くもをさがす 作:西加奈子
話題作なので読んだ、という感じで手に取ったんだが
まさか、ドキュメンタリというか、自身の闘病記とは知らず
軽い気持ちで読み始めて戸惑ってしまったのであった
しかも、「くも」ってそっちの蜘蛛かよ
さておいて、カナダ在住といっていいのか、短年のステイの予定だったのか
このあたりはわからないけども、そこで乳がんであることがわかり、
そこから抗がん治療を受けるという日々、その時々の言葉であったり、
思ったり感じたりしたことを、とても素直に記していった日記でありました
出版を念頭におかなかったとのことなので、
散文めいているところが、逆によいなという感じで
真に迫る文章だなどと感じつつ読んだのだが、やっぱり作家だから、
自分のための文章でも、なんだかんだ、書いてしまっているんだろうと
ちょっと思ってしまうのであった、読みやすいし、響くものな
乳がんの知らせをよこしたのが「クモ」に噛まれたことだった、
そのクモはおばあちゃんの化身に違いないという
まるで、そういう小説かのような出だしから始まるのだが、
タイトルのように、どこかでこのくもを探すようなことになるかと思えば、
そんなこともなく、それを必要としなくなる
その変遷が描かれていくようでよかったのである
かなり苦しかったであろう記述と、その間にどれほど助けられたかということ、
そして、自分を強く持つということへの再度の気づき、
これまでの違和感等々も整えられていきつつ
がん闘病の話だけではなく、人生としてのあれこれをつまびらかにしていて
色々な方面で、刺さる人がいるんだろうと思ったのである
正直であるというのとも異なるが、何かに許されているようなこと、
誰かに期待されていないこと、言葉にしづらい、あるいはできない重荷のようなものからの解放というのは、
誰にでもある話だと、親近感を覚えて読んでいたのだが、
それを得るためでもないが、その気安さが故のカナダの生活だったところへ、
日本だったらという医療への不安も覚えるが、そこは、海外だからどうした
というよりも、むしろカナダでよかったということもいっぱいあったり、
当然、行き違いや、自分の言葉が通じないことによる弊害なんかもあったりして、
うまくいっていないのだけども、それを乗り越えて、とても強い肯定感といってもいい
心地よさがありそうで、がんだけではない、病と読んでもよいかもしれない何かを
解消していっているようでよかったのでありました
年齢が近いこともあるので、色々と感じるところも多い内容だったが
読んで、よかったと思って終えられたのでありました
話題作なので読んだ、という感じで手に取ったんだが
まさか、ドキュメンタリというか、自身の闘病記とは知らず
軽い気持ちで読み始めて戸惑ってしまったのであった
しかも、「くも」ってそっちの蜘蛛かよ
さておいて、カナダ在住といっていいのか、短年のステイの予定だったのか
このあたりはわからないけども、そこで乳がんであることがわかり、
そこから抗がん治療を受けるという日々、その時々の言葉であったり、
思ったり感じたりしたことを、とても素直に記していった日記でありました
出版を念頭におかなかったとのことなので、
散文めいているところが、逆によいなという感じで
真に迫る文章だなどと感じつつ読んだのだが、やっぱり作家だから、
自分のための文章でも、なんだかんだ、書いてしまっているんだろうと
ちょっと思ってしまうのであった、読みやすいし、響くものな
乳がんの知らせをよこしたのが「クモ」に噛まれたことだった、
そのクモはおばあちゃんの化身に違いないという
まるで、そういう小説かのような出だしから始まるのだが、
タイトルのように、どこかでこのくもを探すようなことになるかと思えば、
そんなこともなく、それを必要としなくなる
その変遷が描かれていくようでよかったのである
かなり苦しかったであろう記述と、その間にどれほど助けられたかということ、
そして、自分を強く持つということへの再度の気づき、
これまでの違和感等々も整えられていきつつ
がん闘病の話だけではなく、人生としてのあれこれをつまびらかにしていて
色々な方面で、刺さる人がいるんだろうと思ったのである
正直であるというのとも異なるが、何かに許されているようなこと、
誰かに期待されていないこと、言葉にしづらい、あるいはできない重荷のようなものからの解放というのは、
誰にでもある話だと、親近感を覚えて読んでいたのだが、
それを得るためでもないが、その気安さが故のカナダの生活だったところへ、
日本だったらという医療への不安も覚えるが、そこは、海外だからどうした
というよりも、むしろカナダでよかったということもいっぱいあったり、
当然、行き違いや、自分の言葉が通じないことによる弊害なんかもあったりして、
うまくいっていないのだけども、それを乗り越えて、とても強い肯定感といってもいい
心地よさがありそうで、がんだけではない、病と読んでもよいかもしれない何かを
解消していっているようでよかったのでありました
年齢が近いこともあるので、色々と感じるところも多い内容だったが
読んで、よかったと思って終えられたのでありました