4月19日文科省による「子ども達への年間20mSv許容」の問題(http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/3591d3a49ca8763adbed191ab25bb2a0)を、2011年5月10日フジテレビ 特ダネが鋭く切り込んでいます。
フジテレビに対し、大いに敬意を表したいと思います。
「子ども達への年間20mSv許容」の問題に対し、医療関係者、教職員をはじめ、国を挙げて、「では、どうするのか」を真剣に考え行動していかねばならない時に来ています。
Youtube:
http://www.youtube.com/watch?v=950H9R5htcM&feature=player_embedded
以下は、番組のテキスト起こし。
参照: http://www.monipo.net/blog/radiation/tokudane-110510/
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先月の19日に政府が発表した学校の年間被曝量の基準値は
20mSVでした。
もともと保護者からは不安の声が上がっていたんですが、
その中、基準の決定に関わった小佐古元内閣参与が辞任をしたことで、
今この信頼が音を立てて崩れようとしています。
混乱が広がる子供たちの現場を取材しました。
(福島県二本松市東和中学校)
福島県二本松市内のある中学校、
これは部活動の風景。
Q.グランド使えるようになりたい?
A.なりたい
先月19日文部科学省が学校での年間被曝量を20mSVまで許容するという指針を出した。
この日(6日)の二本松市の大気中の放射線量は1.74マイクロシーベルト
文部科学省の計算式に当てはめると、年間およそ9.1ミリシーベルト。
許容範囲内に関わらず、グラウンドで練習をしない理由は
年間20mSVの基準に対して不安を感じているからだ。
(元内閣官房参与 小佐古氏の辞任会見)
年間20mSVは大変高い数値でありまして
この数値をですね、乳児・幼児・小学生に求めることは
学問上の見地からのみならず・・・(涙を流し声が詰まる)
わたしは受け入れることができません。
先月29日、内閣官房参与の突然の辞任をきっかけに
この基準値をめぐって混乱が広がっている。
(医療ジャーナリスト、伊藤隼也氏)
(ガイガーカウンターを手に公園で)
あー、ここも高い。6超えました
あ、7超えた。
文部科学省が定めた学校の年間被曝量20mSV。
はたしてこの基準値で本当に子供を守ることができるのか?。
許容量をはるかに超えた値を示す線量計。
この土は、福島市内の小学校から取ったもの。
今月2日、市民たちがその土を持参し、
学校での年間被曝量の基準値見直しを求めた。
この場には、文部科学省と、その決定に助言を与えたという原子力安全委員会の代表者が同席。
(文部科学省)
20mSVシーベルトで危険ということでないと私は思っています。
ただし、20mSVでよいとは思っていないので。
(原子力安全委員会)
20mSVを子供が年間浴びるということは許容できない。
4人の安全委員もそう思います。
Q.なのに何で差し支えないという表現がでるのでしょうか。
そういった議論をして、文部科学省も20mSVを基準とはしないんですよね?
食い違う両者の説明。
そもそも、20mSVという数値は、文部科学省が原子力安全委員会の助言を元に定めたはずではなかったのか?
揺らぐ基準値の妥当性。
今、福島で何が起きているのか?
訪れたのは、福島第一原発から45km離れた二本松市ののどかな公園。
あ~どんどんあがっていきます。1.5マイクロシーベルを超えましたね。
基準値の線量を超えたため使用制限がかけられていた。
ここ数日は線量が下がってきたというが・・・
足元を測定すると 8ガイガーカウンターのアラームがなり響く)
7マイクロシーベルトを超えた。
空中線量だけでなくて、子供さんは小さいから、地べたに近いからそういうものをちゃんと考えないといけないですよね。
町の放送・・・
放射線量の測定結果をお知らせいたします。
東和支所 1.19マイクロシーベルト
正常時ではありえない、放射線量のお知らせ。
そんな中、(子供が芝生の上で遊んでる)
不安は一杯ありますけれど、外に出さないでストレスためるよりはいいかなと。(両親)
そこにももっとお子さんいらっしゃるんで・・・
(滑り台で子供が土の近くで遊ぶシーン)
学校からおたよりとか、市でおたよりも回ってはいるんですけれど
前より数値が低くなったので安心感があって
遊んでいるんですけど。
彼らが安心と感じているのは専門家によるアドバイスの影響があるようだった。
アドバイザーの方が来て
ここは安全基準だよって言われるんですけれど。
そんな、彼女が語っていたアドバイザーの講演会。
長崎大学教授・福島県放射線健康リスク管理アドバイザー
「我々日本国民は日本政府の指示に従う必要があります」
20mSVの基準で本当に子供たちの健康は守れるのか?
あらためて彼の意見を聞いた。
20mSVは過渡的なレベルと考えたほうがいいです。
わからないということは、安全とも言い切れない?
もちろん、もちろん、
グレーゾーンでどこで線引きするか議論されている。
福島の人々はその数値を耐えろという意味?
もし耐えられなかったら逃げなくてはいけないですね。
避難どこにさせますか?あなたは?
