62回正倉院展
「ワイワイギュウギュウ家族旅行/奈良日記その4」
「正倉院展」顛末記です。感想は下のほうにちょっとだけ書いてあります。
ちょっと時間が飛びまして、
奈良から京都に向う帰りの電車の中の中吊りに、正倉院展のチラシがぶら下がっていました。私は満足な気分で姉に「行ったね。」と言いました。でもふと思いついて、言葉を続けました。
「でもあの時に行っていなかったら、あのチラシを見ただけでも不機嫌な気分になって、今頃は烏天狗のように唇が尖がるところだったわ。」
すると姉は
「うん、本当に行って良かった。あの時既に烏天狗のような顔になってから。行かなかったら今頃恐ろしかった。」と言いました。
「ええ、そんな顔してた!?」
「してた!」
ああ、そう。
でも烏天狗のような顔になっても仕方がないってもの。
興福寺で国宝館の中に入る為に待っていた私たち。
30分待ちと聞いて、父は嫌そうな顔をしました。
父は「法隆寺」だけで疲れてしまっているのです。分かってはいたのです。だから計画では、この興福寺の後はホテルに先にチェックインと言う案もあったのです。でも姉は、国宝館前でこれから阿修羅を見る事が出来る為に満足しているのです。そして、父の疲れた顔を見て、何を抜かしたかと言うと、「今日はここで終わりだなぁ。」
「にゃ、にゃんだと。」←心の声
「だって、駅で75分待ちって言っていたじゃない。無理よね。」
「だけどお父さんは、正倉院展、いいなぁって言ってたよ。」
「行くと思っていないから言ったんだよ。諦めてもらおう。」と姉。父たちに先に帰って貰うと言うのではなく、みんなで一緒に帰る雰囲気。
なんだか、ムカムカしてきました。その時だんだん顔がカラスになっていたのですね。
だって「正倉院展」開催中に奈良に来て、それを外すなんてあり得ないでしょう。
それに、例えば友人に
「奈良に行ったんだ。」と何気なく報告と言うか、ある意味ささやかな自慢をしたとするでしょう。すると、友人が
「ああ、じゃあ、『正倉院展』に行かれたのね。」と言う。(そんなことを言う人は、実は一人ぐらいしかいない、たぶん。)
「ううん、今回は家族と一緒だから諦めたの。」と私が言う。そんな妄想。
ああ、何か嫌。
要するにどうしても行きたい理由は、自慢したいがための私の見栄かしら。
ああ、そうさ。
私は自慢したい。
自分に。
「奈良に行ったんだ。たまたま正倉院展をやっていたんだ。だから見てきたの。ラッキーだったなぁ。」
そう自分に自慢したいじゃない。
「じゃあ、一人で行くから良いや。」と烏天狗kiriyは姉に言う。
だけど、興福寺国宝館から出てきたら、いつの間にかみんなで行く事になっていました。(きっと柱の陰でぶるっと悪寒がしたのかも知れません。)
「次で最後だから、みんな頑張ろうね。」
頑張って行くところなのかは果たして謎ですが、そんな感じです。
すっかり暗くなった奈良公園。雨はやっぱり降りやまず。
とにかくみんなのブーイングが出る前に辿り着き、さっさとチケットを買って何分待ちだろうと列に並ばせなくては。
そう思って先頭切って歩く私。
だけど、みんなはすっかり忘れているかもしれないけれど、私は「たどり着けない女」。
とは言っても家族もいるから大丈夫だったのですが、実は最短距離を外して、なんとなく遠回りで奈良国立博物館に辿り着いた事は家族には内緒です。^^
時間も経っていたので「30分待ち」になっていました。なんだ、楽勝じゃん。
だけどみんな疲れているので、いろいろなものをしっかり見ようとするのは止めようと思いました。これぞと思ったものを狙い撃ちです。
これぞ!と言うのは、まさにこれです。
北倉 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
チラシにも載っているものがそうですが。トップに「正倉院展」とリンクして置きましたので、画像などは参考にしてください。
