「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

社会認識の歩み 坪井ゼミにて

2007-09-08 23:29:36 | 政策・マニフェスト
「あなたの楽しみは何ですか?」
そう聞かれたら、ベストスリーに入ること。

それは、『坪井ゼミ』

早稲田大学国際政治学教授 坪井善明先生が、
どういうわけか、
集まった社会人に
ゼミを開いてくださっている。
毎回、課題本が言われ、それを2000字でまとめ、出席。
受講生各自が、それを発表しあい、
坪井先生が公表くださる。
また、受講生間でディスカッションする。
受講生は、10名弱。本日は、5名。
受講生のバックグランドが、
ばらばらなのが、またよい。
高齢の早稲田OB、企業役員、元宇宙科学系技術者、
主婦、森林王、お役人、市民団体で活躍する人、
元新聞カメラマン、などなど。
ゼミは、午後5時から8時ごろまで、みっちり。


講座終了後は、
お楽しみの懇親会。
会場の条件は、ひとつだけ。“十四代”のある店
最近は、早稲田大学近く鶴巻町のすし屋で固定されている。
このすし屋で、坪井教授は、
選挙に出ろと私の肩をたたいた。
私を中央区議立候補を考えるに至らしめた
張本人の一人が、坪井教授である。

本日9/8のお題は、『社会認識の歩み』内田義彦著、岩波新書
いつものことだが、このゼミがなければ、一生読まない本を推薦くださる。
そして、読んだ後は、この本に出合えてよかったと毎回、大満足している次第。

坪井教授は、厚生労働大臣舛添要一氏と同級生らしい。
かつては、「右の舛添、左の坪井」と評されていたという。
舛添氏は、医療福祉分野からは、専門外ではあるものの、
週一回母親の介護で九州の方に、通ったということや、
その勉強熱心さから、厚生労働大臣としての活躍は、
期待できるかもしれないという印象を私は持った。
坪井先生自体も、政令指定都市の市長選に立候補経験がある。
見識が深く、豪快な先生だ。
フランスとベトナムに大変詳しい。


さて、ゼミでのディスカッション、
印象に残った内容を、羅列ではあるが、かきおく。

*“国家”“制度”などの関連の外国にはあり、
日本には、まだない概念が出ている本を翻訳する場合、
読者にイメージを持ってもらうのが、非常に難しい。
社会科学系の本が難解になる理由がそこに一つある。

*EU共同体では、
三権分立の概念では、フランス モンテスキュー
経済では、英のスミス
独のヘーゲルの哲学世界観など、
それぞれの地域にある理論の強みを生かして、共同体を形成している。
一方、東アジア共同体を作る場合、
各地域に核となる理論・哲学がないので、
どのような設計していくべきか、理論立てが難しい。
その中で、インドのアチャイア(?)という人が、
東アジア共同体のあり方の理論立てをしている。

*日本にはあって、ヨーロッパにはないもの。
トイレのウオッシュレット、肩こり、切れる包丁

*リパブリック
民主主義という日本にまだまだ根付いていないもの。
“リパブリック(共和制)”
フランス革命で、自由・平等・秩序を
下からの作り上げ、その歴史は100~200年ある。
日本には、お上がやってくれるという風土であり、
下からつくるということは、まだまだ。
小坂も同感で、現在、中央区でも
「中央区協働推進会議」が設置され、
住民、地域の人が地域創りに参加していく場を作ろうとしているが、
それが、根付くには、非常に時間がかかると思っている。
でも、外国に比べ、なぜ、根付かないかなと思っていたが、
リパブリックという歴史の違いなのかと納得。

*企業人のあり方
結果は、あとからついてくる。
人が決めること。
良い結果をだそうとして仕事するのではなく、
自分が正しいと思ったことをやるだけ。
運・不運も時々影響するが。

*気分の国と意志の国
気分で行動する国の人は、悲観的考えを持ちやすい。
意志で行動する国の人は、楽観的考えを持ちやすい。
意志で行動するので、生きている実感を持つと同時に、
その行動には、責任が伴っている。

*学問体系
文系と理系の違いは?⇒文系は「人」、理系は「もの」をあつかう
文系は人文(文学・哲学)と社会科学に分かれる。
その違いは?⇒
人文は「心の内」、社会科学は「人間の行動の外からみた結果」をあつかう
理系は、自然科学である。
そこでは、「論理的根拠、法則性の発見」を行うところに本質がある。

以上。


学問って、こんなに楽しいことだったんだなあ~
早稲田大学の学生がうらやましい。。。。

次回のお題は、強烈!!
アダム・スミス『国富論』を2000字でまとめよ。
このゼミがなければ、一生読まなかった本。
読めるかどうか、今回は、不安。
読書の秋にふさわしい!?




コメント
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