森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「汐の声」山岸涼子

2023-09-08 02:08:03 | 漫画・マンガ・まんが

8月に読んだ漫画です。

「夏を楽しむ その2」、ホラーを読む・・・・なんちゃって。

 

山岸涼子氏の描くホラーは、本当に怖くてそして強く印象に残るものばかりのような気がします。

表題の

「汐の声」をはじめ、「天鳥船(あめのとりふね)」「八百比丘尼」「笛吹き童子」「蛭子」「鬼」。

 

この中の「八百比丘尼」は、以前雑誌に掲載されたときに読んだことがあるもので、とっても後味の悪い(褒めています)良作です。

すべては人のせいで自分は何もなさずに文句ばっかり。そんな自分に素敵なことが起きるはずもないのに。起きたとしたら、それは罠。

なにげに戒めになるようなお話です。

 

「汐の声」は「出る」と噂の家に霊能力者を三人集めて、ホラー特集の番組を作ると言う内容で、可愛いだけで本当はインチキと言われる少女霊能力者に、そこで何が起きたのかと言う物語。確かに一番ホラーっぽくてタイトル的に表題になったかもしれませんが、この中で圧巻なのが「鬼」だと思います。

美大の民俗学サークルの7人のメンバーが行った先は山の中のお寺。

遠くから聞こえてくる子供の泣き声。

かつてその村で何があったのか。

かつての飢饉の村で、親たちが行った口減らしの方法は,無責任な残酷な方法でした。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、と言いつつ、私は蟲毒を連想してしまいました。

(蟲毒とは→蠱毒 - Wikipedia

ゆえに少年は鬼になった・・・。

このお話、夏のドラマスペシャルにぴったりだと思いました。

ドラマになっても見ごたえがあると思います。

 

次の山岸涼子氏の作品はこれを読もうかと思っているのがこれ。

 

 

密林サイトをウロウロしていたら「鬼」が表題のものを見つけました。

 

 

・・・


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ポーの一族「青のパンドラ」Vol.8フォンティーンは歌う

2023-08-03 09:40:14 | 漫画・マンガ・まんが

私は思いました。

「予測不可能」と言う言葉は、このような作品に出会ってしまった時に使う言葉なんじゃないのかなって。

1000年の眠りから覚めたフォンティーン。

まるで昨日から目覚めたようー。

「バラの根が・・・

風の声や季節を 知らせてくれたよ バリー」と彼は言いました。

眠りの中でも、彼は季節を感じ時が過ぎていくのが分かっていたのです。

彼はその時、何を想い、そしてどんな夢を見ていたのでしょう。

何も見なかったから、何も感じず思うこともなかったから、まるで昨日の続きのよう目覚めたのでしょうか。

それとも1000年の間にも憎しみだけを蓄積していったのでしょうか。

 

40年前の昔ー。

あれっ?

もっと前か ?

誰が「ポーの村」の枯れない薔薇の秘密を想った人がいたでしょう。

フォンティーンとバリーの存在も衝撃的でしたが、またその存在自体がすでに神のごとくだった大老ポーの過去を想った人がいたでしょうか。

 

哀しくてそして美しく、怖い。

そんなゴシックホラーだった「ポーの一族」。何やらファンティーンの目覚めで、スペクタクルっぽくなってきたように感じました。

 

前にも書いたことですが、もう神の如くではなくなってしまった大老ポー・・・・

彼は何を考えているのかさっぱり分かりませんが、ポーの一族自体を滅ぼしたいって一番思っているのは彼じゃないのかなんて、思えてしまうんですよね。

ああ、もしかしたら萩尾先生が、そう思っているのかな。

「チャンと終わらせよう!」って。

 

