「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

うまく伝えるためには。

2008-10-05 23:08:21 | コミュニケーション

 さて、先日の新型インフルエンザ リスク・コミュニケーションのワークショップでは、「コミュニケーションとは?」という基本的なところから、話が入っていきました。
 
 大変重要な内容であり、そこで学んだエッセンスをお伝えします。
 
 前のブログでご紹介いたしましたワークショップ参加者 勝田教授が、先にうまくその箇所をまとめていらっしゃったので、その引用を行います。

****ブログ新型インフルエンザ・ウォッチング日記引用*****

新型インフルエンザ リスクコミュニケーションWS@神戸大http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/81950b0403eff08ef92764cca0dcd6bf からかいつまんだ話。

リスクコミュニケーションにあたり、プレゼンのコツ。
当ブログに来ていただける常連さんの中には、新型フルの「家庭内伝道師」「隣近所・井戸端会議伝道師」「会社内伝道師」的機能を果たしていらっしゃる方も多いと思います。
それぞれの場で、新型フルのこと、対策のこと、備蓄のこと・・説明するのにどうしたら効果的か・・ 応用できると思います。

プレゼンにあたり
*ボディーランゲージを
*アイコンタクトは重要。聞いている人の方を向いて
*聞いてる人に向かって問いかけを(~はどう思いますか?)
*プライオリティ・リスト 限られた時間で伝えることの優先順位づけ
*意外性 「えっ!」と思わせる 「転」の部分
*ユーモア。 ただ、パンデミック真っ只中のようなピリピリしてる時には逆効果も
*最後にサマリー。キーワード示す。
*会場の手近な人に質問を投げかけてみる(誰でも答えられる超簡単なQ or誰も答えられない超難解なQ)。 投げかけたらすっと立ち去る(どうですかどうですかと追及は×)

*まず事実を。
*パーセントは理解されにくい。(たった0.1%でも聞くほうは少しと受け取らない。日本語には”万が一”という表現があるのに注意)
*パワーポイントに使われるな!(これは私にとって耳が痛かった)
*パワーポイントの色彩(聴衆に色神の存在想定を)

****引用終わり*****


 エッセンスをうまくまとめられており、引用させていただきました。
 後は、補足ですが、

*つかみをしっかり!

*スピーチをする場合、時間を守って

*事故報告などでは、まずは、「事実」を述べ、その後「解釈」へ

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新型インフルエンザ・ウォッチング日記

2008-10-05 22:21:02 | 各論:新型インフルエンザに備える

 10/4の『新型インフルエンザ リスク・コミュニケーション ワークショップ』で、同じテーブルであり、面識を持たせていただいた先生が、新型インフルエンザに関して、非常に有意義な情報発信をしてくださっていますので、お知らせします。


ブログ『新型インフルエンザ・ウォッチング日記』
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12
勝田吉彰・近畿医療福祉大学教授

 勝田教授は、精神科医ですが、前職は外務省医務官。スーダン、フランス、セネガル、中国の大使館に計12年間勤務し、北京ではSARS騒動に遭遇。うわさに市民がパニックになるさまを目の当たりにし、情報の大切さを実感されたということです。

 ブログでは、新型インフルエンザにかかわる内外の動きを、報道や政府・専門機関の資料等のソースを示しながら、簡明なタイトルをつけ、医師としての知見を踏まえて噛み砕いて紹介しています。

 私自身、今後フォローさせていただきたいと考えています。

 勝田教授のご紹介に当たり、毎日新聞『憂楽帳』(2008.6.17)を参考にしています。

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新型インフルエンザ関連での第三回定例会(本会議)での議論

2008-10-05 21:44:11 | 各論:新型インフルエンザに備える
 新型インフルエンザへの備えをしていく必要を強く感じています。

 その課題解決への取組みを、今後ブログ上でお伝えしていきます。

 まず、中央区の取組みの現状を把握するために、現在行われている第三回定例会(本会議)での、新型インフルエンザ関連での議論の論点を掲載します。
 これは、以前のブログ『二日間の一般質問を終えて、区の課題』(2008-09-27 05:22:09)からの該当箇所の再掲です。

①新型インフルエンザ
行動計画は?
回答:平成19年7月行動計画策定 11月訓練実施

相談電話の電話回線は
回答:10回線設置し、マニュアルを整備し、職員を配置する

事業継続計画は?
回答:国、都の動向をみる

発熱センター設置、発熱外来設置、病院機能継続、慢性疾患の外来受診などは?
回答:医師会と検討する

ワクチンや抗インフルエンザ薬は?
回答:区への割り当てや財源が示されていない。国の動向を見る。

住民への周知は?
回答:区のお知らせ、ホームページ、町会・自治会へのチラシ、健康祭り、講演会で啓発していく

以上。
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新型インフルエンザ リスク・コミュニケーション・ワークショップを終えて

2008-10-05 10:42:59 | 各論:新型インフルエンザに備える
 昨日10/4、『新型インフルエンザ リスク・コミュニケーション・ワークショップ』に参加してまいりました。

 ご報告を、事後アンケートを載せる形で、行います。


****事後アンケート*****
1. あなたの新型インフルエンザ観はワークショップの前後で変わりましたか?変わったとしたらどのような点が変わったでしょうか。

 新型インフルエンザ観は、変わりました。
 ①新型インフルエンザのリスクは、つかみどころのない不確定な要素があるということを再認識ができたことや、 
 ②そのリスクコミュニケーションが特に大切な課題であるということ、
 ③そのコミュニケーションの難しさを理解することができた点
 で変わりました。
 下の回答と同じなのですが、結局、リスクへの認識が変わったが故に、新型インフルエンザ観が大きく変わったということになります。


