赤い月の香り 作:千早茜
天才的な調香師のもとで働くことになった男の話
というとなんか違うんだけども、
重い過去と苦しみを抱えた男が、香りによって救われると
そんな予感がする物語で、大変面白かった
事件や、大きな解決といったものが見られるわけでもないのだが、
香りを求める人、それを作る人、その交流とその下積みのような作業が
なんか新鮮に読めて面白かった
植物をちゃんと育てること、そこから得るものの良さというのが
押しつけがましくなく、それでいて強い印象をもって、
料理なり、お茶なりになって出てくるのがよい
読んでいて、どんな香りか、皆目見当もつかないけど
よい匂いなんだろうなと思わせる素敵さで、
美しい世界観が作られていくのが楽しかった
しかし、そこまで匂いをかぎ分けられてしまうというのが、
実際はさておき、嫌なことでもあるが、同時に執着であるというのも
とてもよくわかるなと思った次第
香りというファクターをきっかけにして、人間関係すらも左右されてしまう
結局、好きな人の匂いというものがあると、そんな話でもあったけど
体調やら、感情やらが、様々匂いに立つというのが
面白い描かれ方だと感心して読んだのでありました
過去と、感情とが香りによってリンクするという、
匂いが記憶を呼び起こすなんて、ありふれた話なんだが、
それが中核となって、物語の最後を彩るわけだけども、
それによって救われる主人公と、その場に立ち止まったままのような調香師の姿というのが
なんとなく、寂しいというか、切ないものだと思えるような
静かでよい物語だった
ハーブ育てたくなるな
天才的な調香師のもとで働くことになった男の話
というとなんか違うんだけども、
重い過去と苦しみを抱えた男が、香りによって救われると
そんな予感がする物語で、大変面白かった
事件や、大きな解決といったものが見られるわけでもないのだが、
香りを求める人、それを作る人、その交流とその下積みのような作業が
なんか新鮮に読めて面白かった
植物をちゃんと育てること、そこから得るものの良さというのが
押しつけがましくなく、それでいて強い印象をもって、
料理なり、お茶なりになって出てくるのがよい
読んでいて、どんな香りか、皆目見当もつかないけど
よい匂いなんだろうなと思わせる素敵さで、
美しい世界観が作られていくのが楽しかった
しかし、そこまで匂いをかぎ分けられてしまうというのが、
実際はさておき、嫌なことでもあるが、同時に執着であるというのも
とてもよくわかるなと思った次第
香りというファクターをきっかけにして、人間関係すらも左右されてしまう
結局、好きな人の匂いというものがあると、そんな話でもあったけど
体調やら、感情やらが、様々匂いに立つというのが
面白い描かれ方だと感心して読んだのでありました
過去と、感情とが香りによってリンクするという、
匂いが記憶を呼び起こすなんて、ありふれた話なんだが、
それが中核となって、物語の最後を彩るわけだけども、
それによって救われる主人公と、その場に立ち止まったままのような調香師の姿というのが
なんとなく、寂しいというか、切ないものだと思えるような
静かでよい物語だった
ハーブ育てたくなるな