ポーの村は大半が焼き尽くされてしまいました。でも恵みの雨が、フォンティーンの気を逸らしました。きっと火も消えて僅かばかりの薔薇は生き残ったのではないでしょうか。

とっさに状況を読み、フォンティーンにへつらおうとするシルバー。空気読まずで断固と自己主張をして、一瞬のうちに滅ぼされてしまうジェーン。

「あなたに逆らう気はない。」とシルバーは言ったけれど、それは燃えさかる薔薇たちの火を消しその場を収めたい一心。乗り越えたら次の知恵もわくというものですね。上手くはいかなかったけれど、ちょっと考えさせられるシーンでした。

 

そしてアラン。

もうこの展開を考えていた人なんかいるわけないよって、私は思います。

こちらも予測不可能。

でもこっちはこうなっていくんじゃないか、ああなっていくんじゃないかって、いろいろと考えてしまいますよね。

 

と言うわけで、次回は11月号。9月28日頃発売です。

 

 

【Kiriyのなんちゃってお勉強コーナー:ふと思いました。

「予測不可能」と「予測不能」って同じ意味なのかしら ? AIの答え。

《「予測不能」は、この先行きをどのようにするか具体的に分からないと感じる状況を表します。

「予測不可能」は、もうあきらめるしかないと思う状態で使われている言葉であり、すでにこの先の成り行きを考えることは無理と断定するときに使われます。》

なるほど。だけどちょっと分かり辛いですね。

「予測不能」「予測不可能」も今後のことについて、どうなるのかわからない、予想することができない、ことを意味する言葉です。

そのうえで、「予測不能」には、今後の見通しがつかないといった意味があり、「予測不可能」には、今後の見通しがつかないだけでなく、今の時点で今後のことを考えることなどできないと断定する意味を含んでいます。》

なるほどです。→こちらから→「予測不能」と「予測不可能」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈 | 違い比較辞典 (chigai-hikaku.com)

 

 

 


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ポーの一族「青のパンドラ」vol.7大きく息を吸って

2023-05-29 20:18:07 | 漫画・マンガ・まんが

 

ポーの一族「青のパンドラ」vol.6アラン目覚める

の続きです。

 

《ネタバレしています !》

吃驚しました !!

復活したアランは、人間だったころまで遡って復活したってことでしょうか。

思ってもみなかった展開ですよね。

なんかもう、この「吃驚した。」しか感想がないように思います。

 

そこをムリムリ書くとするならば、

「トイレに行きたいなぁ」と思ったり、「ああ、なんて美味しいのだろう。」「もっと食べたいなあ。」と感じたりすることは、素晴らしい事なんだなぁと思いました。

アランが生き生きとしていました。

それなのに、人間に戻ったアランとは暮らせない。餌とは暮らせないとか言われちゃって、なんたる悲劇。

 

でもここに大老ポーが戻って来て、アランを再び仲間に加えれば、もう虚弱体質のアランでもなくて、ポーの村にも入れる資格も出来てめでたしめでたしなのかしら。

だけど、ここでふと、アランにはまた違う選択肢が生じてきて、いったい何が幸せなのだろうかと考えさせられますね。

 

一方バリーはとうとう「ポーの村」に行きました。兄を開放するために。

「・・・・やっと・・・・・」

「来たよ、 兄さん・・・・!!」

ああ、大丈夫なのかしら!?

 

ということで、次回は9月号(7月28日発売)らしいです。

 

 

下の囲みは昨年の5月28日に投降したものなんです。

もう一年が過ぎてしまったのですね。しみじみ~。

 
ポーの一族「青のパンドラ」vol.1
「楽しみな事は多い方が良い。」と吉田拓郎氏も言っていましたが、この新章が始まるのも楽しみに待っていました。今度の「月刊flowers」の表紙は、エドガーとアランで、そして......
 