2. 新型インフルエンザのリスクについての認識は、ワークショップの前後で変わりましたか?変わったとしたらどのような点が変わったでしょうか。

 新型インフルエンザのリスクについての認識は、変わりました。
 ①新型インフルエンザのリスクは、つかみどころのない不確定な要素があるということを再認識ができたことや、 
 ②そのリスクコミュニケーションが特に大切な課題であるということ、
 ③そのコミュニケーションの難しさを理解することができた点
 で変わりました。


3. 新型インフルエンザにおけるリスク・コミュニケーションについてワークショップでどのようなことを学ばれましたか?

 リスク・コミュニケーションがまず、とれていないということがわかりました。
 専門家や行政と住民と実地医療関係者で十分なリスクコミュニケーションをとる必要があります。
 では、どんなリスク情報についてのコミュニケーションなのでしょうか。

 「発生前」と「発生後」の二段階に分けられる状況別に、伝える内容や方法は変わります。
 まず「発生前」という“狭義のリスクコミュニケーション”では、
 ①発生したらどういう行動をとるべきか、その理由はなぜかを伝えること。
 ②手洗い、うがいが大事であるということ。
 ③発生したらどのように医療にかかるかと言うこと。
 ④リスクを高く評価し、注意を喚起するようなメディアが出た場合、それによる住民の関心の高まりに合わせ、行政側も情報発信をするとより効果的に伝わるということ。
 等が大切です。

 「発生後」のリスクコミュニケーションは、“クライシス・コミュニケーション”とも言います。
 ①断定的に「外出を避ける」という情報を発信し続けることが大切になります。
 ②また、デマや風評被害が生じますので、正しい情報を発信することが大切です。「何が正しくて、何が正しくないか」という情報を出すことです。


4. リスク下のコミュニケーションについて、ワークショップの前後で変わりましたか?変わったとしたらどのような点が変わったでしょうか。

 ①情報の発信の相手を想定し、
 ②その感受性にあわせ、
 ③伝え方を変えていく必要がある。
 ④そして、相手が「自分のことという感覚としてもつ」ことがなされ、それにより行動変容が起こることが目標である。
 ⑤情報のフィードバックのルートの確保も大切である。
 ⑥政策決定のプロセスを明らかにするという、もう一つ別の角度からのリスクコミュニケーションも大切です。

 
5. その他にワークショップを受講して学べたことや、特にご自身の認識が変化されたりしたことはありますか。

 ①タミフルにまつわるテクニカルな点を学べたこと、
 例えば、
 )現状の備蓄量と備蓄体制における課題
 )今後の課題としての「流通備蓄」について
 )タミフルの備蓄政策はどこが決定すべきか
等。

 ②N95マスクの大切さとその流通のあり方、
 )家庭ではサージカルマスクを用いるべきであり、N95マスクは、その手技が難しい点で意味をなさないこと
  すなわち、N95マスクをここぞとばかりに商機とするビジネスがきっと出現する中で、是非正しく行動してほしい。そして、N95マスクが本当に必要な発熱外来などへ十分な供給体制が整うことを祈るばかりである。
 )N95マスクを発熱外来で十分に備蓄することの重要性

 ③新型インフルエンザのリスク・コミュニケーション一つの分析を通しても、他の分野にも通じるであろう「政策決定に至るまでの問題点」があるということ
 例えば、
 )政策決定のプロセスを公開することの重要性
 )どのようにすれば、政策決定のプロセスを公開することを担保できるか
 )政策決定などで審議会、専門者会議など委員を選ぶ場合、その委員を選んだ過程のプロセス自体が明らかにされていない点
 )出した情報のフィードバックをいかにするかその手法
 )「公平な分配」を目指しても、それへの全員一致の正解はない。だからこそ、議論のプロセスを公開する必要がある。
 )議論のプロセスとは、公明正大なものであるようにして同意を得ていくことであるが、「議論の運営のルール」は、政治決着でつけられるべきものである点。

 ④電話で情報を伝達することの難しさの理解とそれを克服する手法を学べたこと

 ⑤有効に「伝える」とために、どうあるべきかという手法を学べたこと


6. 今回のワークショップでよかったことを書いてください。
 期待通りに、新型インフルエンザのリスク・コミュニケーションへの認識の高い方々と出会えたことが、たいへん有意義でした。


7. 今回のワークショップで改善すべき点があれば教えてください。
 ワークショップの終了後に、情報交換のための懇親会があれば、良かったと思います。


8. その他、自由にお書きください。
 今後も、第2回、第3回と続けていってください。

以上。

 
 非常に有意義なワークショップでした。

 ワークショップ第一講で、いきなり「挨拶の効用について」を3分間で伝えるという実践を私がすることになったのは、非常に緊張しました。「できて当たり前、失敗できない」というプレッシャーが重くのしかかっての3分間でした。

 新型インフルエンザから話題はそれますが、築地市場を豊洲の土壌汚染地へ移転を強引に進める東京都政の現状は、東京都ー専門家ー都民の間でリスク・コミュニケーションが一切なく、まったくお粗末なものであると、しみじみと感じました。技術会議を非公開に行うということは、まったく理解できません。
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