「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

さて、一般質問 一題目はお約束の『病児保育』で入ります。

2007-09-18 23:59:32 | 各論:病児保育
さて、一般質問の御題の第一題目は、もちろん「病児保育」で行きます。
私は、選挙のマニフェストで、皆様とお約束を致しました。
「病児・病後児保育の利用希望者に100%対応する体制整備」
このことの実現に向け、一般質問を致します。

以下、原稿案です。あくまで案!!

「病児・病後児保育事業のさらなる充実について」
 病児保育とは、保育園・小学校に通園している子どもが、発熱などの病気になった時、保育園の代わりに子どもを一時的に保育する施設です。これは、国の健康支援一時預かり事業として開設され、自治体からの助成金で運営されています。規定により保育士1名、看護師1名の計2名で4人の子どもを保育する、2:1保育することが決められており、通常の保育より手厚い保育がなされています。自治体により異なりますが、ここ中央区では生後7ヶ月から小学校3年生までの子どもが対象で、利用者は一部負担金2000円で1日利用できます。
 近年の少子化、核家族化、地域社会の喪失、女性の社会進出などの状況下で、病児保育は子育て支援の重要な施策ですが、保護者の就労支援だけが目的ではなく、病気の子どもに必要な看護、保育、環境を提供することが重要です。
 病児保育は、厳密に言うと、病児保育と病後児保育に分けられます。病児保育は、医療機関に併設されているので、医師が常にいることから、入院や点滴の必要のない急性期の病気から回復期の病気、つまりはほとんどの病気の子どもを預かります。それに対して、病後児保育は保育園などに併設されており、医師は常時いるわけではありません。そのため、利用できるのは回復期の病気の子どもだけに限定され、元気でも38度以上の熱があるときなどは預かれないことがあります。
 現在、中央区には、医療機関併設型、すなわち病児保育可能な施設は、月島の1施設定員4名。保育園併設型、すなわち病後児の保育をおこなう施設は、日本橋と京橋の2施設定員4名づつ。全施設を合計しますと1日に12名の病気の子を預かることが可能な状態です。
 これから、冬場に向かう中で、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかる子ども達が増えてきます。是非、これら3箇所の病児・病後児保育の施設が有効に利用されることを願っており、ご質問させていただきます。

 子どもが病気のときは保護者が看病すべきである、単に労働力の確保に利用されているなどの批判があります。これらは正論ですが、現在の社会体制の不備のために子どもが犠牲になっているのであり、私達は、これらの批判を率直に受け止めながら、しかし、病気の子ども守っていかねばならないと考えております。
 病児・病後児保育に対する倫理的な批判もある中、この事業を遂行しているわけでありますが、
1. 病後児保育事業に対する区の理念をお聞かせ下さい。

2. 病後児のリスクマネジメントについて、特に子どもの急変時への対応
 病児・病後児保育の特徴として園内で服薬をおこないますが、誤った薬の内服をしないように二重、三重のチェックをしている状況であります。また、子どもの病気は急変することがあり、保育室から入院することもまれではありません。そのため看護師はもちろんのこと、保育士も子どもの体と病気について十分な知識と経験が必要であります。
 中央区の各施設は、保育園併設型の場合、協力医療機関がそれぞれ定められております。また医療機関併設型はもちろん医療機関が隣接していてよいのではありますが、それら医療機関が、休診の場合に何かあった場合の想定をする必要があります。
 私は、中央区にある医療機関がネットワークを組んで、病児・病後児保育事業の安全を見守る体制の構築が必要だと考えますが、いかがでしょうか?

3. 病児・病後児保育施設間の連携について
 冬場にかけて、風邪やインフルエンザの流行期になりますと、たくさんの子ども達が病気になり、病児・病後児保育施設への利用希望者も急増します。わずかな定員12名の枠を有効に活用させるためにも、定員オーバーの場合、他施設を紹介しあいながら、3施設間がうまく連携をとりあう必要があると考えます。現在、一つの施設で利用の登録をしても、他の施設では、あらためて再度利用の登録をしなおさなくてはならないという状況であり、施設間の情報交換、情報共有は取れていない状況にあります。
 また、利用は前日の予約制になっておりますが、当日利用者のキャンセルが出た場合など、他施設の定員オーバーの子を積極的に受け入れる情報交換をしていくと利用率の向上に有効であると思いますが、いかがなものでしょうか?

4. 地域の社会資源の活用による病児・病後児保育の可能性について
 ここ中央区では、保育園児は、認可保育園だけでも1386人(H19.5.1現在)。風邪のシーズンにおいて、わずか12名の枠では、病児・病後児保育施設を利用したくても、利用できない人が、多数出てくるのが現状です。現在、地域の社会資源の一つとして例えば、ファミリーサポートがあります。ファミリーサポートの提供会員さんが、病児も預かることができうれば、さらに病児・病後児保育の問題も解決されていくことになると思います。
 このときに問題になってくるのが、リスクマネジメントでありますが、ファミリーサポート会員さんへの、保育・看護の研修の充実とともに、質問2で、致しましたように、病児・病後児保育施設の安全を見守る医療機関のネットワークがしっかりしていれば、ファミリーサポートの提供会員さんも、そのネットワークに同時に見守られながら、病児保育を行うことが可能と考えます。
 このような、地域の社会資源の活用によるこのような病児・病後児保育の可能性についてお聞かせ下さい。


以上。


*病児保育の解説の文章は、いなみ小児科 稲見誠先生のまとめが非常によくまとまっていたため、お借りしています。
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