(6月1日)

追記:最近も漫画サイトの「ピッコマ」に嵌っています。ほとんど無料で読めるところまで読まさせていただいていますが、時々課金しています。

もう「転生」という言葉が出てくるのは、少し離れたいところですが、中には面白くてやめられない作品もあるのですよ。

「虫かぶり姫」とか「見える子ちゃん」とか^^

それで思い出したことは、買ってあるのにまだそこに行きついてないコミックを数冊持っているんです。

6月はそれらもちゃんと読んで、楽しみたいと思います。


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ポーの一族「青のパンドラ」vol.6アラン目覚める

2023-04-29 02:01:29 | 漫画・マンガ・まんが

また連載が再開しました。

ポーの一族「青のパンドラ」vol.5炎の剣の続きです。

その記事の中で

>『その声に感動はしないの。

「アラン !!!」と叫ばないの。

泣かないの !?

って、ちょっと思った(^_^;)』

と、書き込んだのですが、今回、冒頭でエドガーは笑い転げます。

そう来たか~と私は思いました。

「おかしいよ。可笑しくって涙が出る。」

「君は目を覚ました。起き上がってしゃべってる。

・・・・」

最後に言った「・・・・よかった・・・・」にしみじみとしました。

見たかったシーンを見ることが出来て、私も幸せ^^

 

しかしエドガーとアランの会話を聞いていて・・・・読んでいてが正解かしら・・・

この物語のタイムラインは、意外とリアルとリンクしてるんだなと思いました。

ほぼ40年の眠り。

その間の世界の進化。

「今は何年なの ?」に

エドガーは答えます。

「2016年だよ。」と。

思わず私は電卓を出してきて(暗算でやれよ)、今から7年前の時代を生きているエドガーとアランなんだなと思いながら、2016年より40年前の昔に想いをはせる私。

そしてついつい自分の40年間を思う私。

 

一方、炎の剣を手に入れたバリーは、自分の不安の答えを求めて、フォルカの元にやってきます。

過去に因縁があるフォルカには、バリーの気持ちにはこたえられず、だけどブランカが導きます。

1000年の眠りから美しき兄を目覚めさせて良いものだろうかとバリーは悩みますが、、その時、遠い昔の義母と兄のフォンティーンとの幸せだった記憶が蘇ります。

「王国なんかいらない。」と去っていくバリーが本当に望むことは何かー。

 

バリーの悩む気持ちと想いを見ていると、胸がキリリと痛みます。ついつい思ってしまった自分自身の40年間に想いがいくからです。

どんなに望んでも、決して手に入らないものの一つに「過去の幸せな時間」があると思うのです。

私自身も胸をえぐられるような気持になります。子供たちとの幸せだった時間のざわめきが、私の脳裏をよぎります。

切ない !!

彼の気持ちは伝わってくるような気持になりました。

だけどバリー・・・・。

フォンティーンは、1000年の眠りにつくときモンスターだった。

その1000年は深き後悔と反省の年月だったとは思えない。

バリーはどうするのでしょうか。

 

また「ポーの村」に入ることの出来ないアラン。

でも時代は一気に現代になっているわけだし、アランの復活に大老ポーだって関わっていたんだから、サクッと儀式云々とかいう決まりを止めたらいいじゃないと、私なんかは思ってしまいます。

ダメなのかしら・・・・?

 

かつて人々が信じていた伝説や神話を人々が信じなくなったのは、それらの物語が現代と言う時代についていけてないからだと思うのです。たとえ不死の者たちであろうとも、そこに何かの変化がなくては、やがては滅びの運命が待ち受けているのではないかなどと思ったりもします。

もしかして、その変化を望んでいるのは大老ポーなのではないかしら。

バリーに炎の剣なんかを渡してしまったりして・・・・・。

 

だけど物語はとんでもない方向に !

血の神を奪い返そうとして(?)オリオンが表れて、アランの腕をつかみ・・・・はさみで・・・・何したわけ !?

