冒頭からネタバレしています。再放送時か何かの時にチェックするかたはお気をつけてね。
タイトルは「許されざる者」。
あの人は本当に許されない者だと思いました。
だけれど私、今回ちょっとだけ騙されてしまいました。この「騙される」と言うことは、「相棒」ファンなら嬉しいことなんだと思います。なんかもう、いつも騙されたいのです。騙されて「おお!」と言いたいのですね。
それで何を騙されたのかと言うと、あの女弁護士が殺されてしまった長谷川が本当の犯人だと知ったが、あの告白の時だったと。
「えっ、今なんて言ったの?」
無実と思うから弁護した。だけどそれは殺人を犯してしまった「許されざる者」を世に放ってしまった。だから責任を取って自分で始末をつけた。
「ああするしかなかった。」
そうは思えないし、ありがちな物語の展開―。
それでも私、思ってしまいました。
弁護士って何だろうって。
冤罪から人を守る。または過度に処分されないように守る。大切な重要な事だと思います。だけれど、罪を犯したものを弁護士の手腕によって罪なき者にしたり、少なすぎる量刑にすることではないと思うんですよね。ふと思い出してしまうのは、あの母子殺害事件。私的な感覚的な感想ですが、あの弁護士集団は変な事ばっかり言ってた狂った集団に見えましたし、記者会見の時に「これほど意義のある・・・・滑ったの転んだの・・・」と涙ぐんでいた若い弁護士の人などは、無念にも殺害された若き母親の命には微塵にも思いがいかない自己満足の塊に見えました。
死刑廃止の自分たちの主張に裁判を利用していたに過ぎないと思いました。
おやっ?
とすれば、この女弁護士と実は同じようなものではないのかって思いました。
いつ思ったのかって言うと、たった今。
だいたいサスペンスのドラマファンは、時間で推理するんですよね。
ちらりと時間を見て、あっ、違うんだって閃きました。
この女弁護士は知ってたんだわ、最初から。
だからか。
告白本が出されてしまったら、能力は疑われても、たちの悪い犯罪者に騙されてしまった被害者でもある弁護士と世間からは思ってもらえるけれど、最初から自分で嘘の冤罪の構図を作り出してしまっては、この人自体が犯罪者ですよね。
でもこの女は悪びれない。
「私を待っている弱者の為に、冤罪の裁判の記録が欲しかった」のようなことを言いますが、要するに自分の書いた物語の1エピソードのようなものだったのですね。
司法の根幹が穢れてしまうような許せない人ですよね。
サスペンスの基本の確認。
犯人は必ず余計な事を言って墓穴を掘る。今回は「合鍵の作れないカギでも」ってな所。そこまでは右京さんもまだ彼女を疑っていなかったような気がするのですが。
教訓
物取りに見せたいときは、部屋の中を荒らし過ぎない事。
って、おいっ!!
流れるような展開と、ひねったラスト。怪しい人もたくさん出て来て、面白かったです。
おまけの関係のないお話
「許されざる者」って聞くと、やっぱりクリント・イーストウッドを思い出しちゃいます。
日本版は見ていないので渡辺謙さんは連想できませんが、面白いかな~、日本版も?