木になった亜沙 作:今村夏子
相変わらず不可思議な世界を書くなと思いつつ読んだ
短編三作なんだが、どれも観念的な内容と前提して読むと
ああ、そういうことあるなとか騙されそうになるんだが
だいぶ不思議な内容で、まぁ深く考えつつも
あまり考えすぎないというか、すぎてはいけない読み物だなと
もやっと読み過ごしたのでありました
表題作では、悲惨な状況の女の子が出てくるわけだが、
というか、これまで読んだ作品の大半がそういう子のような気がするけども
今回のはさらにひどい感じで、なんだかんだあった挙句
童話のごとく木になったというお話といえば、そうだけども
現代劇でもあり、悲惨話でもあるので
童話のほんわかした終わりではなく、ごみ屋敷で燃えて終わるという
もはやネタバレなんだが、話の脈絡がなさ過ぎて
意味がわからないといったところが
素晴らしいと思って読んだのでありました
というか、この短編はまだ、そこまで悲惨でもなかった
いや、悲惨だったけど救いとも異なるが、どうにもならぬ世界の片隅を描いただけともいえる内容だった
もう一作の的になった七未という方がもっとひどくて
こっちがメインといっても差し支えないのではないかと思われたんだが
これまたかわいそうな女の子がよりかわいそうな目にあって、
本当に悲惨で仕方ないという印象でしょんぼりしてしまった
何かに当たることがないという、妙なことに気づいて、
それによって、幾人かの人の気がふれて、やがて、その事実に自分も気がふれてと、
どうしてそんなことでと、思うような展開のまま、
何かをかけ間違って、信じてしまうと、もはやどうともできなくなるし
それによってどこかで平穏を得たりすると、
その平穏は、平時の不穏と同じものだということだったりと
まぁ、なんというか、本当にかわいそうと思って読んだのでありました
最終的に救われた感じではあるが、いつまでも子供のころにひっかかってた想いというのに
別れを告げることで、人生が達成されたとも見えるんだが
なんというか、おかしい世界だ
そしてもう一作が、これは割とショートショートっぽくて面白かった
相変わらず設定が唐突過ぎて意味不明なのは御愛嬌だけども
まだ現状回帰というか、なんだかんだ、「ちゃんとした世界」と
我々が思いそうなところに主人公がかえってくるので
そこにおいて、そうではなかった世界のことを懐かしむでもないが
ある種憐れむというのは、感情の発露としては理解できるなと
読みやすいし、割とロマンスだったし、よかったなぁと思ったのでありました
というか、割と童話っぽい話が多いんだなと気づいた
なんだかんだ、芥川賞作家の本を最近読みすぎではないかとちょっと反省しているのであった
相変わらず不可思議な世界を書くなと思いつつ読んだ
短編三作なんだが、どれも観念的な内容と前提して読むと
ああ、そういうことあるなとか騙されそうになるんだが
だいぶ不思議な内容で、まぁ深く考えつつも
あまり考えすぎないというか、すぎてはいけない読み物だなと
もやっと読み過ごしたのでありました
表題作では、悲惨な状況の女の子が出てくるわけだが、
というか、これまで読んだ作品の大半がそういう子のような気がするけども
今回のはさらにひどい感じで、なんだかんだあった挙句
童話のごとく木になったというお話といえば、そうだけども
現代劇でもあり、悲惨話でもあるので
童話のほんわかした終わりではなく、ごみ屋敷で燃えて終わるという
もはやネタバレなんだが、話の脈絡がなさ過ぎて
意味がわからないといったところが
素晴らしいと思って読んだのでありました
というか、この短編はまだ、そこまで悲惨でもなかった
いや、悲惨だったけど救いとも異なるが、どうにもならぬ世界の片隅を描いただけともいえる内容だった
もう一作の的になった七未という方がもっとひどくて
こっちがメインといっても差し支えないのではないかと思われたんだが
これまたかわいそうな女の子がよりかわいそうな目にあって、
本当に悲惨で仕方ないという印象でしょんぼりしてしまった
何かに当たることがないという、妙なことに気づいて、
それによって、幾人かの人の気がふれて、やがて、その事実に自分も気がふれてと、
どうしてそんなことでと、思うような展開のまま、
何かをかけ間違って、信じてしまうと、もはやどうともできなくなるし
それによってどこかで平穏を得たりすると、
その平穏は、平時の不穏と同じものだということだったりと
まぁ、なんというか、本当にかわいそうと思って読んだのでありました
最終的に救われた感じではあるが、いつまでも子供のころにひっかかってた想いというのに
別れを告げることで、人生が達成されたとも見えるんだが
なんというか、おかしい世界だ
そしてもう一作が、これは割とショートショートっぽくて面白かった
相変わらず設定が唐突過ぎて意味不明なのは御愛嬌だけども
まだ現状回帰というか、なんだかんだ、「ちゃんとした世界」と
我々が思いそうなところに主人公がかえってくるので
そこにおいて、そうではなかった世界のことを懐かしむでもないが
ある種憐れむというのは、感情の発露としては理解できるなと
読みやすいし、割とロマンスだったし、よかったなぁと思ったのでありました
というか、割と童話っぽい話が多いんだなと気づいた
なんだかんだ、芥川賞作家の本を最近読みすぎではないかとちょっと反省しているのであった