 

復活したばかりのアランに、まだまだ受難は続くのでしょうか。

 

 

 

 

トップ画像は、感想とは関係ありませんが、マンションに咲いているチェリーセージです。

 


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「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~: 4」

2023-04-18 20:42:53 | 漫画・マンガ・まんが

最近は、あらすじなどを手抜きさせていただいて

アマゾンの紹介からお借りします。

『『殿下の胡蝶』と謳われる黄家(こうけ)の雛女(ひめ)・玲琳(れいりん)は、宮中一の嫌われ者である朱家(しゅけ)の雛女(ひめ)・慧月(けいげつ)の手にかかり、互いの身体を入れ替えられてしまった。牢に入れられ、入れ替わりの事実は話せず、己を害した罪に問われ死を目前とする玲琳(れいりん)…と、思われたが。病弱ゆえ常に“死”と隣り合わせで過ごしてきた玲琳(れいりん)は、むしろ健康な身体を手に入れたことを喜んでしまい、持ち前の鋼メンタルで次々と逆境を乗り越えていく――!?』

 

よくよくタイトルを読むと「雛宮蝶鼠とりかえ伝」と入っているんですね。慧月(けいげつ)は宮中の溝鼠と揶揄されている嫌われ者だったのです。胡蝶とと溝鼠が入れ替わる物語であり、そしてこれは、チョーポジティブ人間の奮戦記です。

命を危ぶまれる状況に陥っても、また何もないような掘立小屋に追いやられても、危機一髪の状況になっても、あまりドキドキハラハラしません。

その代わり、ワクワクするのです。この若き女性が、どのようにそれを捕らえ、解決していくのかとかなり楽しいです。

 

私は最初、「ふつつかな悪女では・・・」とは、入れ替わってしまった慧月のことを指して言ってるのかと思っていました。(見かけは)悪女になってしまったと。だけど最後まで読むと、その「悪女」とは玲琳(れいりん)その人のことを指して言っていたのだと分かりました。裏の顔があったというのではありません。

あっ、でもそこの部分はネタバレになってしまうので、書いてはいけない部分でしょうか。だからそこは本の紹介の下に載せておきますね。

 

 

慧月は顔には似合わないような、派手な着物をいつも来ていました。

でもド派手で奇抜なその衣装は、実は彼女の隠されたセンスの良さを表していたのだと思います。ただ、いつも眉間にしわを寄せて、醜くゆがめた顔には似合わなかっただけ。

誰にも愛されずに、両親からも見捨てられて勝手に先に死なれた彼女は孤独な人。常に愛を求めていましたが、愛されることも知らなかった彼女に、人を愛する仕方は分からなかったのです。

人には意地悪ばっかり。

誰からも愛されている玲琳にさえなることが出来れば、自分も殿下からも愛される女性になれると思い込んでの術を使っての入れ替わりでした。でもいざ入れ替わってみると、虚弱な体が待っていただけで寝床から出ることもできません。

かたや玲琳は、健康な体を交換してもらって、申し訳ないと思いながら、すべてに感謝しつつ鎌を振り上げ畑を耕すのです。

悪の所業をなした慧月の不幸せだった今までの人生・・・・

やはりかつては皆に蔑まれて苦しい人生を送っていた、下級女官の莉莉(リーリー)

皆それぞれのエピソードにも引き込まれます。そして、彼女たちの裏で糸引く者も決して憎みきれる者ではないのも良くて、それぞれの未来があるのが良かったです。

 

溝鼠と蔑んでいたのに、「いつごろか、なぜか奇麗に感じるようになった。」と周りの者たちも思います。

 

要するに、美と醜はその作りにあるのではなく、内なる輝きからなるものかもしれないと言ったら。月並みすぎるでしょうか。

 

入院中、すでに買ってあったこの漫画の、ヒロインのポジティブさに救われました。

今の病院は患者さん同士のおしゃべりはダメなようです。(コロナのせいだと思います。)それでも、ほんの少しだけおしゃべりした若い人と

「まだ死に直面していないのに、死ぬかもしれないと心を痛めくよくよするするのは、無駄な時間だわ。」というようなセリフがあって、まさにそうだよねなどと、短い会話を交わし、友達になりました。

