日経新聞(08/10/26)より、引用
日経新聞で、有意義な特集を組んでいるため、引用いたします。
下線、赤文字が、特に重要と私が考えるところです。
最後に述べられている「キッズかんせんセミナー」には、驚きました。
私も地域でやってみたいことの一つです。
日経新聞で、有意義な特集を組んでいるため、引用いたします。
下線、赤文字が、特に重要と私が考えるところです。
最後に述べられている「キッズかんせんセミナー」には、驚きました。
私も地域でやってみたいことの一つです。
■500施設近くのネットワーク
東北地方で地域レベルの院内感染対策の実情を探るため、10月中旬、杜(もり)の都・仙台に賀来満夫・東北大教授(54)を訪ねた。「感染症対策は病院単独では無理。地域での連携が不可欠だ」。賀来教授は取り組みの必要性を熱心に説明した。
東北地方で地域レベルの院内感染対策の実情を探るため、10月中旬、杜(もり)の都・仙台に賀来満夫・東北大教授(54)を訪ねた。「感染症対策は病院単独では無理。地域での連携が不可欠だ」。賀来教授は取り組みの必要性を熱心に説明した。
賀来満夫・東北大教授 |
東北大へ赴任した1999年、賀来教授が宮城県内の約20の病院長に呼びかけて「東北感染制御ネットワーク」が始まった。当初は宮城県内だけだったネットワークの参加施設は岩手、山形、青森県など東北全体に広がり、今では個人開業の診療所も含めれば500施設近くに達した。
■講習会で情報共有、「病院の壁」超える
活動の柱は「情報共有」「連携協力」「支援体制の構築」の3つだ。
情報共有の一環として年3、4回、共同講習会を開いている。同じ病院でも他の診療科の治療内容が分からないことがよくあるが、「病院の壁は診療科の壁より厚い。他の病院がどんな対策をしているのか全く分からない」と賀来教授。講習会を定期開催して、最新の情報を仕入れるだけでなく、病院間の情報交換を促す。
院内感染対策で全国をリードするNTT東日本関東病院。対策の徹底はコスト削減にもつながった(東京都品川区) |
ガイドラインやマニュアルも作成している。今年には新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)時の医療機関での取り組みをまとめたDVD「パンデミックへの備え」を作成、配布した。このほか「消毒薬使用ガイドライン」など地域に根ざしたガイドラインは数多い。
■地域性を反映したマニュアルが必要
全国レベルではすでに学会などがガイドラインを出しているが、「例えば宮城県内だけを見ても、仙台市内と県北では耐性菌の性質が異なる」(賀来教授)。それだけに「地域性を反映したマニュアルは必要」と地域レベルの連携の必要性を説明する。
連携の一環で病院訪問も行っている。約2時間かけて担当者と病院内を回り、改善点をその場で具体的に指摘する。電話やインターネットでの相談も受けている。
■各地で取り組み、課題は「人とカネ」
東北の成功を受け、厚生労働省は2004年、「院内感染地域支援ネットワーク事業」を立ち上げて8県でモデル事業を実施した。
最大の課題は「人とカネ」だ。実際、埼玉県のネットワークの窓口がある埼玉医大病院感染症科・感染制御科の前崎繁文教授(49)は「電話相談を受けるにも通常業務がある中では限界があり、費用面から見てもボランティアに近い」と都市型ネットワーク構築の難しさを打ち明ける。ネットワークの拠点となる東北大でも同様の悩みを抱えるが、文部科学省の補助金で感染症対策の専門家を養成するなどしてしのいでいる。
「人も微生物も動く以上、大病院も小さな病院もリスクは同じ」と賀来教授。ネットワークでは医療従事者だけでなく、子ども向けの「キッズかんせんセミナー」なども開く。組織力で対抗する有効性に期待して、少しずつ地域力の底上げを図っている。
(「蘇れ医療」取材班 吉田直子)
■地域性を反映したマニュアルが必要
全国レベルではすでに学会などがガイドラインを出しているが、「例えば宮城県内だけを見ても、仙台市内と県北では耐性菌の性質が異なる」(賀来教授)。それだけに「地域性を反映したマニュアルは必要」と地域レベルの連携の必要性を説明する。
連携の一環で病院訪問も行っている。約2時間かけて担当者と病院内を回り、改善点をその場で具体的に指摘する。電話やインターネットでの相談も受けている。
■各地で取り組み、課題は「人とカネ」
東北の成功を受け、厚生労働省は2004年、「院内感染地域支援ネットワーク事業」を立ち上げて8県でモデル事業を実施した。
最大の課題は「人とカネ」だ。実際、埼玉県のネットワークの窓口がある埼玉医大病院感染症科・感染制御科の前崎繁文教授(49)は「電話相談を受けるにも通常業務がある中では限界があり、費用面から見てもボランティアに近い」と都市型ネットワーク構築の難しさを打ち明ける。ネットワークの拠点となる東北大でも同様の悩みを抱えるが、文部科学省の補助金で感染症対策の専門家を養成するなどしてしのいでいる。
「人も微生物も動く以上、大病院も小さな病院もリスクは同じ」と賀来教授。ネットワークでは医療従事者だけでなく、子ども向けの「キッズかんせんセミナー」なども開く。組織力で対抗する有効性に期待して、少しずつ地域力の底上げを図っている。
(「蘇れ医療」取材班 吉田直子)