京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「くまのいくの?」

2011年06月03日 | 日々の暮らしの中で
忘れているどころか、いつも頭の片隅にある熊野ウォーキングのことだが、それを引き出すタイミングが失われたまま、9回目の明日を迎えることになった。

紀伊路を終えた。明日は、紀伊田辺の高山寺から稲葉根王子までの11.3キロのコースだ。
いよいよ熊野の山中を横断する古代からの道、中辺路を歩いて熊野本宮大社へと向かう。明日を入れてあと6回だ。

これまでは静かにじわじわと期待しがら当日を迎えてきたが、今回ばかりはポン!と異界にでも押し出されるようだ。
「くまのいくの?」「う~ん。遠いんよ、熊が出るんよ~」「いつ帰ってくるの?」「あした帰るよ~」今夜Jessieと…。

「どこまで行っても山と渓流が美しく輝き、… ひっそりとした村落には、人待ち顔にその垣根にあじさいや撫子が咲いていた」中辺路を歩かれた寂聴さんは書かれている。「王子社が山の中の道に数珠のように点在していて、深い森林はどこまでもひろがり、常世の国に迷い込んだような気分がした」と。
さらに、田辺は、若き日の菅野スガと荒畑寒村が出会い、恋に落ちた町だと言うことも知った。

寂聴さんが歩かれた頃とは様変わりもあろうが、こうした文章に接して、どうして惹かれないことがあるだろうか。何が待ち受け何が寄り添ってくれるだろう、やはり楽しみは尽きない…。


 Jessieとトンボとりに出て
  木の幹にいたのを捕まえました。
大丈夫です、虫かごに入っているので飛び出しません。少し気色悪いのですが、どんな虫なのでしょう…?


コメント (6)
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