森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

冒険少女の気持ちで散歩する

2025-01-23 17:43:12 | 梢は歌う(日記)

冒険少女の気持ちで散歩する。

もちろん、少女の部分には(元)がつくわけですが、いつだって外に行く時には、そんな気持ちを心の片隅に持っていることは大事なことなのではないかしら。

冒険少女と言ったって、森の奥深くに旅に出るわけではないし、河の淵を歩き回って、名も知らぬ植物採集に勤しむわけでもありません。

ただそんな気持ちを微かにでも持って、街を歩くと、やっぱり楽しいことに出会うような気がするのです。

 

23日、夫に頼まれた印鑑証明を取りに市役所の出張所に行きました。

今は自転車にあまり乗りませんので、バスで行きました。

ご用はすぐに終わってしまったわけですが、それだけで帰るのもつまらないなと思い、銀行に言って小銭を入金してきました。

50枚ずつしか受け付けてもらえないので、3つの通帳に入れて、全部で600円の預金です。

家の中の整理整頓も、そんなところでもやっています。

 

予定では、駅にあるパン屋さんでパンとコーヒーのランチタイムを取ろうと思っていました。

でもそれはいつもやってることなので、やっぱりつまらないなと思いました。

確かこっちのほうに、素敵なカフェがあったんじゃなかったかな。

トボトボと行ってみると、お休みだったのか、それとも完全に閉店なのか、ドアは固く閉じられて看板も出ていませんでした。

明るいお洒落なお店だったのにー。

 

最近、こちらの方に来てなかったなと思いました。

ああ、あのお店でイタリアから買い付けてきたと言うネックレスを買ったなー。

英会話教室で知り合った人のお店でした。今、訪ねても、私の事を覚えているかしら。

ああ、あの先生は、まだ変わらずに頑張っているのねー。

昔やっていた同業のホームスクールの看板に、懐かしさを覚えます。

変わらない風景。

だけど変わっていく街並みー。

 

トボトボと歩いていても、夕方から開くお店やお弁当屋さん、美容院に歯医者しか見つからず、駅に戻ろうと思いました。

と、その時、「軽食とおそば」みたいな張り紙があるお店に目が留まりました。

「営業中」と書いてありました。

そう言えばこのお店、なんだかずっとあるような気がすると思いました。

小さなお店で、入り口の前の駐車場に車が止まっていると、心情的になんだか入り辛いような気がしました。

こう言うのって、デザインの専門学校などに行くと、入りやすい店のデザインをするという課題などで学ぶそうですね。

 

でもここで、私の冒険少女の気持ちが動いたのです。

「知らないお店に入ってみよう。」と「いざ!」と言う気持ちになりました。いや、そう書くのはちょっと大げさですね(笑)

お店の中に入ってみたら、店内も狭かったですm(__)m

決してお洒落とは言い難い m(__)m

でもお花がいっぱい飾られていました。

お客さんが描いたのでしょうか。お店の水彩画も飾られていました。

 

メニューと言うものを持ってきてくれる雰囲気ではなかったので、壁にかかっているお品書きから「親子丼セット」を選びました。お店に「おそば」と謳っているので、おそばも食べてみたいと思ったからでした。

狭い店内に年配の常連さんが、来ていました。

しばらくするとその常連さんが私の名前を呼んだのでドキリとしました。「あの車、××さんよ、きっと。ほらっ、当たった。」と車の影で、入ってくる人を当てていたのです。その人もその常連さんと相席になって、今日の出来事を話しだしました。

私が入ったことで、「もう行くか。」と帰ったご夫婦もいたので、なにげにこの小さなお店は繁盛していたのです。

親子丼もおそばも美味しかったです。

私はお水を貰って、朝飲み忘れた薬を飲んでいました。朝の分の薬は9錠と数も多いのでした。

ちょうどその時、そこに先にいた人たちよりかは、多少若い感じのご婦人が入ってきました。生保レディでしょうか。働くご婦人という感じがしました。

その人は奥にいた常連さんに挨拶をしました。

「久しぶりじゃない。」とその人は言いました。

「ええ、ちょっと。」とその人は言って、またお店の人に声を掛けると、お店の人も奥から出て来て

「なあに、久しぶりじゃない。」とまた彼女に言いました。

 

この小さな店内の和気あいあい感に、凄いなと思いました。

このお店の前は何度も通ったことがありましたが、こういう世界が広がっていたのだなと思ったからです。

みんな知り合い。その中で私だけがよそ者です。

でも感じのいい空間でした。

さぁ、帰ろうかなと思った頃、お店の人が私に

「薬ばかり飲んでいないで、このおみかんをお食べ。」とミカンを1個、目の前に置いてくれたのです。

 

 

その方は、我が母よりかは若いと思いますが、それでもたぶんずっと年上の人。

驚きながらも私には、その言葉がとても優しい言葉に感じて、嬉しくもなり心が温かくもなり、満足しました。

「知らないお店に入ってみよう。」と言う冒険少女の気持ちが、それを私に与えたのだと思いました。

 

 


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