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通りすがりのご近所さんを招き入れ、延々と続くストーブの前での茶話会に、婆さまは自らお菓子の袋を捜しに行く。日常茶飯事、冬の風物詩なのだが、あまりの極楽ぶりに、寒空の下こちらの活動意欲などは下降気味だ。
もともと柔な根性だから、大きく息をつけばたちまちしぼんでしまう。主体性のない話だが、こんなもんで、ほんのちょっとしたきっかけで簡単に分かれ目が生じる始末。
家を出れば浪費につながる、ここはひとつ気をつけて、お籠もりをしていようと相成った。
暖かさを失わずに動くとなると限られる。身の回りに目を向けてガサゴソ始まるわけだが、それほど片付ける必要もないまま一足早くに『大つごもり』を読んでいた。
「勝手は北向きにて師走の空のから風ひゅうひゅうと吹きぬきの寒さ、おお堪えがたと竈のまえに火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどのことも大台にして叱りとばさるる婢女の身つらや、」
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『十三夜』を読もうとして取り出しておきながら再び脇に追いやられていた一葉さんだ。
童門氏の『二宮金次郎』も久しぶりに目にした。家計簿をつけるサムライの話が映画化されてもいるが…。 そんなこんなで仕分けが始まった。
こうなると少し年末っぽくなってきたような感じがするが…。