CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】栞と嘘の季節

2023-01-16 21:13:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
栞と嘘の季節  作:米澤穂信

シリーズ二作目にあたると思われる
正直前の話で名前を憶えていなかったので、
同じ高校生の話なのか、わからないまま読んだんだが
この感じ、高校生らしからぬ妙な達観と落ち着きは、間違いないと思いつつ
ニヒルというか、こんな若々しくないというか、
やたら老成した高校生がいてたまるかと思いつつ
楽しく読んだのでありました

今回もまた、といっていいのか、なかなか入り組んだお話で、
タイトルの通り、栞がキーアイテムではあるのだけども、
結構、あっちもこっちも、みんながちょっとずつ嘘をついたりしているので
なんか、そんなに複雑にしなくてもいいのにという話が、
ちょっとした嘘によって、ややこしくなってしまっている
それが謎になってしまっているなんていう感じで、
そういうところも含めて、高校生らしからぬというか
こんなに高度にあれこれ考えて発言する高校生いるんだろうかと思いながらも
なるほどな、と感心して読んだのでありました

嘘をつく女子が出てくるんだが、
その嘘のつきかた、そして、そのけじめのつけ方というのが
格好良すぎるというか、ああ、すげぇなと
小説のキャラクタとして完璧すぎるなと思いながら読んだというか
もはや、高校生という設定であるだけで、凄く高度なキャラものを読んでるということに
気づかされるというか、こういうキャラの心情と戸惑いが明確に描かれているのが
すごくいいもんだなと感心して読むのでありました
いつもの探偵二人も、例によってというか、妙な律儀さととぼけているでもない何かによって
読み手が惑わされるという、意味の分からない状態になるんだが
これもまた、こいつらならそうだよなという説得力があって
なんとも、事件のないところに、無理やり事件を作られてしまっているのを見せられた
そういう感じだけど、まぁしっくりきたといえばそうかと
納得して読み終えたのでありました

ともあれ、次回作をと期待したいけども
流石にこういう高校生というのは、いよいよ小説の設定でしかありえないというか、
高校生という設定って、読み手の高校時代を想定とするのか、
この世界はそうなると、読み手が40代くらいの設定と思った方がよいのかとか
なんか、いらんことを考えてしまうので
今時っぽい展開にせず、このままでやって欲しいが、それでいいのかとか
余計なお世話を思いつつ読むのでありました