拳に聞け! 作:塩田武士
安心安定のボクシング小説であります
ひょんなことから、地上げ対象だったはずの弱小ボクシングジムに肩入れして、
気づいたら、チャンピオンを出すために応援してしまう
そんな、お笑い芸人崩れのなんでも屋が主人公の物語なんだが、
ボクシングジムを中心とした群像劇でもないけど、
応援している一人という立場から描いているのに
かなりドラマチックにボクシングジム経営が見えて面白かった
夢物語というか、こういうことがありそうだなと
ボクシングを見る楽しみが伝わってくるようでもあって、
なかなかいい塩梅でありました
大阪の下町というか、いかにもな感じのコテコテな登場人物たちが面白くて、
そこに、よくわからんうちに住み込みになる謎の横浜からの女やら、
わけのわからん練習生二人等々、見ていて飽きがないのがすごくよい
こういう狙っているようなキャラクタが、違和感なくというか、
面白く描かれているというだけで、凄いなと感心してしまったんだが
そいつらとのドタバタが、別に本筋とあんまり関係ないけど、
それはそれでよいというバランスが絶妙で、基本的に面白おかしく物語が進むのがよかった
基本的にはご都合主義というか、よろしく転がっていく話なので
安心して読めるというのも、もはやエンタメと割り切ってしまえば
楽しいことこの上なくて、このご都合が変にフォローされているわけでもない
たまたまという感じを露骨に説明して、辻褄をあわせるといった感じもなく
まぁ、そういう物語なんでと、さらっと読み流せるような空気感、
物語の軽妙さが心地よいと思えたのでありました
ボクシングシーンもなかなか面白くて、
こういう物語の定番である、減量の苦難とか、
そこに至るまでの練習風景とか、そういった積み重ねが嫌味なく
それでいて、変に泥臭くもなく描かれているところがまた素晴らしくて
主人公がボクサーではないというのが
この軽さみたいなのを出してんだろうなと偉そうなことを思いながら読んだのであります
冗談みたいな設定というか、イーグルのはずがビーグルになったり、
ネリケンなる謎の男やら、因縁のある男もモリケンやらとか、
細かくギャグというか、面白い設定が入ってくるのがいちいち楽しくて
かなり笑って読めた小説でありました
終わりも、結構すかっと終わるし、いい気持ちになった小説でありました
安心安定のボクシング小説であります
ひょんなことから、地上げ対象だったはずの弱小ボクシングジムに肩入れして、
気づいたら、チャンピオンを出すために応援してしまう
そんな、お笑い芸人崩れのなんでも屋が主人公の物語なんだが、
ボクシングジムを中心とした群像劇でもないけど、
応援している一人という立場から描いているのに
かなりドラマチックにボクシングジム経営が見えて面白かった
夢物語というか、こういうことがありそうだなと
ボクシングを見る楽しみが伝わってくるようでもあって、
なかなかいい塩梅でありました
大阪の下町というか、いかにもな感じのコテコテな登場人物たちが面白くて、
そこに、よくわからんうちに住み込みになる謎の横浜からの女やら、
わけのわからん練習生二人等々、見ていて飽きがないのがすごくよい
こういう狙っているようなキャラクタが、違和感なくというか、
面白く描かれているというだけで、凄いなと感心してしまったんだが
そいつらとのドタバタが、別に本筋とあんまり関係ないけど、
それはそれでよいというバランスが絶妙で、基本的に面白おかしく物語が進むのがよかった
基本的にはご都合主義というか、よろしく転がっていく話なので
安心して読めるというのも、もはやエンタメと割り切ってしまえば
楽しいことこの上なくて、このご都合が変にフォローされているわけでもない
たまたまという感じを露骨に説明して、辻褄をあわせるといった感じもなく
まぁ、そういう物語なんでと、さらっと読み流せるような空気感、
物語の軽妙さが心地よいと思えたのでありました
ボクシングシーンもなかなか面白くて、
こういう物語の定番である、減量の苦難とか、
そこに至るまでの練習風景とか、そういった積み重ねが嫌味なく
それでいて、変に泥臭くもなく描かれているところがまた素晴らしくて
主人公がボクサーではないというのが
この軽さみたいなのを出してんだろうなと偉そうなことを思いながら読んだのであります
冗談みたいな設定というか、イーグルのはずがビーグルになったり、
ネリケンなる謎の男やら、因縁のある男もモリケンやらとか、
細かくギャグというか、面白い設定が入ってくるのがいちいち楽しくて
かなり笑って読めた小説でありました
終わりも、結構すかっと終わるし、いい気持ちになった小説でありました