今年の1冊目はこの作品。昨年の入院した時に売店で買ったもの。でも読み始める前にめでたく退院出来たので、その後チマチマ読んでいました。相変わらずスローテンポで、今年立てた目標はクリア出来るか早くも怪しくなってきました。
浅見光彦シリーズ、沖縄が舞台。
読み終わってみると、なんだか二時間ドラマを見たような気分になってきました。
途中で分かってしまったからです。本当にドラマ的な展開で、もう光彦さんは本で読む必要はないかなと思ったと言うのが本音感想です。
但し、作者の沖縄への想いなどを読むと、けっして「軽い」と言う作品ではなかったのだなと思いました。
タイトルと沖縄でのラストシーンは、とっても素敵だと思いました。
沖縄と言うところは、日本であってもかつては独立した王国を作っていたひとつの国であって、文化などが違う面が惹かれるところだと思います。
知っているようで知らないことが、たくさんまだまだあるように思います。
例えば、このお話にも出てくるぶくぶく茶。
その画像はこちらにありました→「ぶくぶくちゃって、どんなお茶?」
又、ユタと言う職業の人たち。そのユタについては→ここで
と言っても、ユタについては本文を読めば、充分にわかります。沖縄には何か不思議なパワーを感じます。
ユタと呼ばれることは嫌っていても、その力を持ったヒロインが登場することによって、少々のオカルト色に染まっているのも面白いところです。
丁寧にヒントになる関係のない事件も出てきて、推理力は余り必要とすることなく物語は終了するのですが、ラストの浅見の判断が、たぶん多くの読者の願いどおりだったのは間違いのない事だと思います。
この物語を読んで、ふと「相棒」の「名探偵再登場」の中の八木の言葉を思い出してしまいました。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、刑事と探偵の違いと言うアレです。
舞台は彦根に行ったり沖縄に行ったりで、観光的楽しさもバッチリ。ドラマになったら予算が大変だけれどかなり面白いと思います。
こんなふうに書くと、浅見光彦シリーズは本で読むのはこれにて終了で良いかなと再度思ってしまったのですが、結構シミジミ読めたのは、作者自身が書いている「自作解説」だったと思います。
歴史的に重い沖縄を舞台に、作者の悩みと工夫と閃き、作者が気に入っているシーンがよく分かり、作者を身近に感じることが出来る解説になっていると思いました。
ユタが愛した探偵 | |
内田 康夫 | |
徳間書店 |
ユタが愛した探偵 (徳間文庫) | |
内田 康夫 | |
徳間書店 |
・・・・・・・・