CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】暗殺者たち

2014-01-09 20:34:35 | 読書感想文とか読み物レビウー
暗殺者たち  作:黒川 創

小説で、いいと思うのですが、
ある教師がロシアで、大逆事件にからめて、
伊藤博文と、安重根について、
二人が真のテロリストであって、
大逆事件に関わったそれこれは、テロリストなどと呼べる
そんな代物ではないといったことを
つらつらと、あっちいったり、こっちいったりの話題の中で
語り挙げるといった内容でありました
なんというかな、どうも、読みにくいというか、
ある意味でリアルといったらいいのか、
よくわからない講座とか、講義ってこういう感じだよなと
文章でそれを読めたのは凄いとするべきか
なんか、考えてしまうのであります

さて、それはさておいて、大正のあたりにおける
思想のあり方や、その時に行われた様々な事象を
非常にキャッチーな、夏目漱石の一筆から描きだすというのが
なかなかステキなところでありまして、
未発見原稿みたいなので、いつだったか話題になった
その本だったようなのでありました
ちなみに、夏目漱石の満韓なんとかという文については、
さほどに大した内容でもなく、
同時期に漱石が書いておりました、門とか、それからとか
そのあたりとのかかわりが
さらりと読めた、というか、夏目漱石の偉いところは、
こういった政治向きを一切合財取り込まないというか
取り込むのは、本当、表だけで、
なんら思想を語らないというのが
粋でステキだねぇなんて、改めて思い知らされたのであります
大好きだ夏目漱石

で、そんな漱石については、さほどに語られることもなく、
もっぱら、大逆事件のあらましというか、
その時に断罪された幸徳秋水とそのほかが、
いかにしてその事件にたどり着いたか、
そこに至るまでの思想や、暮らしぶりはどうであったか
そんなところが面白いのであります
なかなか、つぶさに描かれていて、
最終的には、こういうやからというのは、
本当のテロリズムをやっするような、社会主義者というか、
その怖いそれとは言いがたいと
まあ、そんなところを書いているのであります

なかなか面白かったような気がするのですが、
いかんせん、もうちょっと背景の事件なんかを
一通り学んでから読むべき本であったと
反省もするのでありました