子供たちの安全を保証するという発言は聞けなかった。
確固たる根拠の見えない基準値
アメリカの医師団体、PSR。ノーベル賞も受賞した団体だが
日本政府の決定は受け入れられないと抗議を表明している。
PSR、アイラ・ベルファンド医学博士。
日本政府が福島の子供たちの被曝許容レベルを
上げている決定を下したことに衝撃を受けています。
子供が受けるリスクは成人の2~3倍高く、
もしこの被曝量の基準を通せば、
子供200人に1人が癌を発症することになります。
(元放射線医学総合研究所・主任研究間・崎山比早子博士)
被曝によって大人よりも子供の発ガンリスクが高まる理由について、
元、元放射線医学総合研究所・主任研究間・崎山比早子博士はこう説明する。
根本的な問題は放射線は遺伝子を傷つけるという問題だと思うんですね。
放射線によって傷つけられた遺伝子は修復しようとする。
しかし、傷が多すぎると修復にエラーが起きて異変細胞を生み出す。
成長期は細胞分裂が盛んなので、遺伝子の修復を間違えるチャンスが大人より大きい。
10倍って言う人もいるぐらいです。
正解の見えない放射線への対応。子を持つ親たちには更なる混乱が広がっていた。
(民家の入り口)
まず、ここ踏んでください。
福島市に隣接する伊達市に住む、宍戸隆子さん。
毎回家に入るときこうやって土を落としているんですか?
はい、やってます。
帰宅時は放射性物質を持ち込まないように除染して中に入ることを徹底していた。
4人家族の宍戸さん。
中学2先生のフユキ君と小学校5年生のユズキちゃんは震災以来外で遊ぶことを許されていない。
何でお母さん・お父さんが外で遊んじゃいけないって言うかわかる?
癌になりやすいって言うから。
っていうことは聞いてるんだ。
洗濯ものも外では干さない。
一切窓も開けていない。
食材に関しても。
この辺だと産地がわかりますよね。県内産に関しては一切使っていません。
子供を守りたい一心の行動。
国に求めていることは?
迅速な情報の提供と、基準値の見直し。
せめて事故が起こる前の基準値まで戻してほしい。
それによって避難させるべきところは早急に避難させて欲しいです。
今一番不安なことは?
子供たちの屋外活動が再開されることですね。
政府が決めた年間20mSVという信頼が揺らぐ中
子供たちを守るために何が必要なのか?
さ、お客様です。
医療ジャーナリストで写真家、伊藤隼也さんです。
あの、専門家の小佐古参与が涙ながらに記者会見で訴えられてやめられた。
あの会見で、あの映像で不安が広がったって言うのはもちろんありますよね。
本当に年間20mSVでいいのかどうなのか?
文部科学省もちょっと歯切れの悪い発言ありましたよね。
言ってること違うじゃん。
そうなってくると住民は振り回されますから
子供を外に出さないって言う家庭ももちろんでてきますよね。
文部科学省が決めたのは年間20mSVです。
じゃ、私たちはどれくらいの放射線を受けてるかといいますと
平常時の東京 年間0.7ミリシーベルト
今回取材に行きました福島県の二本松市
たとえば木造住宅で一年間ずっと家から出ない、
それで6.7ミリシーベルト年間で被曝する。
レントゲン技師とか、放射線管理区域で働く人の基準値
「5.2ミリシーベルト」
チェルノブイリ原発事故の成人向け避難数値
「5ミリシーベルト」
これで、避難してくださいという指示がでたんですね。成人に。
これを受けて今回の20mSVがどうなのかということを?伊藤さん
僕は20mSVを世界の科学者がまったく認めていないということが
非常に問題で
これは直ちに撤回すべきだと思います。
子供は発ガンしやすという、
もちろんすべての人が癌になるというわけじゃないし、
悪戯に怖がることはないですが、
まずですね、子供は3倍とか、5倍とか、10倍とか、
大人と一緒の基準にしていることが問題ですね。
さらに、3つめ。
今回の被基準は内部被曝が考慮されていない。
ああやって公園とかで、こうやって今空中線量が少なくても
それが空気で舞い上がればまた、吸い込むわけですよ。
今空中線量だけで判断することは正しくない。
学校の基準はどれくらいにすべきだと思います?
小佐古さんはですね、あの時点でですね
少なくとも、チェルノブイリ少なくとも規制値の5ミリ。
あれもですね、子供はですね3ミリという話もあるんですね。
5ミリに設定したとしてもそれ以下にする努力。
ようするに限りなく1ミリに近ずける努力
を徹底してするべきだと、いわゆる専門家たちの一定した意見が多いと僕は思いますね。
子供ってすぐに避難はできないですね?
文科省は今、子供の避難の問題は大きな負担を与えるんだっていう話をするんですね。
命と負担とどっちを考えるんだっていえば
科学的な議論で言えば
まず、学校を除染する、校庭をきれいにする。
今ある放射線物質ををどける。まったくこれが正しいのに
文科省は校庭の除染は基本的にやらないといっている。
これとんでもないことです。
僕はね、すごく思うのは、子供ってこの国の未来ですよ。
未来をようするになぜ、国や政府はなぜ真剣に考えて
できる最大の努力を今しないのか。
菅さんぜひ僕、やってほしいと思う。
いろいろな専門家の方が、20mSVはどうなのか?っていう疑問のある中で
まとめられないって言うのは。
科学的には100%の根拠なんて誰も持っていない。
危険なことがあるのがわかってたら、
最大の努力をするというのが我々大人の役割ですよ。
ようするに、さきほどもありましたけれど、実際問題に
ある程度危険が想定できるときにどこに基準を合わせるというときに、
一番安全を目指すのが社会の姿勢じゃないですか。
20~30年後にどういう結果を生むかというのは誰にも予想不可能ですからね。
そうです。子供たちのためにどうにか考えて欲しいです。
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