見学に関して工夫されていました。最前列で見られる列と言うのがあって、そこが更に30分待ちでしたが躊躇せず並びました。この中は寒くもなく椅子もあるので、疲れた人は待っていてくださいねと言う感じ。お急ぎの方は、この列に並ばなくても人と人の間からちゃんと見る事が出来ます。でも最前列でしっかり見る事が出来たので、時間が掛かっても並んで良かったと思いました。
美しい琵琶でした。
大昔に演奏された音も鳴り響いていました。重々しい音で情緒ありアリでした。
ところで、ここでは何かに影響されてはいないのかいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。実はあります。見たいな、この琵琶!と思ったのは、この漫画の影響・・・です(汗)
その他に印象的だった展示は
北倉 繡線鞋(ぬいのせんがい)
靴です。昔の人もお洒落でしたね。
南倉 伎楽面 酔胡王(ぎがくめん すいこおう)
雅楽の時のお面ですが、やっぱり陰陽師を連想。だけど、この顔を見ると日本人は昔から西洋人を知っていたとしか思えませんね。
南倉 蓮花残欠(れんげざんけつ)
大仏開眼の時に使用。ロマンです。
南倉 鳥獣花背円鏡(ちょうじゅうかはいのえんきょう)
凄い大きな鏡です。
このほかにも戸籍とか布とか箱とか・・・
かなり満足です。
と言うことで10月31日の観光は終わりです。
またもタクシーで奈良駅に帰ってきました。奈良国立博物館前から奈良駅まで、ここでも料金が分かれました。千円と千二百円。
だけど、先に乗った私たちのタクシーの運転手さんは気さくな人でおしゃべりをしながら帰ってきましたが、食事するならと止める場所をアドバイスしてくれました。でも後ろの車を待つのに、状態の良い所で父母を待たせたかったので屋根のある駅前までお願いしました。目と鼻の先です。でもその為に料金が上がりそうだなと、そっと料金メーターを覗き込むと、なんとなく運転手さんがメーターを止めたように感じました。勘違いかもしれませんが、その200円は、その違いかと思えました。
サンクスです♪
「ワイワイギュウギュウ家族旅行/奈良日記その4」
「正倉院展」顛末記です。感想は下のほうにちょっとだけ書いてあります。
ちょっと時間が飛びまして、
奈良から京都に向う帰りの電車の中の中吊りに、正倉院展のチラシがぶら下がっていました。私は満足な気分で姉に「行ったね。」と言いました。でもふと思いついて、言葉を続けました。
「でもあの時に行っていなかったら、あのチラシを見ただけでも不機嫌な気分になって、今頃は烏天狗のように唇が尖がるところだったわ。」
すると姉は
「うん、本当に行って良かった。あの時既に烏天狗のような顔になってから。行かなかったら今頃恐ろしかった。」と言いました。
「ええ、そんな顔してた!?」
「してた!」
ああ、そう。
でも烏天狗のような顔になっても仕方がないってもの。
興福寺で国宝館の中に入る為に待っていた私たち。
30分待ちと聞いて、父は嫌そうな顔をしました。
父は「法隆寺」だけで疲れてしまっているのです。分かってはいたのです。だから計画では、この興福寺の後はホテルに先にチェックインと言う案もあったのです。でも姉は、国宝館前でこれから阿修羅を見る事が出来る為に満足しているのです。そして、父の疲れた顔を見て、何を抜かしたかと言うと、「今日はここで終わりだなぁ。」
「にゃ、にゃんだと。」←心の声
「だって、駅で75分待ちって言っていたじゃない。無理よね。」
「だけどお父さんは、正倉院展、いいなぁって言ってたよ。」
「行くと思っていないから言ったんだよ。諦めてもらおう。」と姉。父たちに先に帰って貰うと言うのではなく、みんなで一緒に帰る雰囲気。
なんだか、ムカムカしてきました。その時だんだん顔がカラスになっていたのですね。
だって「正倉院展」開催中に奈良に来て、それを外すなんてあり得ないでしょう。
それに、例えば友人に
「奈良に行ったんだ。」と何気なく報告と言うか、ある意味ささやかな自慢をしたとするでしょう。すると、友人が
「ああ、じゃあ、『正倉院展』に行かれたのね。」と言う。(そんなことを言う人は、実は一人ぐらいしかいない、たぶん。)