私はスマホで買い物をした経験がなかったので、入院中は、その先を購入して読むのは控えていて、家に帰ってきてからも、サポートが切れていたPCからの買い物は控えていて、少々続きを読むのを我慢していました。

4月になって、とうとう最後まで読むことが出来て嬉しかったです。

この先の話もあるみたいですが、それは今の段階では、小説版のようです。

 

 

 

 

 

 

【ネタバレしています。】

ポジティブで努力家。その努力から生まれた才能。人には優しくいつも嫋やかな気づきがあるのです。

誰も彼もがそんな玲琳に夢中になり、惹きつけられます。

彼女に励まされた人々は、彼女に会いたがり、傍にいたくなるのです。

そして結局は、玲琳の思ったように人は動き事は運んでいくのです。

莉莉は思います。こんな悪女はいないのだと・・・・。

 

お勧めできる作品だと思います。

 

・・・


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ポーの一族「青のパンドラ」

2023-02-12 14:54:04 | 漫画・マンガ・まんが

月刊フラワーズで、もう全話読んだのだから要らないのではと思いながら、そうはいかないのがその作品その作者への「愛」と言うものだと思います。

2月9日に本屋さんにて買い求めてきました。(「金の国 水の国」」はこの時一緒に買い求めたものでした。)

 

「青のパンドラ」と言うタイトルに相応しい美しい青色の表紙でした。

 

やはりまとめて一気に読むと、迫ってくるものが違うような気がします。

神話がそこにあり、壮絶な歴史物語が寄り添っていて、そして人間としてかなり長い間を生きて、そして時を止めた大老ポーとそのつれ合いだった老アンナの人生の歴史が語られました。

人だって、イヤ、ありとあらゆる生き物は、自分たちがどこから来て何処に去っていくのかを知る事がありません。

彼らの一族もそれは同じです。

ただ血の神と言う存在が、彼らの来た道を辿れる唯一の存在なのかも知れません。

「ゴシックホラー」と呼ばれたころも懐かしいですが、SFチックなこの作品も良いですね。

 

ひたすら神のような存在だった大老ポーが、何やら人間臭さを感じさせいきなり身近になりました。

フォルカにはじいさんと呼ばれ、ブランカに役立たずと責められる大老ポーはちょっと気の毒(笑)

だけど彼が何を考えているのかもよく分からず、ちょっとずれていた事を書いていたかも知れないそれぞれのお話の感想は、以下にリンクしておきました。

あっ、書いてないけれど、アーサーは頼もしくカッコいいですね^^

 

ポーの一族「青のパンドラ」vol.1

ポーの一族「青のパンドラ」vol.2

ポーの一族「青のパンドラ」vol.3

ポーの一族「青のパンドラ」vol.4

ポーの一族「青のパンドラ」vol.5炎の剣

 

※ 本日2回目の投稿です。

前の『相棒21 第16話「女神」』もよろしくお願いいたします。

 


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「金の国 水の国」

2023-02-11 12:54:13 | 漫画・マンガ・まんが

やはり入院中にKindleのお試し版で途中まで読みました。

スマホからのお買い物が未体験だったので、セキュリティなどを確認してからと思って、その時はその途中までで我慢していました。

でもその途中まででも、この作品が凄く面白いのは分かってしまいました。

 

この漫画のアニメが公開されることを知ったのは、だいぶ前で、実は試写会に申し込んで落選していました。

家の近所の映画館だったので、てっきり行けると信じていたのに落選。

いろいろと今は厳しいのかしら(^_^;)

 

それでも試写会時のあらすじを読んでも面白いなと思っていたので、ちゃんとお金を出して見に行きたいと思っていました。

退院してからの最初の1作目を、キムタクにするかトヨエツにするか(お二人とも一時期は、こう呼ばれることを悩んでいたのですってね。でも日本人、ブラピって言うし、ジョニデって言うし・・・・レオ様って言われることを考えたら、すべてOKなような気がするな。)、はたまたこの金曜日水曜日のアニメにするか(違うけど)

