森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

阿修羅に会えた!―奈良日記3

2010-11-04 14:18:46 | お出掛け日記
「ワイワイギュウギュウ家族旅行/奈良日記その3」
画像はチケットです。

雨は遠慮なく降り続き・・・

斑鳩から奈良駅に戻ってきた私たち6人は、欲張りにも次に向います。
いや、正確に言うと、欲張りなのは私と姉だけ。

「もう、ノンビリするよ~!」と言っても、誰も文句を言わなかったと思います。

だけど姉には興福寺の阿修羅を諦めるなんて出来ない事なのです。最初から外さない予定に入っていました。
実はワタクシも、それは楽しみにしていました。
なぜなら東京国立博物館で「阿修羅展」をやると知った時、そのチラシをいち早く確保して楽しみにしながら、どうしても時間が取れなくて諦めたからです。
このイケメン仏像と言われた阿修羅は上野の山に行列を作り、会期終了5日前には80万人が来場しました。

更にお話は少々横道に逸れますが、私がこの阿修羅に心引かれたのは光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」の影響です。
またか!
そう思いましたか?
ええ、そうです。いろいろなものが絡み合って、興味の連鎖が続いているのです。その小説を読んだのは萩尾望都の漫画を読んだからです。
以前、漫画カテゴリーで「あるよ!」と言うタイトルで漫画の感想を続けて書いていましたが、次はこの漫画の感想と思ったところで想い出に浸りすぎて、止まってしまったという・・・
まあいいか、横道に逸れすぎですね。

だけど萩尾望都の阿修羅を知っている者には、この阿修羅展を諦めたのは、かなりがっかりな事でした。

と言うわけで、元ある場所でそれを見る事が出来ると思えば、そのチャンスを逃してはいけないことです。

ちなみに

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA)
光瀬 龍
早川書房
百億の昼と千億の夜 1 (少年チャンピオン・コミックス)
萩尾 望都
秋田書店

ふふふ、懐かしい。SF小説の大傑作ですよ。(但し、個人的な考えですが、キリスト教の方には向かないと思います。)

さていい加減に、お話を奈良に戻します。
奈良駅から興福寺までタクシーで、二台に分かれていきました。続けて二台走ってきたのに、750円と840円に値段が分かれました。
こういうのはちょっとしたタイミングなのでしょうね。でもなんか変な感じ。

雨なので既に辺りは薄暗く、興福寺拝観は明日と言うことにしました。その日は国宝館だけ。
30分待ちと言われ雨の中を並びましたが、あっという間でした。

中に入れば、待った甲斐があったと言うものに出会えました。

阿修羅像はやはり一番人気があったと思います。そこで人の流れが止まります。
本当に阿修羅はイケメンでした。
画像を載せる訳にはいかないので、こちらの方にリンクしておきますね→阿修羅像
そこからいろいろ飛べると思います。

その阿修羅を含めた乾漆八部衆立像(かんしつはちぶりゅしゅうぞう)は、みんな個性的で愛らしい。ファンタジーなどを書いたりする人にはたまらないワクワクモードにスイッチが入る像たちだと思いました。

そのほかに印象深かったのは、板彫十二神将立像(いたぼりじゅうにしんしょうりゅうぞう)、木造金剛力士像など多数。見ごたえがありました。

出口間近に映像コーナーがあって、阿修羅の見辛かった側面の顔を良く見せてくれました。左側面にある顔は正面より幼い顔に見え、右側面の顔は、正面の顔より少し大人びた顔に見えました。いずれも若く美しい。

何処かで見た阿修羅はもっと怖かったように思いました・・・・
ちょっと調べてみました。その怖かった阿修羅は三十三間堂にありました。それから、なんと法隆寺の五重塔の中にも、興福寺の元になったとされる阿修羅像がありました。そういえば五重塔の中は覗かなかったのでした。

見逃したと言えばそうなのですが、すべてを見逃さずに見るなんてことは無理な事なのです。いろいろと欲張りであっても、そこまでは欲はかいてはいけないなと思います。

と言うわけで、興福寺国宝館は終わりです。そして、次へ・・・




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柿食えば―奈良日記2

2010-11-04 02:21:36 | お出掛け日記
「ワイワイギュウギュウ家族旅行/奈良日記その2」は(サブタイトルが長いのです。)斑鳩の里「法隆寺」です。

私が奈良に行ったのは3回目です。中学の修学旅行のその後は大学生時代。その頃は手塚治虫氏の「三つ目がとおる」や井上靖の「額田王」に心ときめかせ、飛鳥地方を中心に回ってきました。飛鳥の石仏群や酒船石や亀石、石舞台に萌えに萌えました。ロマンです。

でも、その後に山岸涼子氏の「日出処の天子」を読んで、何故「法隆寺」を外してしまったのかと悔やむばかり。またいつか行きたい場所でもありました。五重の塔や夢殿で厩戸の皇子の世界に浸りたい・・・遠い日の憧れです。
ちなみに「日出処の天子」は歴史物語のようでありながら、その実態は刹那過ぎる恋のお話です。二回読むと胸をかきむしりたくなるような苦しさが理解できました。「絶望」がその後の原動力になったのかもしれない。そんなお話。やっぱり凄いロマンです。

