goo blog サービス終了のお知らせ 

京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 紀伊路最後に、「預かり物」を目に

2011年05月08日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
黄緑色のブロッコリーのごとき若葉の盛り上がり、一方には常緑樹の深さと、行く手前方に広がる山並みはまこと豊かな緑色を示していた。順調にバスは進む。その両側に、みかんの花が咲いているだろうかと期待したが、当ては外れた。
七日、これで海とはお別れ、そんな声も漏れ聞こえた最後の紀伊路を歩いてきた。19006歩だった。

 
ソテツを遠目にしたり 鈴なりの梅の傍を通り過ぎる。          芳養王子
    
芳養(はや)王子にあったムクロジの木の下で、ムクロジの実を。
振るとカラカラと音立てるが、丸い黒い塊が入っていて羽子板の羽子に使われるのだと教えられた。周りは石鹸になるのだと。
牛の鼻、目良漁港を過ぎ天神崎へと向かう。

                 
   
      
日本のナショナルトラスト発祥の地。ナショナルトラスト運動とは、(和歌山県の観光情報によると…)美しい自然や歴史的建造物を市民の寄付金で買い取り保存して行く運動だとある。日本語訳をするなら「みんなの大事な預かり者」だという。13haもの広い平らな岩礁が広がる。
これほど潮がひいたのを見たのは初めてだと語り部さん。白く見えるのは貝だ。

 
潮垢離浜の記念碑。熊野に詣でる人々はここで潮に身を浸し穢れを祓ったとされる。いよいよ山また山の中辺路へと向かう前の最後の潮垢離で、出立の浜であった。出立王子に。

 
高山寺山門をくぐり、長い階段を上りつめたところに眠る南方熊楠に、そっと手を合わせてきた。 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする