CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】科学は「ツキ」を証明できるか――「ホットハンド」をめぐる大論争

2022-11-21 20:55:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
科学は「ツキ」を証明できるか――「ホットハンド」をめぐる大論争  著:ベン・コーエン

想像以上に面白い本だった
バスケを嗜まないので、「ホットハンド」について、
そこまでピンときてなかったんだが、
この本を読んでいけば、そういうことありそうだなということから、
その論争のすごさというのがよくわかって、
ドキュメンタリとして、すごくよくできた本だと思った

題材として、バスケを中心に展開するのだけども、
身近というか、よりわかりやすいのが、ギャンブラーの誤謬との比較というか、
類推みたいな部分で、凄い似た感情というか、心理の動きというのがわかって
人間は勝手にパターンを追い求めてしまうという、
これまた、そうだろうなということとの闘いというか
それを偶然か、そうではないか、どうやって証明するかも含めた
壮大な科学論争を書いてて、大変興味深かったのであります

やや、というか、だいぶ冗長で、
途中まったく関係ない話が詳細に書かれていたりして、寄り道が多いんだけども、
読ませる内容なので、さほど気にならないんだが、
結局オチがあったか?と、その寄り道の部分の答えというか、大切なところが説明されないままなのが
やきもきするというか、残念だったんだが、そういうもんなんだろう
結局行方不明の英雄はどうなったんだ、バスケゲームとバスケ選手の間の物語はあったのかなかったのか、
なんか、気になる話が中途半端なのがやっぱり気になるわ

結局のところ、どうやら、存在するらしいと
そんな様相になってきているんだが、
そこに至るまでの論争の右往左往も面白いし、
それが発展する経緯や、それによって世代が変わってきているという描写なんかも面白い
完全に読み物として完結しているので、難しい数式というか、
そもそも、ここで解説されているホットハンドが存在するかどうかの証明部分については
一切触れていないというのが興味深いところである
そういう論争の周りだけを描いているというのが、なんというか
ある意味すごいなと感心してしまった
それでいて、ここまで面白いんだから、大したもんだ

ツキがまわってきているとき、それは偶然の一様式でしかないのか、
実際はツキがまわってきているという状態を起こすことができるのか、
考えてみると非常に面白いテーマで、
そこに肉薄するための実験の数々が、地道で大変なんだが、科学の面白さを教えてくれるようで
すごくよかったのである
と、書いてみたものの、実際のところ、シュート難易度とか、様々なものを数値化するという作業は
どうやってんのか、さっぱりわからんだけに、ちょっと書いててほしかったようにも思うのである


最新の画像もっと見る

コメントを投稿