「ううん、今回は家族と一緒だから諦めたの。」と私が言う。そんな妄想。
ああ、何か嫌。
要するにどうしても行きたい理由は、自慢したいがための私の見栄かしら。
ああ、そうさ。
私は自慢したい。
自分に。
「奈良に行ったんだ。たまたま正倉院展をやっていたんだ。だから見てきたの。ラッキーだったなぁ。」
そう自分に自慢したいじゃない。
「じゃあ、一人で行くから良いや。」と烏天狗kiriyは姉に言う。
だけど、興福寺国宝館から出てきたら、いつの間にかみんなで行く事になっていました。(きっと柱の陰でぶるっと悪寒がしたのかも知れません。)
「次で最後だから、みんな頑張ろうね。」
頑張って行くところなのかは果たして謎ですが、そんな感じです。
すっかり暗くなった奈良公園。雨はやっぱり降りやまず。
とにかくみんなのブーイングが出る前に辿り着き、さっさとチケットを買って何分待ちだろうと列に並ばせなくては。
そう思って先頭切って歩く私。
だけど、みんなはすっかり忘れているかもしれないけれど、私は「たどり着けない女」。
とは言っても家族もいるから大丈夫だったのですが、実は最短距離を外して、なんとなく遠回りで奈良国立博物館に辿り着いた事は家族には内緒です。^^
時間も経っていたので「30分待ち」になっていました。なんだ、楽勝じゃん。
だけどみんな疲れているので、いろいろなものをしっかり見ようとするのは止めようと思いました。これぞと思ったものを狙い撃ちです。
これぞ!と言うのは、まさにこれです。
北倉 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
チラシにも載っているものがそうですが。トップに「正倉院展」とリンクして置きましたので、画像などは参考にしてください。
見学に関して工夫されていました。最前列で見られる列と言うのがあって、そこが更に30分待ちでしたが躊躇せず並びました。この中は寒くもなく椅子もあるので、疲れた人は待っていてくださいねと言う感じ。お急ぎの方は、この列に並ばなくても人と人の間からちゃんと見る事が出来ます。でも最前列でしっかり見る事が出来たので、時間が掛かっても並んで良かったと思いました。
美しい琵琶でした。
大昔に演奏された音も鳴り響いていました。重々しい音で情緒ありアリでした。
ところで、ここでは何かに影響されてはいないのかいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。実はあります。見たいな、この琵琶!と思ったのは、この漫画の影響・・・です(汗)
![]() |
陰陽師 (13) (Jets comics) |
岡野 玲子,夢枕 獏 | |
白泉社 |
その他に印象的だった展示は
北倉 繡線鞋(ぬいのせんがい)
靴です。昔の人もお洒落でしたね。
南倉 伎楽面 酔胡王(ぎがくめん すいこおう)
雅楽の時のお面ですが、やっぱり陰陽師を連想。だけど、この顔を見ると日本人は昔から西洋人を知っていたとしか思えませんね。
南倉 蓮花残欠(れんげざんけつ)
大仏開眼の時に使用。ロマンです。
南倉 鳥獣花背円鏡(ちょうじゅうかはいのえんきょう)
凄い大きな鏡です。
このほかにも戸籍とか布とか箱とか・・・
かなり満足です。
と言うことで10月31日の観光は終わりです。
またもタクシーで奈良駅に帰ってきました。奈良国立博物館前から奈良駅まで、ここでも料金が分かれました。千円と千二百円。
だけど、先に乗った私たちのタクシーの運転手さんは気さくな人でおしゃべりをしながら帰ってきましたが、食事するならと止める場所をアドバイスしてくれました。でも後ろの車を待つのに、状態の良い所で父母を待たせたかったので屋根のある駅前までお願いしました。目と鼻の先です。でもその為に料金が上がりそうだなと、そっと料金メーターを覗き込むと、なんとなく運転手さんがメーターを止めたように感じました。勘違いかもしれませんが、その200円は、その違いかと思えました。
サンクスです♪