CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】三谷幸喜のありふれた生活 (17)『未曾有の出来事』

2023-08-02 20:57:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
三谷幸喜のありふれた生活 (17)『未曾有の出来事』  著:三谷幸喜

こんな連載本があって、しかも17巻も出てたのかと
驚きながら読んだのでありました
最新刊なので、おそらくは鎌倉殿の13人の裏話とかあるんじゃないかなと
楽しみにしつつ読んだのでありますが、どうもそれよりはちょっと前で、
コロナに入りましたというところの方がメインだったようで、
それでも、その間に手掛けていた仕事の話とかが面白くて
あれよあれよと読んだのでありました

新聞連載のようなので、エッセーとして、一つ一つにものすごい深みがあるというよりは、
示唆もあったりなかったりしながら、実際にありふれたといえるのかわからんが、
先生の日常の出来事や、思ったことが連なっていて、
それがかなり面白く読めるのですごくよかったと思うのである

全然知らなかったが、かなり歌舞伎との接点が近かったようで
いわゆる劇作家としての活動というのも幅広いようで、
その脈から、大河の作品とかで出てくる歌舞伎俳優さんとかいたのかと
驚いたりしたのである
ちらりとだけだが、弥十郎さんが出てきたのが興味深いところであった
そして、その歌舞伎メンツのそれぞれの演劇への取り組みというのが
どれほど興味深いか、そして凄いうえに面白いかということが
大変貴重な資料だなと思いつつも、楽しい内容で
このあたりがいいなぁと思ったりするのである
しれっと、愛之助さんをラブリン呼びしたりぬかりないところもよいな

とはいえ、やっぱり座付き脚本家という立場が、
自分の中で一等なんだろうと思わせるところも多くて、
そういう観点からといっていいのか、小劇場でのハプニングを楽しんでいる、
おそらくその場では、とんでもないことだったろうけども、
脚本家、または演出家というのは、上演されている舞台には何もできないと思いつつも、
セリフが飛んだりしている時に、役者がどうやって軌道を正すかという知恵を絞っているところとかが
物凄く面白く見えているようで、なんというか、そういうのは違うんだろうけど
見たいなぁと思ってしまったのである、ある意味、ワンナイトのそれだわ

政治臭い話があることもなく、淡々と演劇論と日常とが交錯するだけという
とても読んでいて精神衛生上よいといっていいか、
楽しい気分だけ味わえるエッセーで、すごくよかったと思うのであった