森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

鎌倉殿の13人 第46回「将軍になった女」

2022-12-05 15:19:54 | ドラマ (大河)

あっと言う間の時元謀反の平定。

しかもこの謀反、三浦が炊きつけたようだけれど、義時が仕組んだものでした。

無駄な争いの芽は摘んでおく・・・・。(そのようなものですが、言葉が不正確ですみません。)

義時にとって、「無駄な争いの芽」とは、もはや源氏の血そのものなのでしょう。

鎌倉の為に。北条の為に。

 

実衣の詮議の場での、義時の恐ろしい言葉の数々。

女ゆえに首は跳ねないが、鼻と耳を切り落として流罪とか・・・・

「えー、せめて耳だけにして欲しい。恐ろしすぎる。」と私が言うと、

「そういう問題じゃないんじゃないか。」と夫。

するとトキューサが

「せめて耳たぶだけにして・・・・。」と言うじゃないですか。

そうよね、トキューサ、妹なんだからさって思うし、妹じゃなくてもそう思うよね。

と言うわけで、トキューサ愛が跳ね上がった私です。

 

しかしこの時、夫が

「しかし政子って、何にも力がなかったんだな。」と言ったのです。

その言葉を聞いて、私はピーーーーンと来てしまいました。

「違うよ、パパ。今から頑張るんだよ。妹を助けるために。」

 

牢に居る実衣に会いに行く政子。

早く殺して。時元に会って、母のしたことを謝りたい。首は何処にさらされるのかしら。綺麗にお化粧してくれるのかしら。

実衣の言葉はみな悲しい。

だけれど帰ろうとする政子の背中に走り寄って、「死にたくない。」と言った実衣の言葉に、抱き合い涙を流す姉妹。

「姉妹」と言う言葉に、今の私はメチャクチャ弱いんです。思わず涙がハラハラ零れました。

「お姉ちゃん、助けて、怖いよ。」「大丈夫、私がきっと守ってあげる。」

頭の中で、そう変換されてしまうから。

こんな風に書いているだけで声をあげて泣いちゃう、私。

 

今回もどのシーンも面白くて、感想を書く人も悩むと思うのですが、私は何かのえのシーンが気になってしまいます。

どなたかもおっしゃっていましたが、この夫婦はいつからこのような覚めたような感じの夫婦になってしまったのでしょうか。

確かにのえは、視聴者にも分かりやすく描かれた、俗にいうとブリッコさんだったと思うのです。夫婦になっても、裏表ありの発言。

きっとお若い方や、純と言う透明な細胞で出来上がってる方から言わせると、気持ちをザラッとさせる女性であるかもしれません。

でも、フツーの日々の生活の何かに耐えてウン十年の奥様方から言わせたら(他者を巻き込む私)、そんなのフツーよ、寧ろ夫婦仲を上手く回すある種のコツって思いますねん。

だけどのえは、何かを失敗しているみたい。

触れられたくない跡継ぎの問題など上手く話せない前に話すタイミングとか作戦を失敗してると思うし。

だいたい前の妻の子供たちを味方につけておくとか、かなり難しいけれど、泰時を手中に収めておくとか・・・・←えっ !?  私が危ない人 ?

彼女は寂しいから、仲章にも隙を見せちゃうし、夫が不機嫌になれば、実は自分の命も危なかったというのに「やきもちですか。」なんて、ずれたことを言ってしまう。でも本当は、焼きもちくらい焼いて欲しかったのよね。

のえ、寂しすぎますよね。

そして上手く話が進まないと知って、彼女の父親は「あの方に相談してみたら」などと言います。あの方って、なんと三浦義村 !

一番相談しちゃいけない人よねって、視聴者は皆、思った事でしょう。

 

あのシーンも好きでした。

施餓鬼のお布施を民たちに分け与えている所に政子が現れると、人々は「私も子供を三人失いました。」「俺も何々」「私も何々」と自らの不幸を語り、「それでも生きていきます。頑張ってください。」と政子を励ますのでした。

そしてそこで、ひとりの少女が

「どうしてもこれだけは言いたい事がある。」と険しい顔で言うので、何かの要望なのかと思ったら、俗にいう推しへの愛の告白でした。緊張のあまり険しい顔になっていたのですね。「みんな憧れています。」と少女は言いました。

「伊豆の小さな豪族の行き遅れの娘が」と何度も言う「行き遅れ」。そっと止める政子。

その行き遅れの娘が、尼御代にまで上り詰めたのだから、並みの苦労ではなかったと思う。みんな憧れているというのです。

思わず亀のセリフを思い出します。この少女は、亀の娘なのかしらとも思ってしまいました。

(亀はどこかで逞しく生きているのかしら。)

ありがとうと少女を優しく抱きしめる政子。

「さしあたって、何から読めば。」と素直に亀に問うた昔。努力が報われたと言うものですね。

 

京から三寅がやってきました。だけど彼はまだ2歳でした。

彼が元服するまで、私が鎌倉殿の代理をすると政子が言いました。「呼び名は何がイイかしら。そうね『尼将軍』が良いわね。」

 

そして尼将軍になった政子が最初にやった事は、実衣の放免でした。

「私、尼将軍になったの。もう小四郎も逆らえない。」

いつもの元気な実衣なら、憎まれ口のひとつでも言いそうなものですが、彼女は言いません。姉がなんで尼将軍になったのか、彼女には分かったからだと思います。

「みんないなくなって、とうとう二人だけになってしまった。これからも私を支えて。」と政子が言うと、

静に実衣は「はい」とだけ答えるのでした。

 

あんなに「決意が足りない。」とか叱られ続けた政子。その時その時に決意し変わって来た政子でしたが、最後の「尼将軍」になったその理由は、ひとりの家族、妹を守るためだったのだと思うと・・・・・・泣いちゃうよね、やっぱ。

 

それにこの時政子は言いました。

「とうとう二人」って。

そう。彼女たちは源氏に嫁いだ源氏の女。つまり、彼女たちは残された源氏なのですよね。

義時は、分かっていないと思いました。

前妻の比奈が比企の乱の時、その後にけじめだと去って行ったとしても、その乱の時、一切夫を裏切らなかったのはなぜかなど、考えれば分かる事。

「女」が分かってない義時。

いや、しかし、ふと政子は「ふたり」って言ったかしら。ふと不安に思いました。言ってなかったらすみませんと言う所だけれど、まあいいです。そんな雰囲気という事で。(^_^;)

 

この大河、何かの間違いじゃないかと思うのですが、あと二回なんですって。あり得ないですよね。後二十回の間違いなのではと思ってしまいますよ、マジで。

でもそうなると、私はやはり三谷氏は、義時の最後は、妻のえの毒殺説を取るんじゃないかと思って疑っていなかったのですが、ここに来て、一部前から説のある政子の暗殺説もあり得るのかなと思えてきました。ただ三谷氏がインタビューで、政子は悪女にならないと言ったので、今まではその説が、私の中で小さかったのです。いやいや、分からなくなってきましたね。

ふたりで歌うように唱えた、あの大姫の呪文。

かっては父が居て、そして我が子たちを守ってくれるのだと信じていた弟たちが居て、北条のみんなで輪になって唱えた、その呪文を二人で唱えます。

とにかく実衣、生きてます。

ああ、やっぱ、泣く。

 

 

 


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