全にやられたというオチに、凄く小説を読んだ満足感を
ひしひしと感じたわけなんですが
ミスリードというか、そうか、こうやって書くものなのか…
蓋が開いたときに、ああ、あれはこれで、これはあれなのか
そういう、一気に全てが繋がるようなこの体験は
ミステリ小説の醍醐味でありましょう
それを、私はこの小説で味わったのでありました

オムライスや、詐欺その他については、
まぁそうかなというところでありましたが、
実に速い段階から仕掛けがあって、
しかも、そこから遠ざかるようにと誘われたみたいに
オチ部分、本当にその間際まで、
いや、レシピの件はどっちだろう、どっちが盗んだんだろうと
そんなことを悩んだりして、ページを繰ったのであります
もう、とっくにその答えは書いてあったのに
あんな間際まで気づかない俺のバカ、本当にバカ

そうやってやきもきしながら、
すげぇ楽しく小説を読んだと心から思った作品でして
なかなかどうして、楽しすぎたのであります

よくよく考えると、その都合がよすぎる部分も
いくつか見つかるというか、序盤はそれが強い
逆にいうと、そこに気をとられるように作られていたんだろうかと
うがってしまうようなところもありましたが、
つらつらと、一見当たっていそうな台詞のあとに、
そのとおりになる描写が続いてしまうと
そういうものかと、うっかり騙されてしまうという
なかなか悔しい経験であります

何よりも、その描写がありありと映像になって浮かぶというか、
本当に、あんなスピードで読んだのに情景が
なんとなく思い浮かんでいて、見てきたかのように理解できたと
これはもう、文章の力がまるで違うんだろうと
驚いたのでありました、どこの描写というでもなく
日常の、ちょっとした描写ひとつひとつが、
無駄がないというか、後に繋がる描写もあれば、
さもありそう、そして、キャラクタづけとして凄く気の利いた
そんなところを思い知ったのでありました

すげぇ、面白かった