森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

龍馬伝47回「大政奉還」

2010-11-22 02:36:03 | ドラマ (大河)

容堂公が書いた建白書を後藤象二郎が幕府に届けて、事態は大きく動き出す・・・・。

慶喜公は大いに悩みます。

眉毛なし、キモさではこの人が、このドラマの中ではNO.1だったかもしれません。みんな工夫していますよね。この人が出てきても、毎回数分程度だったと思いますが、それにしてもインパクト大。そのための眉毛なしだったのではないかと推測しています。

その慶喜公にとっても最大の山場だったかもしれません。

描かれてはいませんが、実はこの人の中でも「大政奉還」と言う言葉は、その意識下に密かに潜入していたのではないかと思います。なぜなら先週のナレーションにもありましたが、一介の大名がこのような建白書を書くなんて事はあまりない事ですし、どれだけの力を持っていたと言うのでしょうか。一笑に付され怒りをかう確率のほうが高いと思われても仕方がないと思うからです。

だけど彼は重臣の意見を聞こうとし、その議論が深くなされないまま、彼は議論の場を閉ざし一人逡巡します。

大河の慶喜公が主人公だった物語は、実はまったく見ていません。でも、もし彼側から見た物語ならば、やっぱりここは見せ場だったのではないでしょうか。

 

京にいる諸藩の重臣を集めた二条城でも、意見を聞こうとします。
だけど思ってもみなかった「大政奉還」についての意見など、一人の意見として言える者などありません。

当たり前の事だと思います。

みな自分の後ろには藩を背負っている訳ですし、事の重大さを思ったら迂闊な事は言えるわけがないのです。

だけどただ一人、それを言える者がいたのです。

そう、建白書を書いた容堂公の家臣、または書かせた者の共犯者、後藤象二郎だけはこの席で自分の意見を言う事が出来る唯一の人だったと思います。

だから私の後藤様(いつから?)は必死になって大政奉還の意義を説き、「すべきである」と進言します。
だけどいくら後藤様と言えどもこの空気の中で、「わたくしは!」と言うのには凄いエネルギーがいたと思います。

その胸ぐらを掴む慶喜。

意見を求めながらその態度。

それは彼の波のように大きく揺れる気持ちの表れだと思うのですね。
物語の論外だったので描かれていない部分は、大いにあったと言う事が凄く感じられた今回の「大政奉還」でした。

だから勝海舟が解説に来ましたよね。

凄い英断をされる慶喜公を愚かな敗軍の将として扱ってはならないと・・・と言っているところに
龍馬たちのところに大政奉還の決断がなされたと知らせが入るのでした。

感想は印象の大きかった順から書くようにしているのですが、ちょっと龍馬から離れすぎました。だけどそこは大事なポイントだと思います。

 

「時代」
「時、来たりなば」

そんな言葉が浮かびます。
時代の裂け目から、何かが噴出すように民衆の「ええじゃないか」が流行ってみたり
大いなる敵は外にいて、だけどそれに乗じて内側から裂けようとしていた時代。
徳川の延々と続くかのように見えた時代の転換期が、波に乗ってやってきたと思うのです。

だけど新しい時代のイメージは、みな同じだったと言う訳には行かないようです。

薩摩や長州にとっては、この時代はもうひとつの戦国にほかなりません。戦をして徳川に代わる。彼らの徳川を倒すと言うのは、そこに目的があるのだと思います。

大政奉還が決まった時のあの薩摩と長州の暗い顔、やな感じでした。

そしてなんだかドキドキしました。俗に言われている龍馬暗殺の首謀者のことを考えると、薩長首謀説と言うのは妙な納得感がありますね。

 

今回も、インパクトの強いシーンが多数ありました。
暗い顔の薩摩の面々の中で、一人顔が輝いていた中岡慎太郎・・と言うのもそうですが
やっぱり、手紙をしたためる龍馬でしょうか。

その前に籠を止めて慶喜側近の永井に会いに行くと言うシーンがありましたね。永井を説得したから、その永井の説得もあり慶喜の心は大政奉還に傾く訳ですから、省いてはいけない部分でした。

でも、そこは史実なのでしょうか。そんなフィクション的な事よりも、現に手紙が残っているそのシーンの方が心に残りました。
叶わぬ時には慶喜を暗殺すると言う覚悟をしたためた手紙。
「後藤先生にはあの世にてお会いしましょう。」
なんかジーンと来ました。

 

そして、今回の弥太郎。
凄く良かったです。

弥太郎にとっては龍馬こそ乗り越えなくてはならない壁。

否定したいけれど龍馬の事を信じてしまうのは、弥太郎が聡明だからこそだと思います。感情論だけではないのです。戦を信じて銃を売りさばく弥太郎でしたが、周りの者の龍馬の評判や海援隊の話などから、彼は風を読み取ったのだと思います。そして大政奉還決定前に銃を売りさばき、利益を得ます。結果的には龍馬を信じた弥太郎は、
「また負けた。」と悔しがるのでした。

「まっちょれよ」と彼は誓いますが、待てませんよ。

あと一ヶ月なんだから。

 

ドラマはあと一回。次回は拡大版。録画には気をつけて。

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする