昨年、2009年に「さよならだけが人生サ」と「さよならだけが人生サの続き」と言う記事を書いてから、あっという間に一年がたってしまいました。
その時の少年は、学年で一番になったと風の噂で聞きました。良かったなぁ。
そして今年も去っていく者たちとの別れの季節がやってきました。
先駆けて12月、他塾の冬期講習に合わせて去っていった少年がいました。
この少年は本当に煩い少年でした。その煩さとの係わり合いとは、それだけでドラマが出来るほどですよ。
最後の日も煩くて、帰るときも煩くて、頭が痛くなってきた私は、
「しゃべっていないで、早くお帰り。」と言いました。
「うじゃ!」と言って去っていった少年。
みんなが帰ってホッと一息ついた頃、そういや彼は最後だったのだと気が付く有様。
こんな最期で良かったのかと思いましたが、後の祭りでした。でも後悔というより、笑ってしまったりして。8年近くも付き合ってきたというのに。
「うじゃ。」と言うのは「そんじゃ」と言う事で「それじゃあ、さよなら」と言う日本語だったのに違いありません。
風の噂では、移った塾には友達が一人もいないので、仕方がなく黙って勉強しているそうです。メデタシメデタシ。
また別の少年の話。
彼はハンサム。しかもそれなりの雰囲気もあって、はっきり言って未来はイケメンです。
あるとき私はみんなに言いました。
「惜しいなぁ。今が学年末の勉強中でなかったら、『身毒丸』のオーデションにみんなで挑戦すると言う企画も出来たのにね。」
たとえ書類審査で落ちてしまっても、そう言う経験も得がたき体験だと思います。でも、もしかしたら彼ぐらいは、一次の審査ぐらいは通るかもなんて考えていました。不平等になるといけないので、「みんな」と言いましたが、最初からその少年が狙いです。
それは単なる「思ってみた」と言うオハナシで、もちろん目の前のテストが大事です。
「思ってみた」だけだって、
―イケナイイケナイ、お母さんに知られたら叱られちゃうよ、私。
と思ったぐらいですから。
でもその話は、ちゃんとその母に伝わっていました。中学男子、結構母と会話がある子はあるのです。(反面何も言わないと嘆く母も多し)
まんざらでもなかったようで、ジョークが分かるお母さんで良かったです。
その少年も後一回。だけど、もしかしたら次の入塾テストの為にその一回が来れないかもと言いました。
前の失敗があるので、それではちゃんと玄関まで送ろうとしたら、廊下ですし詰め状態になってしまいました。前を歩いていた彼が立ち止まって廊下の本箱の本や飾りを手に取りだしたので、狭い廊下に人が詰まったのです。
いつの間にか大きくなってしまった彼らに挟まれて、前に進めず
「おいおい、どーしたんだ、これ。」と声をかけると、やっと彼は諦めたように本を元に戻したのです。
「ジャンプアップの為にここを出て行くんだから、頑張るんだよ・・・。また遊びにおいで。」と言うと、
「来年、ちゃんと報告に来ようっと。」とやっと明るい声になりました。
「でも、こんな風に挨拶しちゃって、来週も来たらかっこ悪い・・。」と言うので
「そんなことないよ。気にせず来てね。おやつは君の分まで買っておくから。」
そう、次回は5分休憩におやつを出す事になっていたのでした。
「イヤだわ~、うちの子、おやつが食べたかったのかしら~。」と、次回も行きたいと頼まれたその少年の母は笑いながら、「もし行ける様なら、行かせていいですか。」とお電話をくれました。
でも、それは違います。あまりにも突然に次の塾とスケジュールが決まった為に、彼の中には別れが上手くいかなかったのです。生まれた未練はおやつにではなく、この場所、ここにいる仲間たちにでした。
今朝、彼から「次回行けます。」とメールが入りました。
最後の日の別れは、あっさりといきたいと思います。だって、寂しいのは私もなんですよ。
本当に寂しい・・・。
でもこれで良かったのだと、いつも思います。
だけど、シャトレーゼの100円ケーキで良いやと思っていたのですが、もうちょっとアップしようかな・・・と思案中。