自分の胸に手を当てて、今の気持ちで正直に選ぶとしたら、やっぱりこの「金の国 水の国」だなと思いました。

 

ところが諸々の雑用あり、少々の気力体力も無しで、なかなか行くことが出来ません。

そうこうしているうちに、またも本屋に行く機会があり、「あの途中になっている漫画の続きが読みたいな。」と言う気持ちが沸き起こり、原作の方を買い求めて読んだのでした。

 

私は泣き虫。

だから「泣きました。」と言う感想が、皆さまの役に立つとは思えません。それでも買って来てからの一日でも思わず繰り返し読み、そしてその度に涙してしまうのでした。

それは哀しみの涙ではありません。

世の中には「心を洗い流す」と言う言葉があったような気がしますが、まさにこの漫画の涙はそれ。

知らず知らずのうちに涙がポロポロ零れます。

 

主人公の金の国のお姫様、サーラは本当に可愛らしい。

でも作者がうっかり、顔の線を横に伸ばしてしまったのかと思うような四角い顔と輪郭の大きめの体型をしています。

水の国のナランバヤルも、けっしてイケメンと言うわけではないのです。

 

だけどこれは間違いのない、美男美女の物語だと思いました。

 

敵対するA国とB国が、友好の為に、国で一番の美しい娘と一番賢い若者を送りあい縁組をする事になりました。そんな中、A国の姫サーラはB国の青年と偶然出会い・・・。

本来ならば、二組のカップルが生まれるわけですが、A国もB国も、送りあったのは・・・・・。

けっこう笑いどころがいっぱいです。

私、病院で試し読みの所で、声を出して笑ってしまいました。

(面白いし、内容が良いので細かい所もネタバレなしで書いています。)

 

それにこの作者の方は、シーンの切り取りが上手いと思いました。

辺境の地に住む93王女のサーラの少女時代が、たった3コマぐらいの夢のシーンで、(たぶん)孤独で寂しい時代だったのではないかと推測出来たり、B国の族長の言葉から、族長とナランバヤルの家族とは、特に父親(?)とは何かあったのかも知れないと、推測できるような気がするのです。

そして大事なシーンを大きく描くと、その後のシーンは省略で、次の話を運ぶのは当たり前のように見えて、かなり画期的に感じました。

だからこの物語は、1冊で完結しています。

 

 

 

スペシャル版は他の方のレビューを読むと、カラーとイラストが多いらしくて、物語の描かれなかった部分へ想像が増すような、そんな感じを受けました。

 

・・・・


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ポーの一族「青のパンドラ」vol.5炎の剣

2023-01-07 18:49:55 | 漫画・マンガ・まんが

ポーの一族「青のパンドラ」vol.4の続きです。

ひとつ前の記事と更新の間があまり空いていません。

「いちげき」と「永遠のニシパ」もよろしくお願いします。

 

 

今回は、かなりの冒険活劇(古っ!?)&急展開でしたね。

炎の剣で、まるで炭の塊のようになっていたアランは人間の形を取り戻しました。

そしてあとは気まぐれな青い霧(血の神)の力によって、更にうまくいくかどうかという所まで来ました。

ところがそこにアルゴスがやって来て、必死の形相でそれを止めます。

「俺の壺だ。かってに使うんじゃない。」と彼は言いましたが、止めた理由はそれだけなのかしら。

 

アルゴスにオリオンがやられ、エドガーもやられてしまいます。それをバリーが大老ポーから譲られた炎の剣で立ち向かいます。だけれどアルゴスの杖でその剣も弾き飛ばされ、空で回転したそれはエドガーが手に取り、再びアルゴスに振り下ろすと、アルゴスは壺でそれを受け止め、なんと壺は割れてしまうのでした!!