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)
山岸 凉子
白泉社

まあ、ワタクシは漫画や小説、ドラマなどに影響されやすいのです。エヘヘ~。。。



「法隆寺」の五重塔は、歴史を感じました。もっとアップの写真はなかったかしら。塔の上の鎖鎌が見えませんね、これでは。

「法隆寺」のロマンは、その謎の深さにもあると思います。結婚したばかりの頃、
梅原猛氏の本を読みました。ちょっと超蛇足ですが、その本を読んでいたら、図書館にはこんな本しかないのかえと姑に言われた事がありました。よほど変に感じたのでしょうね。

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)
梅原 猛
新潮社
その謎に迫って見学してきた訳ではないのですが、この寺には聖徳太子の一族の魂を沈めるための寺と言う説もあり、別な言い方をすると怨霊封じ込め、怖いです。

ちょっとそんな門の柱などを・・・

五重塔の隣にある金堂。



この中の仏像も拝見してきましたが、ちょっと早くも記憶が飛んでしまいました。でも貰ったここのパンフには内部の様子が載っていました。だからそういうパンフもなかなか捨てることが出来ないのですよね。

そこにも謎があるそうです。詳しく知りたい方は「法隆寺の謎」で検索すると、いろいろ出てくるので検索して見てください。もしくは、上記にアップした「隠された十字架」をお読みくださいませ。

ただその金堂の仏像もそうですが、この法隆寺の建物にはさまざまな時代のものが存在しています。古くは飛鳥、そして奈良・平安、鎌倉とさまざまな時代の建物によって「法隆寺」は完成されているのです。

このお寺にあるのは建物も仏像も国宝ばかりです。大宝蔵院にて「玉虫厨子」や「百済観音」などを拝見してきました。
玉虫厨子は懐中電灯で照らすと飾りの下の玉虫の羽が光る部分もあって驚きです。

横で見ていた姉が、「これは死んでいる玉虫の羽を使ったと言うのかしら。」と呟きました。ナイスな質問です。
ただ「へえ~」と言って見ていてはいけないのです。←ちょっと偉そうな言い方ですが、理由があります。
いろいろ考えながら拝見する、ゆえに記憶に残っていくのだと思います。

ちなみにこの玉虫の厨子の玉虫たちは死んでいる虫の羽を使ったのではないと思います。事実は知りませんが、小学6年生の時に国語の教科書に載っていた「玉虫厨子の物語」の記憶では、玉虫たちは死んではいなかったと思います・・・・
本当のところは、あまりに遠い過去なので記憶定かではありませんが、そうでなければ、その時の先生が烈火の如く、私たちの読解力のなさを叱り飛ばすわけがないからです。クラス全員が、仏師は玉虫厨子を完成させて満足したと答えたのです。それを聞いていた先生は急に怒りまくり、長いお説教と共に、仕方がないなと思ったのか、その本の解説をしてくれました。印象深い授業でした。玉虫の生と死。完成させたからと言って、そこには満足以外の何かが生まれていた。
もう一度読んでみたいお話ですね。いまだと絵本も出ているようです。(だけど解説に「恋のお話」とあって、そんな話だったっけと微妙な気持ち)
だけどもちろんそれは物語です。本当のことは分からないのです。分からないのに、やっぱりこの厨子を見るとその物語的な目で見てしまい、しみじみとしてしまうのでした。


次にそこで印象深かったのは百済観音です。長身スリム、手が綺麗です。

と、ここでさっき偉そうに言っていたことが、再び今度は自分自身に言いたいと思います。
「へえ~」とか言って見ているだけだと、記憶にとどまりません。他には教科書でおなじみの聖徳太子の絵や守護神たちの像ぐらいで、後はもう記憶の片隅に・・・。
まあ、基本的にはあまり仏像には興味がない私なのです。


↓「夢殿」<奈良時代>と「東院鐘楼」<鎌倉時代>







オヤッ、「夢殿」って奈良時代・・・!?
この中で太子が瞑想していたって言うのはナシですね。

ああ、この中で毛人と一緒に雨雲を動かしたと言う妄想が・・・(日出処の天子)
夢殿は思っていたよりも大きかったです。


↓「東大門」<奈良時代>と総門である南大門<室町時代>



夢殿からの帰り道、雨が激しくなってきました。ちょうど中門近くの屋根のある休憩所にいたのですが、辺りを見渡すと、奈良ではまだ早いと思っていた紅葉が。なんだかちょっとラッキーな気分。







中門<飛鳥時代>



斑鳩は、みんなみんな雨の中~♪


ちなみに「法隆寺駅」からはバスで「法隆寺門前」まで来るのが便利です。だけど天気が良くて足に自信があるのなら、駅から歩いても、それもまた楽しい気がしました。





絵本玉虫厨子の物語 (愛と真実の絵本)
太田 大八
童心社
10分で読める名作 六年生
木暮 正夫,岡 信子
学習研究社



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