年末・年始のスペシャルな番組の感想を書いてきましたが、それもようやくあとわずかになりました。
録画してもなかなか見る時間が取れないので、ゆっくりになってしまうわけですが、それでもなんだかんだと言って見たいドラマをほとんど見ているのは、これが私の趣味の一つだからなんですね。
三谷幸喜氏シナリオの「鎌倉殿の十三人」のお蔭で、このドラマに久しぶりに再会できました。
懐かしかったですね。皆の若さがキラキラしてて、本当に総集編ながら良かったです。
総集編なのでざっくりと大まとめでしたが、それでも様々なシーンが蘇えりました。
もちろん私の一番のお気に入りは、なんたって藤原竜也さんの、今時風に言うと、彼が私の「推し」と言うわけなので(意外とこの言い方恥ずかしい~☆歳の関係かなww)、その彼の沖田総司のシーンです。芹沢鴨を打ちに行くシーン、藤堂平助との別れのシーン、姉・みつとの別れ、そして植木屋の家での最後のシーン。
なんだかんだと言って総集編に出てきたシーンばかりになってしまいますが、やはり再び会いまみえるという事は忘れない事の為には大事な事ですよね。
しかし総集編になかったシーンでも、お考がいなくなってしまった後の植木屋平五郎の家でただ寝ているだけの部屋で、血だまりの中の蟻を助けるシーンは印象的で、忘れられないシーンです。
またもう助からないだろうと思える総司に向かって、
「『沖田さんちの総司さんは若い時は良い男だったのに、今はしわくちゃのお爺さんなってしまった。』と言われるくらいに、あなたは生きるんだ。」みたいなことを言うのですが、しわくちゃのお爺さん、お婆さんになれる事って、本当はとっても素敵な事なんだなと、私は思いました。
そして総司自身も、病気になって命の尊さを知り、知った自分にはまだやれることがあるはずなのに、それが出来ない事が悔しいなんて事を言ったように思います。
なんだか曖昧な書き方ばかりですが、見て、録画を消しちゃってから、感想を書いているので、メモもしていないし記憶だよりなので、多少思い込みも入っているかもしれません。
ただ、運命の矢印は死に向かっていると言うのに、心は生に向けられている、そんな感じがしてしまったのでした。
総集編は、やっぱり主人公の近藤勇がど真ん中で、ずっと本編を見ていた時よりも、彼が身近に感じました。本編の時は登場人物も多く魅力的な人も多かったので、なんだか主役感が薄れていたように思っていたからです。
香取慎吾さんの近藤勇は美しかったです。
(いまだに近藤勇の最後の陣屋跡に行っていなくて、今年は必ず行こうと思います。)
そして2006年のお正月に放送された「土方歳三最後の一日」。
実はこれ、初見なんです。
なんでこれを見なかったんだろうかと思っていたら、裏が「古畑任三郎」だったらしいですね。うちにはその頃、レンタルしてきて再生する物ばかりで、たぶん録画機能の機器を持っていなかったんです。
録画してまでテレビを見る時間もなかったからです。(という事は、今は「暇~ !」って言えるって事ですね。)
その後にもチャンスはあったのですが「もう、いいか。」みたいな気持ちになっていたのだと思います。
だけど、今回見る事が出来て嬉しかったし、そして今見ても新鮮でした。
その中の回想シーンの試衛館での食事での、「一番強いものは何か。」を語り合うシーンは、そのドラマの為の新撮だったのですね。だからこの続編で、まさか子供のような藤原沖田をまた見る事が出来て嬉しくも思いました。
土方と言ったら、様々なドラマで「死に場所を求めている男」というイメージが持たれていると思うのです。
だけどこのドラマの中では、榎本武揚との会話を通して、生きる事を諦めない土方になっていくのです。
歴史を知っている私たちには、やはり彼の運命の矢印は死に向かっている。だけどこのドラマの中の土方は生に向かって進んだのでした。
冒頭、京の三条の河原から奪回してきた、近藤の首を会津のどこかの山に埋葬し供養するシーンが入ります。その時土方は、近藤の羽織を半分に割いて、その片方を持って行くのです。
そして最後の決戦の時に、またその布を割き、頭に巻きます。
「すまない。再会するのは、もう少し後になる。」と言うような事を言うのですが、ジーンとして涙が零れました。
生に向かっても、彼は銃弾に倒れました。それを皮肉とは思えず、彼の想いは生き残った者たちにちゃんと伝わっていったなと感じるラストでした。
最後の時に、きっと混同が迎えに来ると思いました。
思った通りに彼が来て「トシ」と言った時にも泣けました。
死なない人間はいません。
如何に生きたかが大事。
胸が熱くなるドラマで、名作だったなとしみじみと思いました。