これ、アルゴス登場から割れてしまうまで6ページ。

少女漫画だから、6ページ。少年ジャンプだったら、2回に分かれてしまうようなシーンだと思いました。もちろん、やられるたびに戦いやその強さの感想のセリフが入るわけですが(笑)

そして行き場を失った青い霧は、すべてアランの中に入ってしまった模様。

アランは真っ青に染まってしまいました。

 

アルゴスは彼の神を失って、そしてオリオンに「死ね」と言われ、涙ぐみます。

アルゴスよ、お前の真意は何処にあったの ?

 

大学教授のライナーとカミラ。馬車を目撃するだけのモブの人かと思ったら、アルゴスはカミラを襲います。この時のライナー、最低よね。

だけどアルゴスがカミラを襲ったのは何のため ?

 

バリーは炎の剣を持って、愛する兄を解放させるために、たぶんポーの村に戻ったと思うのです。

剣をバリーに渡したとき、大老ポーは、前から私も気になっていた事を言います。

「千年縛られていた者を 開放するのが その者にとってよいことかどうか」

「よく考えろ。私は保証しない。」

 

一行は真っ青になったアランを連れて、アーサーの邸宅にやってきます。

そしてポー大老とオリオンはベニスに帰ります。

ファルカはブランカの事も気になるからと、一旦パリに帰る事にします。

 

そして朝になると、髪も眉毛も肌の色も普通に復活して、まるで何事もなかったように、アランが目覚めるのです。

「ずっとそこにいたの ?

エドガー ?」

エドガーは、髪・眉・まつげがちゃんとあるとチェックを入れるけれど、そこじゃないんじゃないのかな~。

昨日まで炭だったんだよ。

その声に感動はしないの。

「アラン !!!」と叫ばないの。

泣かないの !?

って、ちょっと思った(^_^;)

だけどアランは爪の先に血の神を宿していました。

 

ああ、この先どうなるの !!?

 

「来春の登場をお楽しみに。」と書いてあったけれど、そりゃいつやん ?

 

 

・・・


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マンガ日本の古典「平家物語上・中・下」

2022-12-09 23:32:31 | 漫画・マンガ・まんが

11月11日に読了。

なんだかんだと、今年の私は源氏と平家の間を行ったり来たりしているような気がします。

「吾妻鏡」を読んだのなら、こちらも読んでおこうと思いました。(「マンガ日本の古典 吾妻鏡 上・中・下」

 

横山光輝氏のあとがきに

「学ぶことが多かった。」と言いつつも

「しかし貴族の生活ぶりがもう一つぴんとこないのである。いったい公家や殿じょうびとと言われる人々は、どの程度の力を持ち、どの程度の贅沢をしていたのだろうか。家来は雇人はどれほどいたのだろうか。どうもつかみきれない。」とありました。

それは正確な数字をもとにして描かれた歴史軍記ではなく、これは琵琶法師が伝えた諸行無常の物語だからだと思いました。そして人々がわずかなエピソードで消えていくのも、そのためかと感じました。

 

「平家物語」は、地下人と言われ貴族の番犬的存在であった武士が、ついには貴族をしのぐ立場になりくらいを極め、そして滅んでいく物語。

敗者の、そして滅びの美学が、そこにあるのかも知れません。

 

この「マンガ 平家物語」は、如何に平家が台頭し滅んでいったのか、凄く分かりやすく描かれていて、私自身も深く学んだように思います。

僧兵の強訴、以仁親王の乱なども。

また人は傲慢・非道になった時、必ずその報いを受ける様な気もしました。

 

長い「平家物語」で、どこの部分を切りどこの部分を取り上げるのかは、その人に寄るのだと思いました。

この本は、古典「平家物語」ではありますが、歴史物語に重点が置かれているような気がしました。

 

もしこれを女性が描いたら、ちょっと違う視点になったのではないでしょうか。

 

