森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「終わりよければすべてよし」を見にいけました♪

2021-05-25 16:17:45 | 観劇・コンサート日記

「見にいけた。」とは微妙な書き方ですが、まさにその通りで、チケットを人任せにしてのんびりしていたら、完売との事で諦めていたお芝居でした。

だけどある日、ツイッターで「当日券は劇場で当日には買えません。」と言うような文字を読んで、記憶の底に沈んでいた「当日券」と言う言葉が浮上してきたのです。当日券は当日劇場で買えなくてもネットで数日前に購入すればいいのでした。だけどそのためにネットの会員になるのなら・・・・もしかしてB席とか残っているのではないかと思いました。

思った通りでした。

お芝居仲間が出来るという事は、時には感動共有と言う良い事があっても、時にはこのような席で悪いかななどと変な事に迷うのです。だけど、今回は迷わずに即、最近お芝居仲間になった方に連絡して、そのB席を買い求め22日に見に行ったのでした。

彩の国シェイクスピア・シリーズ37弾のこの作品で、1998年からスタートしたこのシリーズも終わりです。

問題作として、あまり上演されてこなかったこの作品をラストに持ってきたのは、やはりタイトルからだったのでしょうか。

23年の最後だなんて言われたら、見逃したくない想いも高まっていました。

だから私、本当に、見に行く事が出来て、本当に、あっ、二回も「本当に」と言ってしまいましたが、良かった~と思いました。

 

藤原竜也と石原さとみ、美しかったです。

ご一緒したお友達は「最後はハッピーエンドだと思っていたけれど、思っていた以上に綺麗なシーンに、癒され幸せな気持ちになった。」と言いました。

彼岸花の中のふたり、美しかったです。

確かに「終わりよければすべてよし」でした。

だけどその時、私などはじいいいいと魅入ってしまい、劇場内もシーンとしていました。

その後の鋼太郎さんの挨拶で皆さんの拍手が爆発しました。そして彼の挨拶と、このシリーズのラストを見届けたであろう蜷川さんのお写真に、思わず涙が出そうになりました。

 

物語は

『舞台はフランス。ルシヨンの若き伯爵バートラムと家臣のパローレスらは、病の床にあるフランス国王に伺候するためパリに向かう。バートラムの母ルシヨン伯爵夫人の庇護を受ける美しい孤児ヘレンはバートラムに想いを寄せているが、身分違いで打ち明けられない。

ヘレンは優れた医師の父から受け継いだ秘伝の処方箋で瀕死の国王を治療し、見返りに夫を選ぶ権利を与えられる。ヘレンはバートラムを指名するが、バートラムは貧乏医師の娘とは結婚しないと断固拒否、しかし国王に𠮟責されしぶしぶ承諾する。やむを得ず結婚したもののヘレンと初夜を共にする気のないバートラムは「自分の身に着けている指輪を手に入れ、自分の子を宿さなくては夫婦にならない」と手紙で宣言し、伊フィレンツェの戦役へ赴く。

ヘレンは巡礼の旅という口実のもと、彼を追ってフィレンツェへ。そこでキャピレット未亡人の家に身を寄せ、当地でバートラムが大きな戦功を上げたこと、そしてバートラムが未亡人の娘ダイアナに求愛していることを知る。ヘレンは真の妻となるためにダイアナとキャピレット未亡人に協力してもらい、ある計画を実行に移す…。』

 

 

私はあまり素直ではないのか、本音を言えば、物語の展開にはちょっとだけ心がざわめくものを感じたのでした。お芝居だから深く考えてはいけないなと思うのですが、リアルでこれは、この先上手くいくかなんて余計な事を思ってみたり・・・・本当に余計かも(笑)
これはもっと時代の背景とか知りたいなと思いました。
 
知恵ある美しき娘ヘレンにバートラムが選ばれた時、彼は狼狽し逃げ出してしまいます。
その時私の脳内に、「ポーの一族」のエドガーの「「ピアノ教師と準男爵は結婚できるのでしょうか?」と言うセリフを思い出してしまいました。
現代の感覚を、そこに持ち込んではダメなのですよね。
 
他の男たちは、国王の後ろ盾のある美しき娘に寛大でした。じゃあ、なぜバートラムはNOだったのでしょうか。
同じ屋敷内で暮らしていた、彼にとっては侍女以外の者ではなかったからでしょうか。
屋敷での別れの時も、そっけなかったし興味のない人だったのですよね。それに彼女を娶れば、持参金もなしで新たなる後ろ盾も生まれないのです。しかもまだまだ若くいろいろな夢を持っていたと言うのに、いきなり自分は景品にされてしまったようなものですからね・・・・・単純にダメ男とは言い難いものがありますよね。
だけど戦場近くで凱旋して戻ってくると、ちょっとかばいきれないダイアナとのあれやこれや・・・・。
 
この時代の男対女の駆け引き。女性の立場、そんな事が背景に描かれていたのかもしれません。
 
心に残ったのは、横田さん演じるパローレスの言葉です。
殺されても仕方がないようなシーンで許されると
 
「ああ良かった。」と彼は呟きます。すべてを失ってちっともいい事なんかないのです。
だけど「飲んで食べて、眠る事は出来そうだ。」
なんかジーンとしました。
「生きていれば生きていける。」だったかしら。既に不正確。
 
今と言う時代を生きる、私たちへのメッセージだったように私は感じました。
 
幸せな一日でした。
 
 
原作の本を買いました。
 

 

6月に入ってから届くので、読んだらまた感想を書くと思います。

 
 

  

 


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