中学生の頃、少年少女版と言うような「平家物語」を読みました。

その時印象深かったのは、鹿ケ谷の陰謀で徳利が転がってみんなではしゃぐ姿に愚かさを感じたことで、それは今回も同じでした。

だけどその結末は、この漫画の方が詳しく描かれていました。

 

だけどみんなが恩赦によって国に帰されても、俊寛は帰されず、ボロボロになって死んでいく、漫画ではそんなシーンは無しです。

また平家の人々は、明日は戦いと言う時、必ず毎回、それぞれが妻たちと今生の別れと来世での契りの約束をして別れていくという事が、その少年少女版では書かれていましたが、もちろんこの漫画では無し。

祇王・祇女・仏御前の話も皆無・・・・・。

 

横山光輝氏は、そういうのは苦手だったのか、もしくはあえて軍記ものに特化させたのかも知れませんね。

 

最後に平家にとって、人格者であった後継者の重盛が若くして亡くなってしまった事が、一番の痛手だったのかも知れないと思いました。

 

 

《摂関家との牛車事件(資盛)・高倉帝と徳子の結婚・鹿ケ谷の陰謀・以仁親王の乱に向かう所まで》

《以仁親王の乱から清盛の死、そして木曽義仲に敗れ押されて福原に、更には大宰府に逃げていく所まで。結構惨めな逃走劇。園城寺、三井寺、興福寺に行ってみたいな。》

《そしてクライマックス。平家は意外と粘っていました。》

 

・・・


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「キャットニップ4」

2022-12-04 01:49:39 | 漫画・マンガ・まんが

先日、「月刊フラワーズ1月号」の予約を入れようと、Amazonのサイトを開いたら、この本が発売されている事を知りました。迷わず買い求めましたが、読めば必ず泣いてしまうという物語をなぜ私は買うのかと、自分に問うてしまいました。

でも買って読まずにはいられないのです。

大島弓子さんの猫愛に触れたいから。

そして大島さんの家の猫たちの生き様に触れたいから。

でもこの本は、作者にそんなつもりはなくても、猫さんたちへのレクイエムになっているように思います。

帯にも「愛と哀しみの第4弾」とあります。

 

トラのお話。ミケマルのお話。モーモーのお話。じみ山のお話。きじ太郎のお話。ウリちゃんのお話。

野良猫デラックスのお話。カラス子のお話。

ドライアイが治ります !

 

去勢したのに、発情期が来てしまう猫「じみ山」。雄たけびとスプレーで作者を悩まし続けたというのに、脱走して帰って来なければ、心配のあまり歌を書きます。

「たちわかれ いなばのやまの みねにおふる 

   まつとしきかば  いまかへりこむ」

この歌は、私が大好きな在原業平の異母兄在原行平のもので百人一首にもありますよね。

《この歌は、別れを惜しむ歌ですが、一方でいなくなった人や動物が戻ってくるように願う、おまじないの歌》なのですってね。

漫画から、いつも多くの事を学ばせていただいています。

大島弓子さん、また昔の抒情詩のような作品をお描きにならないのかしら。

 

4匹の猫が死んで、多い時には14匹の猫がいたというのに、とうとう2匹になってしまいました。

だけど何匹いても、猫たちが亡くなるとペットロスになってしまうのです。何匹いようが、みな違う猫。大島さんの猫への愛が本当に伝わってきますよ。

 

また、別れの時、それぞれに感謝の気持ちを感じ、そして「ありがとう」と言うのです。

これを読むと、我が家の可愛らしい猫たちに想いが行きます。

 

また大島さんの猫たちは、皆、老猫。15歳前後で橋を渡っていきます。

やはりそのシーンを読むと、たった10歳で亡くなってしまった、我が家のももちゃんの事を想いだし、涙ぐむのでした。

 

 

 

 

トップ画像は、我が家のクウちゃんです。

 

関連記事 : 「キャットニップ

「キャットニップ2」と「なのはな」

「キャットニップ」3

「グーグーだって猫である」

グーグーだって猫である〈5〉〈6〉


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